2022年10月16日日曜日

『不安な心に寄り添う』を読んで

 私立桐朋学園小学校(東京都国立市)の有馬佑介先生が送ってくれたので、紹介します。

 ***

 本から特に2点のことを学ぶことができました。

 1.子どもたち(のみならず大人たち)には「不安」という状態があること

2.授業のなかで「不安」を取り除いていくために「子どもたち自身が学習をコントロールする」ことが大切である

1つずつ説明したいと思います。
読みながら、クラスの特定の子を思い浮かべていました。

その子は、授業中にフリーズしてしまうことがたびたびあります。

僕はその子のその状態をうまく概念化できなかったのですが、まさに「不安」こそ、その子の状態を言いあらわすのにふさわしいと感じました。

「不安」という考え、見方を自分自身がもてたことが、よかったことです。

そういうふうに概念化/一般化できたことで、あやふやな感覚で見ていた子どもの状況を、もう少し明確に見ることができるようになると感じました。

実はこれまで見てきた多くの子どもの中にも、この「不安」というものにとらわれていた子が複数いたように思います。

でも、そのときの自分は、それを「不安」という言葉、現象に表してあげることができませんでした。

他の誰にもおとずれることなんだと言ってあげられず、まるでその子だけがその状況に陥っているかのように考え、伝えてしまっていました。

「そこで初めて、私は『普通なのだ』と感じました」(231ページ)

これからは、「不安」を概念化することで、それにとらわれた子に、こんなふうに思わせるように接していきたいです。

 

この本には、「不安」を抱える子どもたちとどう向き合うかも書かれていました。

本に書かれていることは、これまでもしてきたように思いましたが、それは無自覚に行ってきました。

これからそこに、「不安を取り除く」という観点をもつことができるようになると思います。

授業においては、「ピット・ストップ」や「選択の時間」★★「カンファランス」★★★が参考になります。

この本で書かれていた授業を通じて子どもの「不安」を取り除いていく方法について、ひとつ共通点が見いだせました。

それは、「子どもたち自身が学習をコントロールする」ことです。

ひとつ気になったことは、私たち教員自身が「不安」にとらわれている場合、どうしても自分で学習(子ども)をコントロールしたがるように感じています。

つまり、不安な教員と不安な子どもはとても相性が悪いように感じました。

不安な状態の同僚がいることに敏感になりたいとも思いました。

 

◆割引情報: http://projectbetterschool.blogspot.com/2022/07/blog-post_24.html

 

 どんなに高性能なマシンであっても、レースを終えるまでに何度かのピット・ストップ(モーターレースでレースの間にマシンの修理や調整、給油などを行うことです)が必要です。インディアナポリス500アメリカ、インディアナ州で毎年五月に行われるモータースポーツイベントです。「インディ500」として知られています)でも、インディ・カーは平均で五回のピット・ストップが必要です。59~62ページで、数回のピット・ストップの提供の仕方が書かれています。

 ★★ 『あなたの授業が子どもと世界を変える!』や『教育のプロが進めるイノベーション』で紹介されている「才能を磨く時間」や「20%の時間」のことです。その教師バージョンは本ブログhttps://projectbetterschool.blogspot.com/2021/05/blog-post.htmlで紹介しています。

 ★★★ このブログの姉妹ブログのhttps://wwletter.blogspot.com/の左上に「カンファランス」を入力して検索すると大量の情報が得られます。一言でいうと、最も理にかなった教え方であり、教えることの醍醐味を味合わせてくれる教え方です。(今風にいうと「個別最適化」の教え方です。)さらに言えば、「見取り・こども理解」と指導を同時にやらせてくれる(ということは、「指導と評価の一体化」を実現してくれる)教え方です! ということで、この教え方中心の授業ができるようになると、生徒はよりよく学べますし、教師は教えることに楽しさを見出せます!

0 件のコメント:

コメントを投稿