2024年3月24日日曜日

生徒が主体的に学ぶクラスの授業にはどんな要素があるか?

 あとしばらくしたら新年度の授業が始まります。準備はできていますか?

 欧米では「いいクラスの授業はどんなふうか」の研究★①が、少なくとも50年ぐらい続いています。先週に引き続き、その一つを紹介します。

 それが小学3年生の国語の授業であろうと、8年生(アメリカの高校は4年制なので、日本の中学校の最終学年に相当)の数学の授業であろうと、効果的な授業★①を行っている教師の特性には共通点があります。ここでは、11個の特性を紹介します

 あなたは、どの特性はすでにもっていますか? 来年度、どの特性を獲得するのに挑戦しますか?


1)学びを促進する授業のルーティーンと進め方:毎日のすべての授業時間を使いこなせるように、円滑な進め方になるよう、そして教師の指示がなくても生徒は何をすればいいか分かっている状態になっている★②。少しの練習/反復を通じて、すべての生徒が何をいつ、そしてどうすべきかを知っている。年度の最初の週は(アンケート等を取ることで)生徒のことを知り、関係を構築し、一年間の明確な期待を確立するために費やしている★②。

)継続的なフィードバック:生徒が何はうまくやっているか、何は修正が必要か、そしてどのように改善できるかの情報を提供することで、絶えず生徒の向上を可能にしている★③。その際、個々のニーズに合わせた具体的で実行可能なフィードバックを提供することが大切。

3)変化を大切にしている:座席の配置、グループの構成、インセンティブ、音楽、プロジェクトなど、定期的に変更して新鮮味を大事にし、全員が夢中で取り組めるようにしている。

4)明確さ:教師自身のモデルを含めた具体的な事例、明確な評価基準、フィッシュボウル(金魚鉢)などを通して、高い期待を確立している。生徒が学び・成長できるという信念を常に表現し続けている。
5)目的を明確にしたうえでの計画:すべての時間を有効に活用し、授業が始まる瞬間から終わる瞬間まで生徒をどのように夢中で取り組ませるかを考えている。生徒の理解を常に把握し★④、次の日の学習に対する好奇心を刺激する。

6)一人ひとりの生徒をいかす指導★⑤:異なる学び方や学ぶスピード等をもった生徒が確実に成功できるように計画している。異なるレベルの質問、生徒一人ひとりがいきるグループ活動、個々の生徒のニーズに合わせた異なる宿題や評価オプションを作成するために時間を費やしている。

7)生徒と学習との関連づけ:単にその日の学習目標を述べるのではなく、学習内容を生徒の暮らしや興味関心に関連づけて提示できるようにしている。関連づけることで、生徒の注意を喚起し、より夢中で取り組めるようになる。

8)生徒を見取り続ける:授業中に常に生徒の理解度を確認している。これは、理解を示すために親指の方向(上、横、下)で理解度を示してもらったり、一人で考えて-ペアで共有し-全体に紹介する活動、あるいは授業で理解したことを概念図として描くことなどで行うことでできる★⑥。授業の中盤にそれをすることで、調整が必要な箇所がわかり、すべての生徒が授業の終わりまでに理解できるようにすることが可能になる。
9)肯定的に認める:言葉による励まし、ハイファイブ、ステッカーなどを通じて、生徒の努力を褒め称える。生徒のやりきる力(根気)と努力を認めることが、モチベーションと成長マインドセットを育み、さらに成人期に向けての回復力を育成する★⑦。
10)家族とのコミュニケーション:年度開始早々に、家族とのコミュニケーションを開始し、電子メール、メッセージ、ニュースレター、ブログ等を通じて定期的に情報を発信することはもちろん、可能な限り双方向のやり取りを図る。問題が起こった時だけコンタクトを取るのではなく、いい情報のやり取りがあるからこそ緊急時の問題解決が容易になることを忘れてはならない。

11)教える情熱と学習内容の知識を磨き続けている:教えることへの情熱と熱意を注ぐことで、生徒の興奮と学びを引き起こすことができる。生徒が夢中で取り組みたくなり、深い探究を可能にする高次の思考をもたらす質問をする★⑧。教師と生徒のこのダイナミックな相互作用★⑨は、私たちが授業でもっと頻繁に見たいことの一つ。

子どもが教師(や教科書)の指示に従う学び手ではなく、自立した学び手になる教室環境をつくり出したり、教師が教え方を身につけたりすることは、教師のやる気さえあればできることです。その際のポイントは、生徒のニーズに応えるために考え方を変えたり、方向転換する必要があるかもしれません★。しかし、その教師の決断によって得られる成果や成長は計り知れません。それは、教師にとっても、そして生徒にとっても、です。

以上、出典はhttps://www.edutopia.org/article/creating-welcoming-classroomでした。ちなみに、ChatGPTで「effective teacher」の要素を尋ねたら、若干異なる要素を回答してくれました★⑪。興味のある方は、比較してみてください。

★① 「highly effective classrooms 」ないし「highly effective teachers」の研究は、少なくとも欧米では1970年代ぐらいから、50年ぐらいは継続して行われています。なお、The Highly Effective Teacher: 7 Classroom-Tested Practices That Foster Student Successは、『あなたの授業力はどのくらい? ~ デキる教師の7つの指標』として出版されています。日本には、このような研究(および実践)は存在するでしょうか?

★②これを実現している授業が、自立した書き手・読み手・学び手を育てることを目的にした『作家の時間』や『読書家の時間』や『イン・ザ・ミドル』等で見られます。

★③ 教師がいいフィードバックのモデルを示すことと、練習によって、生徒たち同士でも効果的なフィードバックを提供し合えるようになります。そのやり方は、https://projectbetterschool.blogspot.com/2012/08/blog-post_19.htmlと『ピア・フィードバック』を参照ください。

★④ この点については、8)を参照してください。これを可能にするには、1)や2)が実現していることを意味し、教師一人ががんばり続ける一斉授業とは極めて相性も悪いです。

★⑤ これを実現するのに役立つ資料は、『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』『一斉授業をハックする』『質問・発問をハックする』『宿題をハックする』『一人ひとりをいかす評価』などがあります。

★⑥ 事例として紹介されているのは、形成的評価として行うことができる50~60はある方法の3つです。形成的評価の多様な方法は、「check for understanding strategies」か「formative assessment strategies」で検索してください。

★⑦ 学びにおける成長マインドセットは、とても大切です。詳しくは、https://projectbetterschool.blogspot.com/2020/06/blog-post_21.html のなかで紹介されている『オープニングマインド』ともう一冊の本が参考になります。

★⑧ ブルームの思考の6段階をご存じですか? 一般的に、低次の思考は、暗記と理解。高次の思考は応用、分析、評価、統合(創造)と言われています。実際の授業の発問の9割以上は、低次の質問となっており、それをいかに高次の質問(生徒が学びがいを感じられる問い)に転換していくのかが大きな課題です。このことは、★⑨とも大いに関係します。

★⑨ 教師と生徒のダイナミックな関係を可能にする教え方として、https://docs.google.com/spreadsheets/d/1KXuWtBc4kl6jRr2KGwnqPAH1vSryYkM7qNXd0ArKpYU/edit#gid=1042705275 で紹介されている本や、『プロジェクト学習とは』や『PBL~学びの可能性をひらく授業づくり』などの探究学習関連の本がおすすめです。https://projectbetterschool.blogspot.com/2023/07/blog-post_16.html も参考にしてください。

 生徒のニーズは、クラス全体のニーズという側面と、より大切な一人ひとりの生徒にとっての異なるニーズがあります。ここで言わんとしていることは、前者のニーズよりも後者の一人ひとりの異なるニーズに応えることです。そのベースになるのが「発達の最近接領域(Zone of Proximal DevelopmentZPD)や「学習ゾーン」ですhttps://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=ZPD。当然のごとく、一人ひとりの生徒は異なるZPDや学習ゾーンをもっています。教師を含めた大人も、です。それが同じ内容を同じペースで扱っても、異なる学びや結果が個々の受講者や参加者によって得られることです(大人の場合の幅は、ほぼ0%~100%。子どもの場合は扱う内容にもよりますが、10%~90%ぐらいの幅でしょうか? なお上限は、テーマ等によっては100%を超えている場合さえあります。教師/講師よりも、生徒/受講者の方が知っていることもあり得ますから。)。

★⑪ すでに情報は、地球上に存在しています。なので、それを探そうとするか否かにかかっています。残念ながら翻訳ソフトやChat GPTは100%のレベルでは変換してくれませんが、70~90%にはなりつつあります。その、10~30%は結構大事な部分なのですが・・・ぜひ、その部分を補いつつ情報ギャップを少しでも埋めてください。なお、Chat GPTに日本語で依頼する時も、同じようなギャップはまだ存在していますので、鵜呑みにしないでください。役所の文章と同じで、分かったような文章を打ち出してくれますが、心に引っかかりずらいものが少なくない気がしています。

2024年3月17日日曜日

授業に違いを生みだす10の方法

 次のような文章をしばらく前に、何人かの友人・知人に送りました。

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今朝、https://www.nwea.org/resource-center/resource/jump-start-high-growth-instructional-strategies-with-map-growth/の「View Guide」をクリックして入手した情報(「最新」ではなく、去年の9月にアップされていますが)です。こういう情報が、アメリカからはウジャウジャ発信され続けます。常によりよくすることが自分たちに課された使命であるがごとく。それに対して、日本でこの手の情報を見かけることはほぼ皆無です。その背景には、教育NPOの存在があります(日本には、ほぼ不登校生徒への対応ぐらいしか存在しない?!)。

The Transformative Ten 

Derived from observing more than 75 hours of instruction at a high-growth school, the Transformative Ten are instructional strategies that can work in any classroom, subject, or grade level to help teachers differentiate while still exposing students to grade-level content. The strategies are grouped into three themes: 

Optimizing instructional time 

 1. Provide supplemental learning time for targeted retrieval practice 

 2. Mix whole-group, small-group, and individual activities 

 3. Adjust student groups in real time 

 4. Share students and strategies within a grade level 

Exposing students to more content 

 5. Differentiate tasks within a unit 

 6. Provide targeted practice for foundational skills 

 7. Teach from multiple standards at once 

Empowering students 

 8. Create opportunities for self-directed learning 

 9. Use student discourse as formative assessment 

 10. Explicitly teach academic vocabulary

 あなたの授業(あるいは、日本で望ましいと言われている授業)は、これらの要素のいくつぐらいが押さえられていますか? 私が過去15年ぐらい紹介してきた本では、これらのすべてが押さえられています。なかでも、『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』とライティングとリーディング・ワークショップ関連の本オススメ図書紹介(教師用) - Google スプレッドシートが傑出しています。

differentiateは、critical thinkingを「批判的思考」やstrategyを「方略」と直訳してはいけないのと同じで、直訳の「個別化や差別化」ではなく、「一人ひとりをいかす」と訳しました。


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 すると、ある先生がすぐに翻訳ソフトを使って、自分の回答を送ってくれました。(→以下は、その先生の回答)

 

変革を起こす10

高成長校での 75 時間以上の指導の観察から導き出された、変革の 10 は、生徒を学年レベルの内容にさらしながらも教師が差別化できるようにするために、どの教室、教科、または学年レベルでも機能する指導戦略です。戦略は 3 つのテーマに分類されます。

指導時間の最適化

1. 対象を絞った検索の練習のための補足学習時間を提供する

長文でなく、短い単語で区切って検索する練習のことだろうか。それであれば行っている。

2. グループ全体、小グループ、個人の活動を組み合わせる

個人の活動と全体の学習の行き来はよく行っているが、調べ学習のときは、個人の活動を行い続けることが多いような気がする。WWなどのように最後に共有することはあまりできていないか。

3. 生徒グループをリアルタイムで調整する

全く使い分けていない

4. 学年内で生徒と戦略を共有する

キャンプやクラブの立ち上げなど、学年で取り組むことが多い場合のみ共有して活動ができているが、教科については、クラスの垣根が高い。

学生をより多くのコンテンツにさらす

5. ユニット内でタスクを区別する

これはほとんど行えていない。社会の学習くらいだろうか。

6. 基礎スキルを対象とした練習を提供する

基礎スキルとはどういうことだろう。ドリルとかではないような気がする。もっと、学習に生かせるミニレッスンで教えるようなことだろうか。

7. 複数の標準を一度に教える

これもあまりぴんとこない。もう少し具体的な例がほしい。

学生に力を与える

8. 自主学習の機会を設ける

個々に課題を設定して行う学習のことだろうか。授業の時間を通してはおこなえていない。

9. 形成的評価として生徒の談話を利用する

ふりかえりを活用して次の授業の導入や、みんなで話し合うべきないようについて提示をすることはしているが、それでよいか・・・。

10. 学術用語を明示的に教える

国語、算数、社会、理科など教科の中使われる用語のことだろうか。それを教えるということであれば行っているが、それでよいのかな。用語を学び、その用語を使って話をすることについては、私も、子どもたちにも大切にするようにしている。

自分なりに簡単にまとめてはみたものの、こういうことでよいのだろうかと、いささか疑問です。

 

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 翻訳ソフトの精度は、まだ7~8割のレベルであることが分かります。(大意は伝わってきますが、微妙なニュアンスが伝えられない!? その2~3割が、割合以上に大事なのかもしれません。)そこで、多少の注釈(★)を加えながら、以下のように訳し直したものを彼には送りました。これで、回答は多少変わるでしょうか?

 

授業に違いを生みだす10の方法

生徒の成長(学力向上)が著しいある学校で75時間★①の授業観察に基づいて導き出されたのが「授業に違いを生みだす10の方法」です。それは、どんなクラスでも、教科でも使え、学年レベルの指導内容を押さえつつ、生徒一人ひとりをいかす教え方を実現するものです★②。10の方法は、テーマ別に3つに分類しました。

 

学習時間の最適化

1必要性の高い想起練習(何かを学んだら、その後に、それを記憶から取り出し、それについて再び考えること。このとき、学んだ後に時間をおくのがポイント)のために補足の学習時間を提供する。

クラス全体、小グループ、個人の活動をうまく組み合わせる。

3必要に応じて、グループ構成は臨機応変に調整する。

4学年内で生徒と使用する方法★③を共有し合う。

教科書を超えた学習内容を生徒に提供する

5単元のなかで、一人ひとりの生徒にあった活動★②を提供する

6基礎的なスキルを身につけるための練習課題を提供する。

7授業や単元を教える際には、一つの学習目標(学習指導要領の一つの指導事項)ではなく、複数の学習目標(指導事項)を設定する形で教える。★④

生徒をエンパワーする(生徒が元気になる)★⑤

8生徒が自立して学べる機会を提供する。

9生徒とのやり取り(対話・カンファランス)を形成的評価として利用する。

10.教科専門の語彙(用語)は意図的に教える。

 

★① たとえ、優れた成果を出している学校であっても、一つだけでいいのか、75時間だけでいいのかという二つの疑問が浮かびました。たくさんの学校や75時間以上の時間を費やしたら、違った結果になると思いますか?

★② 10の方法すべてではありませんが、その半分以上は最初のメールで紹介した「一人ひとりをいかす教え方」を可能にする方法になっています。とくに、『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』が参考になります。

★③ 同じ学年を教える同僚とは、単に教える際の効果的な方法だけでなく、なんと生徒たちも交換し合うようです!!

★④ ここの3つの要素から見えてくるのは、生徒の興味関心、学び方・学ぶスピード、すでにもっている知識や情報等は多様なので、多様な生徒のニーズと興味関心に応えられる課題、授業や単元の進め方、目標設定が必要なことが分かります。『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』をぜひ参考にしてください。

★⑤ この見出し自体が、とても魅力的です。日本の授業は生徒(や先生たちも!)に「自律(自分をコントロールする/律すること)」ばかりを求めて、「生徒をエンパワーする(生徒が元気になる)」授業が考えられたことはあるでしょうか? 最後の要素が、これにどう寄与するのかいまいちよく分かりません。でも、『教科書をハックする』の第3章「語彙こそが内容」と関連しているとは思います。なお、8番目と9番目の項目(および、1~7もほとんどすべて)を見事に実現している教え方が、ライティングとリーディング・ワークショップ関連(オススメ図書紹介(教師用) - Google スプレッドシート)の実践です。

2024年3月10日日曜日

子どもの自己評価は教師への最高のフィードバック「年度末の算数アンケート」

年度末が近づくにつれて、学習の振り返りや残りのテストに取り組む時期がやってきました。この機会に、おすすめの取り組みを紹介いたします。

学年末を迎えるにあたって、何もせずに終わらせるのはもったいありません。これまで取り組んできた1年間の学習の成果を振り返り、子どもたち自身から直接フィードバックを得ることができるチャンスだからです。

子どもたちが数学の学びで得たことや、身につけた力について、子ども自身が学びを振り返って自己評価をしてもらいます。これは、何が伝わり、教師としての自分にどんな課題があるのかを見極める良い機会となるでしょう。ぜひご参考にしてください。

 

これまで取り組んだ算数ノート、テキスト、参考書を用意しましょう。それらをもとに1年間の算数への取り組みを振り返ってみてください。

6年生で学んだこと例

①立体 ②体積 ③分数のわり算 ④分数と小数 ⑤整数・分数・小数と四則計算 

④量と単位       ⑤倍と割合       ⑥円周と円の面積 ⑦立体図形 ⑧分布と比 

⑨正比例、反比例 ⑩対称 ⑪拡大図と縮図 ⑫データ活用 ⑬数学者の時間

 

 

1.     この一年間、あなたは優れた問題解決者に向けてどんな成長がありましたか。

以下のキーワードから考えてみましょう。箇条書きで2つ書きましょう。

 

問題、計画、もとめること、わかっていること、つかえそうな作戦、予想をつかまえる、解決、うーん/あぁ、共有、特殊化、一般化、ふりかえり、ピアカンファランス、タイル図作戦、水そう図作戦、田んぼ図作戦、順番にやる作戦、思い込みを外す、パターンをみつけるなど

 

2.     算数で最も役にたった考え方やミニ・レッスン、作戦にはどんなことがありましたか。2つあげてください。

 

3.     算数において問題を解決するために、どうして自分が考えたことや他の人の考えなどをていねいにノートに記録することが大切なのかを箇条書きで2つ書きましょう。

 

4.     この一年間に解いた問題の中で、一番ベストの問題はどんな問題でしたか。それはまたどうしてベストなのかを書きましょう。

 

5.     友だちと相談したり、一緒に考え合うことで良かった点と課題点はなんですか。それぞれ箇条書きで書きましょう。

 

6.     問題ができないとき、わからないとき、まちがえたときこそ、どうして大事なときなのでしょうか。あなたの考えを書きましょう。また、あなたはその際、どう乗り越えてますか。

 

7.     算数において、問題をとくだけではなく、問題をつくることがなぜ大切なのかその理由を2つ書きましょう。

 

8.     よい問題解決者になるために、来年度に向けて自分にとっての目標を3考えましょう。

 

9.     算数のおもしろさや魅力とはなんですか(みなさんの意見を参考に、来年度担当する子どもたちに紹介する予定)。

 

10.  あなたは算数が好きですか? キライですか? また、それはどうしてですか。

 

 

11.  算数を担当した先生へ本音でご意見、ご自由にどうぞ。

 

以上の質問のフレームは、ナンシー・アトウェル著『インザミドル』の子どもたちの評価を参考に、算数教科において質問立てたものです。質問では、ただ算数を理解すればよいことを越えて、どのような問題解決者になってほしいのか、教師自身の願いも込められています。そのため、子どもたちからの返信は楽しみであり、また教師にとっても魅力的なものとなるでしょう。一年間の学習を振り返る時間を設け、その質問に対する返信を受け取ることは、貴重な体験となるはずです。ぜひ、この機会を活かしてみてください。

 

2024年3月3日日曜日

変容する組織リーダーのマネジメント ー ビデオで学ぶLINEヤフーの1on1

リーダーによるマネジメントに変化が起きています。

民間企業では、プライベートをコーチをつけたり、会社全体で導入している例もあるようです。学校でも、コーチングやメンタリングを活用した組織作りや研修が始まっていますが、現状はどうでしょうか?昔ながらのトップダウン型のマネジメントこそがリーダーシップであると考えている人も多いような気もします。ワールド・ベースボール・クラシックで優勝をした栗山英樹元監督やカタールW杯で世界を驚かせたサッカー日本代表森保一監督は、いずれもボトムアップ型のリーダーシップを発揮したことで注目されました。学校にも良い影響があるかもしれませんね。

今日紹介するのは、1on1という手法です。★1  1on1とは、部下と上司、あるいは同僚同士が定期的に行う一対一のミーティングのことです。アメリカのシリコンバレーでは文化として根付いているそうで、日本ではヤフー(現 Lineヤフー)が導入したことで注目され、導入する会社が増えてきているようです。★2

この度、Pivot ★3で、この1on1が取り上げられました。★3 しかも、元Yahoo社長で現在は、会長の川邊健太郎さん自らが、1on1の実演しながら、考え方やポイントを説明してくれているのです。今回は、このビデオを見ながら、1on1について学びましょう。

このビデオをは2本に分かれていて、VIDEO 1 (18分28秒から)では、1on1の基本的な考え方が紹介されています。

川邊さんは、1on1の意義は「相手の主体性を引き出し、仕事で成果がでるようマインドセットすること」と述べています。その後、1on1の重要なテクニックである「傾聴」の意義とその難しさ、そして、1on1の3つの技術である、コーチング、ティーチング、フィードバックの関係に話題が移ります。コーチング、ティーチング、フィードバックの割合が、1:6:3が良いのではないかというのは見解は興味深いものでした。ここで、VIDEO 1をご覧ください。

VIDEO 1【LINEヤフー会長に学ぶマネジメントの流儀】



[考えてみてください]
1 あなたは相手の主体性を引き出すコミュニケーションが得意ですか?
2  あなたは傾聴ができますか?途中で遮って、意見を言いたくなりませんか? 

次が、この番組のハイライト。川邊さんがゲストの女性を相手に実際に1on1を実演します(1分24秒あたりから)。これは必見です。川邊さんがどのようなテクニックを使いながら、女性から引き出そうとしているか、考えながら見てください。

VIDEO 2【LINEヤフー会長の採用㊙︎攻略法】



[考えてみてください]
1  実演の中で、ぜひやってみたい。やるべきだと感じたことは何ですか?それはなぜですか?
2  あなたの学校で、このような手法を導入してみたいですか?導入できそうですか?

振り返りの中で、川邊さんが使った技法が整理されています:
1  OPEN/CLOSE QUESTIONを使い分ける
2  本心で共感する
3  チャンクアップ/チャンクダウン
4  次回を語る
5  2 on 1で第三者とアフタートーク

それぞれ、実に興味深いですね。理論ではなく、それらを使いこなしているところが見事だと思いました。実践と経験の中で、マネジメント側のスキルも磨かれているところがすばらしい。

1on1の実践を見ると、すぐに実践に移してみたくなりますね。ぜひ、明日から実践してみませんか?

★1  1on1とは? 従来の面談との違いや効果を高めるコツ https://www.hrbrain.jp/media/evaluation/1on1

★2 本間浩輔 (2017) 『ヤフーの1on1―部下を成長させるコミュニケーションの技法』ダイヤモンド社.

★3  Pivot  映像コンテンツを通じて、ビジネスと学びを創造するスタートアップ企業 https://pivot.inc


2024年2月24日土曜日

探究する学びをめざして(歴史叙述から考える)

 

 前回(1/28)は歴史を学ぶということはどういうことかを考えました。今回は、歴史叙述についてまず考えることにします。

 「歴史叙述」とは、ごく簡単に言えば「歴史をある立場からみた歴史像」と呼べるものです。したがって、歴史上のあるできごとに対して、複数の歴史像が存在することになり、教科書で語られている歴史は大方の歴史学者が認めた歴史像ということになります。

 

次に、この「歴史叙述」について、「明治維新」を例に考えることにします。それはここでも何回か紹介した岩波新書の『シリーズ 歴史総合を学ぶ②』の『歴史像を伝える』(成田龍一)でも取り上げているテーマだからです。そこでは、歴史学者の井上清さんの『日本の歴史』(岩波新書・上中下1963-1966)が引用されています。マルクス主義理論を背景にもつ井上さんの明治維新に対する見立ては「日本人民による近代民族・国民として自由と統一と独立をたたかいとる画期的な前進の第一歩」であり、大きな流れは「封建社会の廃止」→「資本制社会への移行」ととらえています。ですから、「江戸時代の前近代・封建社会」から「資本制社会」へ移行し、最終的には「社会主義体制」へというマルクス・レーニン主義の枠の中でものごとを考えているわけです。実は、前回も書きましたが、私の中学時代の社会科教師はこの歴史観の持ち主でした。したがって、江戸時代の封建社会は農民などが悲惨な生活を送った「暗黒の時代」であるというのがその先生の「歴史叙述」でした。実はこの考え方もまた一つの「歴史叙述」だったわけですが、当時中学生であった私にとってはその後の人生に大きなインパクトを与えるものでした。

したがって、その後20年近く私は江戸時代を「暗黒の時代」ととらえていました。それがどうも「暗黒時代」だけではなさそうだと気づき始めたのが30代に入ってからです。このように一つの歴史叙述のみが正しいということはないということです。先ほどの明治維新についても、たとえば、司馬遼太郎の『坂の上の雲』などでは維新後から日清戦争・日露戦争へと向かう日本が陽の当たる坂道を登っていくような高揚感とともに描かれています。その後は大正デモクラシーの時代を迎えるわけですが、世界的な不況を契機に、経済的な苦境を打開するために、他国を侵略するという帝国主義的な方向に進んだのはご承知のとおりです。なぜ、こうした方向に進み、その後破局を迎えるようなことになってしまったのか、司馬さんに言わせれば、その期間は日本にとって、消し去りたい時代なのです。

もっとも、明治維新のときに「尊王攘夷」がなぜあれほどまでに簡単に「尊王開国」に転換してしまったのか、そこのところをきちんと総括しなかったのがまさにその要因なのだというのが、文芸評論家・加藤典洋さん(1948-2019)の主張です。これもまた一つの「歴史叙述」です。詳しくは加藤さんの著書『増補 もうすぐやってくる尊王攘夷思想のために』(岩波現代文庫・2023)をお読みください。(ちなみに加藤さんはアジア・太平洋戦争後の「反米」から「親米」への大転換も明治のときの構造と根は同一であると述べています。)

 このように一つのできごとをめぐって、様々な歴史叙述があり、どれか一つだけを取り上げて、これが事実なのだと主張することには当然無理があります。したがって、授業という「歴史実践」では、生徒たちがいくつもの歴史叙述を手がかりに、そのできごとを検討し、話し合うことが重要になってくるわけです。そこで、思い出すのが「テキストセット」という考え方です。これは以前にここでも取り上げた『教科書をハックする』(新評論)で紹介されたものです。それは、教科書以外に雑誌や新聞の記事、書籍(フィクション・ノンフィクション)、手紙や日記、写真やイラスト、伝記やインタビューなど、およそありとあらゆる情報源を授業で使う資料とするという考え方です。もちろん教師だけがこれらの情報源を集めてくるのではなく、図書館司書の力を借りたりして、授業に関係する資料を可能な限り集めてもらったりするものです。こうした「テキストセット」の考え方を授業にもち込めば、当然授業は「探究型」のものになります。教科書の記述を疑うことなく、そのまま暗記することが学びであり、ペーパーテストで正確にそれを再現できる人間が優秀なのだという固定観念から決別したいものです。授業としての「歴史実践」については、また別の機会に考えてみたいと思います。

2024年2月18日日曜日

教えることとビジネスを展開する際の共通点

 17年間教師をした人が、フード産業でビジネスを始めたそうです。この2つはまったく関係があるとは思っていなかったのですが、教師の経験が大いに役立ったそうです。

その意味では、逆も然り(?)ということで、起業家(アントレプレナー)が何を大切にしているのかを探ることで、当然とみなし、あまり価値を見出せていない教師の才能(仕事)にスポットライトを当ててみましょう。

 

起業家って、どういう人?

1 両方とも、関わる人を大切にする仕事。教師は、安心・安全で、実りのある学習環境を提供することで、生徒が知識・技能・態度を身につけるのを助けます。大切なのは、行動の背景にある「なぜ?」を明らかにすることです。 

2 両方とも、他者に教える。教師はもちろん、生徒に教えるのが仕事。起業家も、消費者に自分が提供する製品やサービスを理解できるように教え、コミュニケートする必要があります。教師が授業をデザインし、進行し、評価する(ここでの「評価」は、成績や通知表などの総括的評価ではなく、自分の教え方と生徒の学びを修正・改善するための「形成的評価」です)プロであるのと同じように、起業家も自分の製品ないしサービスを教える/コミュニケートするために、広報をデザインし、顧客に積極的に参加してもらい、そしてフィードバックをもらうことで製品・サービスを改善し続けます。

3 両方とも、マーケティングが大切。教師は、多様な生徒の興味関心、好み、学び方、すでにもっている知識や態度などにも関わらず、学びを売り込む必要があります。顧客も一枚岩ではなく、ターゲット・アプローチが欠かせません ~ 教える際のターゲット・アプローチには、『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』『一斉授業をハックする』『一人ひとりを大切にする学校』が参考になります。

4 両方とも、粘り強さが大切。一度教えたからといって、全員が理解して、身につけられることは稀です。手をかえ品をかえして、アプローチする必要があります。粘り強さと切り離せない、柔軟性と問題解決能力が教育とビジネスの両方で重要です。

5 両者とも、学び手であり続けることが大切。教師は、成長モデルと自分の学びを広げ、進化させる多様な方法を使いながら、生涯を通じて学び手であり続けることをモデルで示し続けなければなりません ~ ここでは、『学びの中心はやっぱり生徒だ!』で紹介されている「思考の習慣」がもっともヒントになります。https://bit.ly/3XZmfbh

6 両方とも、制度のなかでうまくやれることが不可欠。しかも、「従順、服従、忖度」という形でうまくやるのではなく、自分、組織、地域、より広い社会がよりよく変わる形でうまくやる方法で!

7 両方とも、関係づくりが鍵。教師は毎年新しい生徒と信頼関係を築き、よく聴き、接点を見いだす努力をしています。起業家も同じように、協力者、同僚・従業員、請負業者、そして顧客と関係づくりが大切です。

8 両方ともコミュニティーとの関係が大切。教師には、同僚および保護者・地域との関係は欠かせません。ビジネスを軌道に乗せる際に、あなたを助けてくれるのは誰ですか?

9 両方とも計画が大切。教師は、計画が仕事といってもいいぐらいです。しかも、最初に描いた達成目標と計画通りに行くことはほとんどなく、より大切なのは前に進みつつも、計画を立て直すことです ~ ここで大切なのは、『理解をもたらすカリキュラム設計』で紹介されている逆さまデザインです。従来の①目標設定→②指導案の作成と実施→③評価ではなく、①目標設定→③評価方法(形成的と総括的評価の両方)→授業案の検討と継続的な修正と実施に転換することで「指導と評価の一体化」が実現されます。いいビジネスも、これで顧客の満足度は高まり、儲かります。

10 両方とも自立した考え手。「クリティカルな思考者」と言ってもいい。それは、「何が大切で、何は大切でないのかを常に判断しながら歩み続ける人」です。他者からの質問や投げかけに揺らぐことがない(あるかもしれません! そのときは4の粘り強さ、柔軟性、問題解決能力の出番です)。既存の枠組みや習慣にとらわれずに物事を考えられることも求められます。

 以上のように、教師は教育界以外でも通用する大切な資質や能力を日々磨き続けています。それを今後も教師として使い続けるか、それとも転職して他業種で使い始めるかは、あなたの選択です。いずれにしても、これらの貴重なスキルは、ぜひ生徒たちにより伝わり、かつ可能なら身につく形で、意図的に示し(練習する機会を提供し)続けてください。教師と起業家だけでなく、誰もが身につけておいた方がいいことばかりですから。

 

出典: https://www.edutopia.org/article/teaching-builds-entrepreneurship-skills

https://www.thebalancemoney.com/entrepreneur-what-is-an-entrepreneur-1794303

2024年2月11日日曜日

教育における5つの原則、生徒のメンタルモデルを理解すること


サッカー関連のコーチング本を読んでいると、「サッカーは状況に応じた判断が求められる」話がありました。それは、点差、残り時間、仲間の状況や相手のディフェンス、さらには自分の体力やスキルまで、その状況に応じたプレーをしなければならないと。一流の選手はその判断を意識する以前にプレーをしています。つまりワーキングメモリが常に状況に応じていつでも余裕を持って判断出来るようになっているのです。

そして、この本の著者は、教育においてワーキングメモリの理解と活用は非常に重要であることを、教育者であるLemov, Dougから学んだとありました。このテーマについて、Doug Lemovの「Teach Like a Champion 3.0」を参考にしながら解説します。

人にはメンタルモデルと呼ばれるものがあります。メンタルモデルは複雑な環境を理解し、迅速な意思決定を支援する知覚フレームワークのことです。例えば、教師が生徒の行動や表情からその内面を読み取る能力がこれに当たります。これにより、重要な情報と不要なノイズを区別することが可能となります。

多くの人は「見えないゴリラ★(黒チームが邪魔する中、白チームが何回パスしたかを数える実験。おどろくことにそこにゴリラが映っているけれど、パスの回数に目も向けてしまうことで気付くことができない)」の実験が示すように、明らかな情報を見逃すことが起こってしまいます。つまり、周囲を正確に観察し、理解するためにはワーキングメモリを開放することで、より多くの情報が見えてくるようになるのです。

https://www.youtube.com/watch?v=vJG698U2Mvo

ワーキングメモリは、情報を一時的に保持し、処理する脳の能力のことです。しかし、その容量は限られ大変少ないもの。教育では、この限られた容量の中で、いかに効率よく情報を処理し、長期記憶に移行させるかが鍵となります。そこで、教師が知っておくべき原則は以下の通りです。

①人間の認知構造を理解する

認知負荷理論によると、限られたワーキングメモリの容量は、一度に処理できる情報量を制限してしまいます。例えば、運転中に電話をするとワーキングメモリが圧迫され、事故のリスクが高まってしまうこと。読書のような活動においても、基本的な読みの技能が自動化されていなければ、深い思考は難しくなります。このため、ワーキングメモリの負担を軽減することが重要となってくるのです。

学習とは、知識を長期記憶に保存する過程のことです。一度、長期記憶に保存された情報は、ワーキングメモリに負担をかけずに使用することができます。長期記憶の容量はほぼ無制限にあり、スキルや知識を格納することで、ワーキングメモリの限界を解決することができるのです。

他にもいくつか興味深い原則があり、全部で5つ紹介されていました。

②習慣は学習を加速する

習慣をもつことによって、歯磨きのように脳のエネルギーを節約し、重要な活動に集中させることが可能となります。教室での毎回同じルーティン活動である生活習慣、例えばジャーナルや読書は、ワーキングメモリを解放し、理解力や分析にエネルギーを向けてくれます。習慣化されていない活動は、ワーキングメモリを多く必要としてしまうのです。

③生徒が何に注目するかは、何を学ぶかである

生徒は、授業に集中しないことがあります。これは「注意残余★★」の影響で、タスク間の切り替えにより注意が分散される状態のことを指します。集中力と注意力の重要性を強調し、特にデジタル機器の過度の使用が注意力を低下させると指摘しています。学習では、デジタル機器を使わず、鉛筆や紙、本などを活用することで、より深い集中と内省が可能となりそうです。

★★脳がタスクを切り替えるまでの状態を指します。例えば、集中して知的活動を行っているとき、その活動を遮るような刺激を与えられると、再び集中した状態に戻るまでに23分かかることがあります。この現象を注意残余といいます。

④動機づけは社会的なものである

動機づけが社会的な性質を持っています。生徒が仲間に自分の読書や執筆の様子を見せることは、彼らに「読みたい」「書きたい」という意欲を引き出す効果的な方法のひとつとなります。私たちは帰属意識に基づいて行動し、仲間からの尊敬や支援、尊重を感じることで、教師からの刺激がなくても自発的に活動を始めるようにもなるからです。人間関係の重要性に加えて、生徒が認識する規範を通じて築かれる仲間同士のそこでの学習文化も、動機づけにとって少なくとも同じくらい重要なのです。

⑤生徒に上手く教えることこそ、「関係づくり」である

教育において、温かさ、人間性、気配り、励ましは、生徒に対する教師の接し方の重要な要素です。技術や知識だけでなく、これらの人間的要素が、生徒との関係構築の基盤をつくってくれます。

例えば、生徒の名前を呼ぶことは、関心を示す有効な方法であり、生徒がコミュニティからサポートされていると感じることができます。教室は整然とし、安心感のある場所であれば、生徒が馬鹿にされることなく安心して学べるのです。

 

 

これらの5つの原則をもとにさらに60近くの教育テクニック(授業ノートの作り方や生徒の間違いを予想すること、話し合い活動のポイントなど様々な活動)が紹介されています。私たち教師は教育活動をするとき、どれだけ生徒たちのメンタルモデルに配慮しているのでしょうか。人が学びに向かうときの原則を思い直したいものです。