2019年7月28日日曜日

辞める練習

今週は、『日本人は「やめる練習」がたりてない』(野本響子・集英社新書2019)を紹介します。
まず、92ページ「日本の学校は「我慢の練習」をするところ」。

 日本の学校は「辞める練習」は教えてくれない。では、教えていることは何かといえば、「我慢の練習」なのではないか。あるいは「自分がやりたくないこと」や「非効率なこと」に耐える練習だ。
 日本の学校の勉強に対し、「将来何の役に立つの?」と思ったことはないだろうか。自分自身、高校生活の最後に半年ほど受験勉強をやってみて思ったのは、「これはこういう種類のゲームなのだ」ということだった。一見無駄に見える知識を効率的に覚えるというゲーム。だから、英語も数学もかなり非現実的だ。

 この後も日本の教育の現実社会と遊離した学びの実態がつづられていますが、このブログをお読みの皆さん方はその内容に関して、おおよそ見当がつくと思います。要は、この「我慢レース」の勝者がいわゆる日本で言うところの一流大学に入り、大企業や官庁に就職するというしくみ。このレースがほとんど世界に通用しなくなってきていることは、国際社会でのこの20年間の日本の様々な面での凋落ぶりを見れば明らかです。従順な労働者を社会に送り出すという以前の教育のあり方が根本的に問われているわけで、そのための変化が求められています。
 もう一つ、88ページから。

一斉に入学し、一斉に卒業し、一斉に就職する。入学して途中で辞めると、受け入れ先の選択肢が極端に少なくなり、多くの場合は不本意なところでも行かざるを得なくなる。こうした社会では学校ですらトライ&エラーができない。

今、読んでいる本の中に、学びの途中でよくできなかったら「もう一度やり直す」という選択肢が紹介されていましたが、まさにこの「もう一度やり直す」ということが、もっと当たり前になるとよいのです。生涯学習と言いながらも、一度既定の路線から外れた人たちの受け皿があまりにも少なすぎます。 
小・中・高等学校の学びのプロセスで、「やり直す」という選択肢をもっと広げてよいように思います。
不登校、いじめ、暴力行為なども選択肢の少ない、ストレス一杯の学校社会が作り出していると言っても過言ではありません。それを「道徳教育がきちんとなされていない」からと教科化してみたり、時代の要請だからと、次々に新たな教育内容を盛り込んだりと、この国の教育は方向性を間違えているとしか思えません。
上からの改革が望み薄ならば、やはり現場からの改革しかありません。ただし、一人ひとりの力には限界がありますから、つながりが大切になります。そして、個々の与えられた場所で、「自分にできることは何でもやる」ことです。そのためのネットワークづくりに一層心していきたいものです。

2019年7月21日日曜日

PLC便り マスマティック・ハラスメントしてませんか?



数年前に担任したある女の子から、こんな算数ジャーナルをもらったことがあります。算数ジャーナルとは、その日の算数授業について、感想やふりかえりを書いたノートのことです。

「私は算数は好きなので、できると嬉しいです。けど、もうたくさん!(怒)」

算数ができるのに、なんで怒っているんだろう?まったく!と思いながらも、返事を書き始めてみると、どうも思い当たる節が見当たります。

当時、「作家の時間」のワークシップ授業を学び始め、自立した学び手を育てようと、計算練習やドリルについて、子どもたちに学習の進度を任せてみる、そんな授業に取り組んでいました。その女の子はクラスの中でも、算数が得意なほう。それだけに、どんどん意欲的に問題を解いていく子たちと同様、算数を楽しんでいるものとてっきり思っていました。けれどもそうじゃなかった。その内面には「どうして、こんなわかっていることを何度も、何度も繰り返し練習するの? 算数ってなんのためにあるの?」と叫びを訴えていたことが、分かってきました。

マスマティック・ハラスメントという言葉を、聞いたことはありますか?

略してマスハラ。「数学を用いて特定不特定多数を問わず相手に対し意図的に不快にさせること」だそうです★。この女の子が感じているように、教科書の練習問題や計算ドリルの数々をこなすこと。これって、マスハラなのでは!? 教師から意図的に不快にさせようとしていないその分だけに、よけいに悪質かも!? こういうことは、実に多くの算数授業の場面で今でも行われているかも知れません。よかれと思っての繰り返し練習や、なんのために算数を学ぶのか、算数で考える楽しさを味わう前に、保護者のお金で買った計算ドリルだから、全てやり終えないといけないという、呪いのように囚われていることも!?ありそうです

ジャーナルの返事には、迷うに迷ってこんなことを書いたかと思います。「Aさんが将来、新しい問題に出会ったとき、自分らしく考えてその問題をよりよく解決していくため、しっかりと考える力をつけるために、練習しているんだよ」と、なんともまぁ、苦し紛れの返答でした。その子との関係も良好なこともあり、「そういうもんかなぁ」と納得しているようでもありましたが、今、思えば、その将来のためにむけて学習することとかは子どもにとっては遠い先の話。さらに、わかっていることを繰り返し練習することに、あまり意味がないと訴えているのに、そこに授業で向き合えていなかったんだと思うのです。



子どもたちは、なんのために、算数を学ぶのでしょうか? そして、私たちはなんのために算数を教えているのでしょうか? 国で、学習指導要領で決まっているから? そうかもしれませんが、そんな大人の都合では、子どもたちの学びは発動しませんよね。なにより、人が学ぶって? 日常のおつりの計算で損をしないために子どもたちは、学んでいるはずはありません。子どもたちに「なぜ算数を学ぶのか?」と尋ねてみると、よくこの返答がでてきます。この電子マネーの時代に!

前回のPLC便り★★では、算数を音楽や美術と同じように、「算数・数学はアートするもの」という側面を紹介しました。では、その算数・数学の本質をアートし続けている人たちってどのような人なのでしょうか? 算数・数学を学び続け、その先になにがあるのでしょうか? それに答えるには、この世界で一番、算数・数学をしている人、つまり「数学者」について調べてみましょう。数学者の仕事って、どんなことをしているのか、想像してみてください。

薄暗い部屋に閉じこもって机に向かい、その机上には数式の書かれた紙と分厚い専門書が立ち並ぶ。むっつりと眉間にしわを寄せて、煙草をくゆらせながら、もんもんと考えている。おもむろに、ふと立ち上がって、なにかがひらめいたかと思うと、ペンを走らせ、ナゾの数式を書き始める。きっとそんなイメージが浮かぶのではないでしょうか。

しかし、実際の数学者は全く異なるようです。数学者がどんなことをしているのかについて書かれた『世にも美しき数学者たちの日常』★★★という本。日本の数学者たち(在野で数学に関わり続ける人達も含まれる)がどんなことをしているのか、興味のわくインタビュー本です。

“実際の数学者はよく旅に出るようです。人と会って、自分の考えを交流しているようです。P77”

多くの数学者は、自分の解釈や理論をもって、色々な分野の人たちと話をするそうです。そのほうが、多様な視点で考えがひらめく。仙人のような暮らしをしているようだと思ったのですが、かなりアクティブに生活していることも分かります。しかし、その一方でまるで数学者たちの嘆きのように、算数・数学をつまらないものにしてしまっている張本人は、学校教育の数学や受験数学と批判されています。

“数学嫌いの理由として答えががっちり決まっているのが嫌いと言う人がいるじゃないですか。それはね、数学じゃなくて受験数学なんですよ。本当は数学ってものすごく自由なんです。P80”

 “受験数学だと短時間でひらめく力、計算力が必要ですが、研究には制限時間がないので。計算力がなくてもチェックする時間は十分にある。だから別に途中で計算して計算ミスしても良い。正しいルートを、この道で行けそうだというのを見抜く数学的センスの方が大事。僕は美的感覚の1種だと思ってるんですけど。P86

自由に考えてもいいし、計算ミスしてもいいんだ!数学者でさえも計算ミスがある。そんなことよりも、どのように解けそうなのか、予想をひらめくセンスのほうが大切なんですね。そのセンスを「美的感覚」と表現しているのがなんともいいと思うのです。

“一般的には、数学の問題は与えられると言う先入観が強いですよね? でも1番面白いのは問題を作ることなんです。問題を起こすと言い換えてもいいかな。新しい問題を作ると、色々と真剣に考え始めるでしょう。そのうち他の誰も考えていないものを見つけると、これが非常に楽しい。さらにこれに関してはどうも人類の中でまだ自分しか考えていないようだ、と言うものがあると、それはもうほとんど死んでもいい!と言う位なんです。なるほど数学の喜びとは創造の喜びなのだ。P40

“問題を作る、その延長線上に要素を作るということがあるわけです。そして未解決問題のような、優れた予想もその中で生まれてくる。予想解決するのも、また問題を作ることで成されるんですね。こういうふうにしたら解けるんじゃないか? と言う問題の積み重ねなんです。だから問題を作ると言うことが、数学の本当に基本的な作業なんです。数学はこれをとけ!の積み重ねではなかった。なぜ?の積み重ねなんだ。なぜ? には正解がない。素朴で個人的な疑問を、好きなだけ突き詰めて良いのである。だから数学を考える事は人生を考えることにつながる。P40”

なるほど、数学者のやっていることは、誰も考えたことのない新しいものをつくりだす喜びでもあり、人生を考えること。なんとも壮大な学問であり、学びです。



現在、算数ワークショップ「数学者の時間」の授業実践に取り組んでいるメンバーたちは、問題づくりにこだわって取り組んでいます。問題づくりは、その問題そのものの理解を深めるためにも、発展的に単元末に取り組むことをおすすめします。1人ひとりがつくった問題をお互いに解き合って、おもしろさやまちがいも含めて交流してみる。その取り組みの中に、創造するおもしろさや、考える魅力、いろんな人と交流して解決しようとするコミュニケーションから生まれる理解があります。まるで本物の数学者と一緒ですね。

子どもが、教師が、なぜ算数・数学をしなくてはいけないのだろう? ふと疑問を持てるのなら、何か少しずついつもの授業を変えていく必要があります。子どもたちからの感想や辛辣なフィードバックは、その授業をより意味のある物へと変えるシグナルかもしれません。もうたいくつな授業、修行のための算数数学はオサラバです。マスハラ禁止!

今だったら、あの当時の計算ドリル地獄からとよりよい距離をとり、もっと算数の持つアートの側面や、創造性を引き出す問題づくりなど、そういった算数・数学を楽しむ時間を一緒に作り出せたかも知れないな、と思うのです。申し訳ない気持ちと、少しの希望をもって、また日々の授業を準備するのです。

★「マスハラとはMathematical harassment の略で数学を用いて特定不特定多数を問わず相手に対し意図的に不快にさせることである。マスハラとは(マスハラとは) [単語記事] - ニコニコ大百科」 新しい造語なのでしょうか。あまり一般的に使われているようではないです。

★★
なんのための算数・数学? 覚えるから美しさへ、「算数・数学をアートする」こと

★★★
二宮 敦人()『世にも美しき数学者たちの日常』(幻冬舎)2019/4/11

2019年7月14日日曜日

新刊案内『教育のプロがすすめるイノベーション』



「教育機関では、新しい機会を受け入れることをしばしば躊躇します。私たちは、マイクロソフトのワードからグーグルのドキュメントに切り替えることに不満を覚えました。それは不便になるからではなく、変化だからです。」(iiiページ)
 確かに、学校ほど世の中の変化と縁遠い組織はないかもしれません。(150年前の人はもちろん、300年前の人が現代にタイムスリップしても、学校だけはすぐに分かると思います。)しかし、このままでいいのでしょうか?

 すでに、以下のような時代に入っていることは明らかなのです。
・教師が提供できる教材よりも優れた情報に、生徒はスマホなどでアクセスできる時代です。従来のように、学校が内容や情報を提供するだけの場であり続けたら、このような現実は学校を維持することに対して脅威となるでしょう。
・生徒が宇宙について学びたいと思っている場合、教師に尋ねることなくNASA(日本でこれに相当するのは宇宙航空研究開発機構、JAXA)のホームページを開き、宇宙飛行士や科学者のブログを読むことでしょう。
 著者も書いているように、「絶えず変化する世界では、すでに行われていることだけを維持しようと考えていると、事態はさらに悪化することになる」(25ページ)だけです。

 それを避けるためには、「イノベーターのマインドセット(能力、知性、才能は育てることができ、それが新しくてよりよいアイディアの創造につながるという信念/思考様式)」を教育関係者がもつことを提唱しているのが本書です。
 そして、確実に言えることは、もし「イノベーティブな(創造性に富み、枠にとらわれずに行動ができること」という意味)生徒」を望むなら、まずは「イノベーティブな教師」が欠かせません。

 そのイノベーティブな教師の8つの特徴を詳しく説明してくれているだけでなく、図解までしてくれています。
 そして、今日の授業で求められる8つの特徴も詳しく。
 さらには、それを実現するために教師にできることも。
 (日本語訳には、もちろん、これらの図の訳が掲載されています!)

 ここでは、それらについての詳しい紹介はできませんが、大事なポイントを二点だけを紹介します。

① 授業の中心は教師ではなく、生徒全体でもなく、生徒一人ひとりであると述べています。このような環境をつくり出すために毎日問われなければならない質問は、「この学習者にとって、何が一番よいのだろうか?」ということです。(15ページ)
イノベーティブな教師になるための鍵となる質問(40~44ページ)
・自分自身がこのクラスの生徒になりたいか?
・この生徒にとっての最善は何か?
・この生徒がもっている情熱は何か? ~ あなたは、一人ひとりの情熱や興味関心やこだわりを把握していますか?
・真の学びのコミュニティーを学校につくり出す方法にはどのようなものがあるか? ~ 日本で従来からやられている教員研修・研究でないことだけは確かです! 創造的な企業が導入していることが参考になります。
・今やっていることは、どのように生徒たちの役に立っているのか? ~ 習慣的にしていることを見直す必要があります!

 このように、本書には変化をもたらすための(思考を活性化してくれる)いい質問がたくさん掲載されています。「満載」と言ってもいいぐらいに。著者自身も、答えを提示するよりも、問題提起をする本と位置づけているぐらいですから。
 そして、いい問いを出すための一つの具体的な方法として、著者は「もし~なら」と考えてみることを提唱しています(163~4ページ)。たとえば、
・もし、生徒が唯一の学習者ではなく、学校にかかわるすべての人が「学習者」として学校が運営されていたら、どのようになるでしょうか?
・もし、リスクを取ってでもチャレンジすることを教師と生徒に推奨し、それを自分自身も管理職としてモデルで示したら、どのようになるでしょうか?
・もし、生徒だけでなく組織内の全員が夢を追うことを奨励されたら、どのようになるでしょうか?

② もう一つは、一人ひとりとの関係の大切さです(著者は、それを視覚的に「関係、関係、関係」と3つも繰り返すことによって、強調しています。一回や二回ぐらい書くだけでは、まったく不十分だからです!)。すべての基盤なのですが、これほど昨今の日本の教育で軽視されているものはないかもしれません。

本書は、常に「学習者ファースト」が貫かれており、学習者のために、常識にとらわれず、最善を尽くそうと呼びかけています。学習者の中には、生徒はもちろん、教師や管理職、保護者や地域の人など、すべての人が含まれます。その意味で、この本は、あらゆるレベルと領域の教育関係者に向けて書かれていますが、教育関係者以外にも刺激になる情報が満載です。
 ワクワクするようなヒントや問いをあちこちに散りばめ、最初から最後まで読者を励まし続けます。読めばあなたも自分の能力を信じることができ、すぐにでも動き出したくなるに違いありません。この夏にぜひ本書を読んで、その中から気に入ったアイディアをいくつか選び、秋から実行に移してください。

本ブログ読者への割引情報◆ ~ 今回は、3人以上でブッククラブができる設定にしてもらいました。
1冊(書店およびネット価格)2916円のところ、
PLC便り割引だと     1冊=2500円(送料・税込み)です。
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2019年7月7日日曜日

コミュニケーションが人の心を動かす

コミュニケーションが人の心を動かす。

先日、米Apple社のWWDCというイベントがあった。世界開発者会議(World Wide Developer Conference)の略で、MacなどApple社のデバイスを使ってプログラミングをしている人たちを対象とした世界規模の会議だ。参加費はなんと20万円近くになるらしいが、すぐに満席になることでも有名だ。プログラマー向けのセミナーだけでなく、新製品の発表もあって、Appleファンなら楽しみしているイベントである。

私は、英語のプレゼンテーションの授業を担当していることもあって、Apple社のプレゼンはずっと追いかけてきている。職業的な関心とともに、Appleの一ファンとしても。

今年の基調講演(Keynote Presentation)の冒頭に流されたビデオ(タイトルは「おやすみ、プログラマーさん」"Good night developpers")が秀逸だった。

登場するのは、様々な環境でプログラミングに従事しているプログラマーの人たち。うまくいくことばかりではない。うまくコードが書けず、行き詰まり、わめきちらし、途方にくれる姿が描かれる。しかし、粘り強く書き続けることで、やがて完成をする。そして、Apple社からのメッセージがスクリーンに現れて終わる。

「世界が寝静まっているとき、あなたは夢見ている。」("While the world sleeps, you dream")

何万行にも及ぶプログラムを書き上げた人たちに対する、なんと素晴らしい賛辞であり、エールであろうか。彼らは、世界中の人々の生活を便利で、楽しく、素晴らしいものにするために、情熱を注ぎ続けてきたのだから。世界中のプログラマーが、勇気付けられるメッセージとなっている。





人はいくつになっても褒められることは嬉しいものだ。大人であっても、常に人からの評価が気になる。ネット上でのコミュニケーションの機会が増加した現代では、ますます他者からの評価に敏感になっている人が多いのかもしれない。

ビジネス・マネジメントでは、従業員を「褒める時は人前で、叱る時は一対一で。」("Praise in public, correct(criticize, scold) in private.")というのが一つの常識となっている。

個人を、人前で批判した場合、その人はやる気を無くす。職場の人間関係をも悪くすると言われている。次は、自分自身がターゲットになる危険性を感じるからだ。また、批判した本人も、感情のコントロールができない、リーダー失格の烙印を押されてしまうらしい。

一方、Appleの元CEO スティーブ・ジョブスのプレゼンテーションの技法を紹介した本がベスト・セラーになったカーマイン・ガロは、ジョブズはプレゼンテーションの天才だったが、プレゼンの中で、アップル社の従業員を褒めることを忘れなかったと述べている。仕事を成し遂げた従業員に対する謝辞を公的な場で述べることで、自分自身への信頼性も高まり、従業員の意欲も高まると。*

次のビデオは、俳優のデンゼル・ワシントンが、2017年の NAACP(全国有色人種向上協会)によって表彰された式で行なったスピーチである。圧倒的な存在感と語り口、そして、一緒に歩んでいる仲間たちへの賞賛の言葉が素晴らしい。心を動かすスピーチだ。




学校リーダーも、コミュニケーション力を磨いておきたいものだ。ジョン・F・ケネディ曰く、「スピーチをするたった一つの目的は、世界を変えることです。(The only reason to give a speech is to change the world"」。

あなたの言葉が、同僚を動かし、学校を変えていく。


カーマイン・ガロ著; 井口耕二訳 (2019)『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン : 人々を惹きつける18の法則 』 日経BP社
Carmine Gallo (2010) The Presentation Secrets of Steve Jobs, McGraw Hill, p.134.