これまで私が訳した中で北米で最も売れていた本(Amazonの評価数で判断する限り)は、よりよい授業/学校/教育制度をつくり出すためのアイディアが満載の『教育のプロがすすめるイノベーション』でしたが★、それを抜いてしまったのが、今回の新刊の『生徒指導をハックする』です。
洋の東西を問わず、教師の最大の悩みは、教科指導をどうするかや、いかによりよい学校がつくれるかや、よりまともな評価はどうしたらいいか等ではなくて、生徒指導のようです。(これらはすべて人間関係がベースにあるということでは共通しています!)
以下は共訳者の高見さんが書いてくれた新刊案内から:
「生徒指導の方法を誤れば、生徒のその後の人生に大きな影響を与えてしまう」。本書の「はじめに」に述べられている言葉です。大変重い指摘ではないでしょうか。生徒は成長の途上にあるわけですから、様々な問題行動が現れてくるのは当然でしょう。しかし、その問題行動が誰かに取り返しのつかないほどの深い傷を負わせてしまうような事態は阻止しなければなりません。その行為を受けた生徒の人生に、それこそ深刻な影響を与えてしまうことになります。
では、問題行動に対して、私たちはどのように対応すればよいのでしょうか。厳罰を課すだけでは真の成長は難しいとしても、本人が行為の深刻さを受け止めず、結果への責任もとらないのであれば、それこそ成長は望めそうにありません。
本書では、その解決方法として、アメリカですでに効果が実証され、今後の発展にも大きな期待が寄せられている「関係修復のアプローチ」を紹介しています。「関係修復のアプローチ」とは、誰であれコミュニティーから排除しないという信念のもと、関係性の修復を重視するものです。本書ではまた、学級や学校を安心して学びあい、成長できる場(コミュニティー)とするために、学校として取り組むべき日常の予防的な方策についても詳述しています。とくに、マインドセット(第5章)、マインドフルネス(第6章)、共感力(第7章)に関して描かれていることは、不安定な感情や困難に直面したときに生徒がそれを乗り越えるための現実的なツールを提示しており、その後の人生においても心強い指針となるでしょう。
著者の、どこまでも愛情深い眼差しと、確かな実践に裏打ちされたヒントが満載の本書を、ぜひ日本の教育現場で奮闘されている先生方、またその指導に接している生徒と保護者のみなさん、そして教育にかかわるすべての方々に読んでいただきたいです。
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ひょっとしたら、『イン・ザ・ミドル』だったかもしれません。アマゾン時代の前なので統計がないだけで!
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