2015年11月1日日曜日

思考の可視化・続き


先月「思考の可視化」について取り上げました。

その後、大学の授業で何回か、「Making Thinking Visible(邦訳: 子どもの思考が見える21のルーチン、黒上晴夫・小島亜華里訳、北大路書房2015)で紹介されている「3-2-1 ブリッジ」を利用してみました。
   
この「3-2-1ブリッジ」は、あるトピックや概念に関することについて、思い浮かんだ単語をまず3つ書き出します。次に、そのトピックに関係する質問を2つ挙げます。最後に、トピックについての比喩(直喩でも隠喩でも可)1つ作らせます。これで、最初の活動は終わりです。
   
 次に、ある学習活動を行います。教材を読んだり、ビデオを見たり、あるいは実験なども考えられます。これが終わった後に、2回目の「3つの単語・2つの質問・1つの比喩」を行います。
   
 そして、最後に2人組になって、1回目と2回目の「3-2-1」で自分が書いたことをお互いに見せ合い、1回目から2回目への変化について、気づいたことを話し合います。これがいわゆる「ブリッジをかける」、「つながりをつける」ということになるわけです。
    
  2段階の活動を行い、あるトピックやテーマに関して、最初に考えていたことが2回目にどのように変わっていったか、あるいはどうつながっていったかをみて、その変化に対する気付きを話し合うということになります。この話し合いが、このルーチンの「鍵である」と、この本には書かれています。

新しく学んだ情報がうまく統合あるいは総合されているかどうかを知ることができるだけでなく、メタ認知のよい機会にもなるというわけです。

自分で実際にやってみて、このやり方がよい効果をもたらすためには、1回目の「3-2-1」が終わった後の、次の「学習内容」の選択が大切だと感じました。その内容にどんなものを選べばよいのか、なかなか難しい問題ですが、それを考えるのも教師としての仕事の面白さではないかと思います。 

この次は、学習内容を要約させる「Headline」をやってみたいと思います。

今回の授業の対象は、小学校教員を志望している学生たちでしたので、彼らが教員になったときにこのやり方をそれぞれが教室で展開することによって、こうした思考の可視化が広がっていくことを期待したいものです。

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