著者たちは、この本を「誰もが数学的に考えることはできる」と「数学的思考は、あなた自身と世界を理解する助けになる」★という考えのもとに書きました。
この本の下訳を読んで、新評論ですでに刊行した『作家の時間』と『読書家の時間』の算数・数学版として「数学者の時間」を実践している先生たちが、本の魅力を語ってくれたので紹介します。
①算数・数学は解いたら終わり、解けないとだめ、という理解から解放してくれたこと。これはすべての数学嫌いの人に声を大にして言いたいです。(仮にもし数学に手触りがあるとしたら、私にとっては冷え切った金属みたいなものでしたが、そこに感情が入る余地がでてきたことによって急に温度が感じられるようになったのです。)
②今まで答えが一つだと思っていた算数・数学の概念を変えてくれた。教科書通りの授業をしていては身につかないような/考えもしないようなことを考えることの面白さ。これまでバラバラで学習していたことを、問題解決のサイクルとして回し続けられる!
③数学的思考を身につけるための良問にたくさん出会える。
④問題を自分で解くこと、その後、筆者の思考過程が書いてあることで、わかりやすく数学的思考を追体験することができる。「なるほど頭ってこんなふうに使うんだな!」と教えてくれる。そもそも数学的に思考するとはどういうことかを示してくれている本は、他にないと思います。
⑤数学問題だけではなく、生活の中の問題そのものに使えるものとなっている。「特殊化」と「一般化」というシンプルさ。深く追求していくために、メタ認知を発達させながら、自分を疑ったり、根拠をもって説明したり。問題解決のサイクルを回し続けることで、数学的な概念(構造)を身につけられるよさと、転移して実生活問題へも適用できるよさがある。
ということで、この本を参考にしながら、「数学者の時間」のメンバーは確実に数学的思考を身につけられる算数を実現すべく日本版の実践と執筆に努力していますので、ご期待ください。
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★ 目的は何か? 方法は何か?
教育活動(や本の執筆)をするなら本来当たり前に問われるはずの問いが、問われていない場面が多すぎます! その結果は、身につかない(ほとんど苦役になってしまう)時間ばかりを過ごすことになります。
まさに、私の算数・数学の授業などはその典型でした。13年間も学んで活かせるものとして残っているのは微々たるものです。(国語はもちろん、主要教科はまったく同じ状況です! それは、「正解あてっこゲーム」をしていることが原因だと思います。)この本を読んだら、「あれだけの時間を返してください」と言いたくなってしまします。
本書は、上記の「誰もが数学的に考えることはできる」と「数学的思考は、あなた自身と世界を理解する助けになる」を目的とすると、「数学的思考は、振り返りを伴った練習によって上達する」「数学的思考は、矛盾や緊張や驚きによって刺激される」「数学的思考は、質問すること、チャレンジすること、振り返ることが大事にされる環境によってサポートされる」を方法(ないし手段)として位置づけ、それらが確実にできるように繰り返し繰り返し練習できるように構成されています。(これとまさに同じことは、他の教科ではもちろん、あらゆる教育改善のテーマや領域でできると思いますし、そうしない限りは授業や学校はよくならないとさえ思います!)
このテーマ「目的は何か? 方法は何か?」には折に触れて戻ってきたいと思います。日本の教育実践がよくならない最大の原因のような気がするからです。(たとえば、教員研修などは、目的がどこかに飛んでしまって方法(それも、極めて効果的ではない方法!)だけが存在しますから、授業等の実践が変わるはずはありません。)
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