2015年8月2日日曜日

中教審の論点整理


日本教育新聞727日号によると、学習指導要領の改訂を議論している中央教育審議会の教育課程企画特別部会が22日、報告のたたき台となる「論点整理」を基に話し合ったそうです。

記事の冒頭に次のような記述があります。
   
「論点整理」は、現在の観点別評価の「関心・意欲・態度」の下では、学校現場で正しいノートの取り方や挙手回数も評価対象とされるなど本来の趣旨とは異なる評価が行われていると指摘。
   
 みなさんはこれまでの「関心・意欲・態度」の評価項目についてどう感じておられたでしょうか。私自身は、当初から「関心・意欲」は必要ないと感じていました。(後出しじゃんけんだろうと言われるかもしれませんが)

「関心・意欲」はあくまで学習者自身の自己評価の対象となるべき項目であり、教師が見とるべきものとは違うだろうと思っていました。学校における学習評価は、学習者自身の自己評価と教師による評価(必要であれば、学習者相互の相互評価も含めて)によって、「学びのための評価」(assessment for learning)となることが望ましいと思います。それが実際は「学んだことの評価」(assessment of learning)で、学習の改善にはつながらない、教師による評価、というか「評定」で終わっているのが実態でした。     

さらに「見直しの方向」について記事には次のように書かれています。
   
観点別評価全体の整理にも言及した。学校教育法が定める学力の3要素の定着を重視するため、現在の4観点から3観点に見直す考えを示した。「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三つに整理し、指導と評価の一体化を進める。

 
最後の項目の「態度」を入れるかどうかには異論はあると思いますが、「関心・意欲・態度」のすべてを削除してしまうと、これまでのあり方との隔たりが大きくなってしまうということも「態度」を残したという背景にあるのかもしれません。

それともう一つ。高校については次のように記述されています。 

高校では知識を問うペーパーテストなどに偏重した評価が行われているとして、観点別評価を普及させる考えを示した。 

これが高校の実態ですね。もちろんしっかりと観点別に取り組んでいる高校もあるでしょうが、多くの実態はこれです。これから「普及」させるとは・・・。この20年間、観点別評価は高校とはほとんど無縁だったようです。

さきほどの記事にあったように、「指導と評価の一体化」が小・中・高校で実現されるように多くの知恵を結集したいものです。

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