2015年8月15日土曜日

「失敗の本質」


敗戦記念日ということで、ちょうどいいタイミングなので(一日早めにアップします。)★

太平洋戦争で、日本はなぜ負けたのか? (以下は、8月1日に放送された表題タイトルのテレビ番組のメモから★★)
・グランドデザインの欠如 → 終わりを考えずに、始めてしまった。ドイツが勝つことが前提にもしていた。計画なしの妄想の中で戦っていた。
・普通は何かに失敗したら、修正するのが当たり前 → しかし、日本軍は同じことを繰り返すだけだった。(相手のアメリカ軍も、これには驚くほど!)
・合理的な意思決定をする組織がなかった。 → 誰か一人の発言で決まってしまう。言いたいことが言える雰囲気がなかった。
・戦艦を輸送船よりも優先して作っていた。 → せっかく確保した東南アジアの資源を輸送することも、戦地への補給もままならなかった。
・始まった当初に何回か勝ち、自身をもちすぎた → その後、丁寧に準備することをしなくなった。
・ミッドウェイでは、負けるはずのない規模で展開していたにもかかわらず、なぜ負けたのか? → ①目的を2つもってしまっていた(あいまいだった)。②トップレベルの人たちの考えのズレ(新しい考え方と古い考え方)、③山本五十六は、すでに57歳で、引退すべきだった。
・カダルカナルは、作戦が存在していたとは思えない(考えて行動していたとは思えない)戦いをして、多くの人を殺してしまった。
・レイテ戦当時は、すでに熟練パイロットが少なくなっていた。4つの艦隊がバラバラに行動して、互いに何もわからないままで戦争をしていた → 戦争といえるのか? 机上の作戦としてはいいのかもしれないが、情報がほぼゼロのまま行われた、負けることが約束されていたような戦い。それにもかかわらず、ありもしない戦果だけは大きく報道し続けた。しかも、その間違った戦果を修正できない日本。

要するには、
・まったく成長しない組織(が日本を太平洋戦争に導き、そして負けさせた)★★★。縦割り構造。
・よくて現状維持。どちらかというと悪くなるだけの組織。事なかれ主義。前例主義。
・責任をもって決定できる人がいない(仕組みがない)組織。
・情報収集・活用が下手。
・いい点★★★★に目を向けすぎ、悪い点の修正には目をつぶる。(失敗から学べない!)

以上は、太平洋戦争当時の日本軍(政府)が抱えていた問題ですが、これらは70年後たったいまも、多くの組織が抱え続けている問題ではないでしょうか。学校(や大学、ないし教育制度)も含めて。


★ 個人的には、敗戦記念日を中心に8月に戦争と平和を考える/記憶する報道にがんばるよりも、はじめた時(たとえば、12月8日)こそを大事にしてほしいと思っています。初めにこだわらなければ(を究明しなければ)、また同じ過ちを犯すのではないでしょうか?
 そして、過去から学ぶことなしの未来志向というのは、あり得るのでしょうか?
 ちょっといつもとは違うテーマで驚かれた方もいるかもしれませんが、根底の部分ではつながっています。

★★ 同名の本をベースに企画された番組のようでした。

★★★ というよりも、勝つ見込みのない戦争に突入していった!! 勝つという錯覚をマスコミと組んで国民に発信し続けながら。

★★★★ これも、ほとんどの場合は願望であって、実態ではないことが多いのですが。

★★★★★ もう一つ別の戦争報道では、アメリカ軍の捕虜は自分の名前と識別番号しか言わないのに対して(そのように指導されていた)、日本軍の捕虜は機密情報を含めて何でも話してしまったことを中心に紹介されていました。(なんと、その厖大な資料がアメリカやオーストラリアには残っているのです!!)要するに、捕虜になった時にどうしたらいいかという指導がなされていなかった、のが日本の軍隊だったのです。捕まることは前提にしていませんでした。戦闘で死ぬか、自決することが前提でしたから。従って、アメリカ軍はベラベラしゃべる日本軍の兵士から重要な情報を聞き出し、それを作戦に反映し続けました。中には、日本に早く負けさせ(日本軍にできるだけたくさんアメリカ軍に投降させるように働きかけのを助け)、平和な日本になるためにアメリカ軍に協力した日本兵も少なくなかったようです。勝てるはずのない戦争で、一般人を含めてたくさんの日本人を死なせ続けることが日本のためなのか、それともアメリカ軍に協力して早く戦争を終わらせることが日本のためなのか、考えさせられます。

◆ 全体を振り返ってみて痛切に感じることは、当時の日本には(そして、今も?)、「対話」が決定的に欠落していたんだろうな~、ということです。
 そして対話の練習は、大人になってからするものではなく、小学校低学年/幼稚園からできるということです。『理解するってどういうこと?』(特に、第8章「すばらしい対話」)を参照してください。

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