このタイトルのオピニオンが2021年8月30日付・日本経済新聞に掲載されました。筆者は同社上級論説委員・西條郁夫さんです。
この記事の最初の部分で、文化人類学者デヴィッド・グレーバーによる「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」(邦訳・岩波書店)によるどうでもいい仕事を分類した5つの類型を次のように紹介しています。
▼誰かを偉そうにみせるための取り巻き(例=ドアマンや受付係)
▼雇用主のために他人を脅迫したり欺いたりする脅し屋(ロビイストや顧問弁護士)
▼誰かの欠陥を取り繕う尻拭い(バグだらけのコードを修復するプログラマー)
▼誰も真剣に読まないドキュメントを延々とつくる書類穴埋め人(パワーポイントを量産するコンサルタント)
▼人に仕事を割り振るだけのタスクマスター(中間管理職)
確かに、なるほどと頷いてしまうものばかりです。このような仕事が多くなればなるほど働く意欲も低下するわけです。これは企業ばかりでなく、学校にも当てはまることでしょう。
この2年近くのコロナ禍で、学校では感染症対策やオンライン授業への対応を始めとする授業改善などに関連する多くの仕事が加わってきました。せっかく、働き方改革という名のもとに、いくらか改善の兆しが見えたところで、現状はまた以前に逆戻りという感じではないでしょうか。
しかも増えた仕事が自分たちで取り組もうと決めてやり始めたものならばいざ知らず、上からの指示の名のもとに付け加わった仕事ですから、なおさら疲労感は大きいと思います。先ほどの記事の最後はこう締めくくられています。
テレワークの普及など仕事の形は刻々と変化するが、大切なのは「ブルシット・ジョブ=どうでもいい仕事」を減らし、意味の実感できる仕事を増やすこと。これが働き方改革の本丸だ。
まさにその通りです。学校で意味の実感できる仕事とは、授業に関連することだと思いますから、そこに多くの人がかかわれる学校体制づくりを教育委員会や学校の管理職は何よりも優先してやってほしいものです。
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