現在、新型コロナウイルス感染症対策で、引き続き多くの自治体の小・中学校は休校措置になっています。自宅での学習ができるようにタブレットを利用したりして、工夫されている学校もあると思いますが、自宅のネット環境や機器の関係でうまくいっていないところも多いと思います。
私の勤務する大学もオンライン授業が始まりましたが、3か月前は誰もこのような事態を想定していませんでした。私たちも試行錯誤で準備に当たり、現在もその仕事が進行中です。
そのような準備を進めていく中で、頭に浮かんだのは以前このブログでも紹介した『教育のプロが進めるイノベーション』(新評論・2019)の文章です。
今回これまでやっていなかったことを始めるわけですから、その準備にあたるメンバーを初めに招集して、授業のガイドラインなどを作成しました。その過程で、メンバー間のやり取りなどをみていて、人と人との「関係性」の大切さを再確認しました。このようなときに普段からリーダーがメンバーたちとどのような関係性を築いているかが問われるのだと思います。
「人々は、新しいことを試すことに価値があり、安心してできると知ってさえいれば、新しくてよりよい何かに向かって努力する可能性があります。」(同書118ページ)
私の職場を見ていても、今回は自分たちが望んでというよりも、緊急事態によってやらざるを得ないというところ仕事が始まったわけですが、それでも「新しいことを試すことに価値がある」とそのプロセスの中で多くの先生方が気付いたので、オンライン授業が動き出したという実感があります。
これまで、テレビ会議などをやった経験がない先生方も、実際にやってみて、その便利さを実感したことで、初回よりも2回目、2回目よりも3回目という具合にスムーズに会議を進めることができ、会議の時間も対面時よりも短縮することができて、その可能性を多くのメンバーが理解したのだと思います。
「オンライン授業」という学びの過程を教師自らが経験することで、ICTが学生にもたらす機会をより深く理解することができたのです。『教育のプロがすすめるイノベーション』の104ページに書かれていることが実感できた瞬間でした。
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