2020年3月22日日曜日

生徒たちができるのに、教師の私がしてしまっていることは何か?


私が『あなたの授業が子どもと世界を変える』の中で、最大のハイライトだと思っている箇所を紹介します。

 その前に、著者たちも、そしてあなたも置かれている状況は・・・

  私は、恐れていたのです。

 生徒自身ですべきことや方法、目標などを考え、自らのプロジェクトを創意工夫しながら管理してほしかったのですが、私は恐れていたのです。生徒が選択することの大事さを私は信じていました(ここまでの具体的なイメージはもてていなくとも、生徒がもっと主体的でワクワクする授業がしたいと思っている教師は多いと思います)が、同時に、あまりにもたくさんの懸念が頭の中に浮かんでいたのです(86ページ)。

 それらの「心配の種」を、以下のイラストで示してくれています!(本書、87ページ)


 しかし、自分にちょっとした成功体験があったことで、著者の一人は次の夏休みに、次のように自問自答して、自分のクラスを徹底的に分析することにしたのです。

 「生徒が自分で判断できるのに、教師の私が判断してしまっていることは何か?」

屈辱的でした。私はめちゃくちゃ働いていたのに、生徒たちは退屈しているか、私に楽しませてもらっていたことに気づいたのです。クラスの規則、進め方、教え方、指導案、プロジェクト、評価など、私はすべてを見直すことにしました。そう、すべてです(91~2ページ)。

 これと似たような質問をある私学の中高一貫校でしたところ、「授業の七~九割は生徒たちに委ねる/任せることは可能だ」と理科と社会の先生は言い切りました。残りは、入試の準備のために確保しておきたいとのことでした。現状でも、少なくとも七~九割は探究的な、生徒にオウナーシップがある授業は可能だというのです。
なのに、現時点では六年間入試の準備の授業をやり続けているわけです。もし、七~九割の時間の使い方が変われば、残りの一~三割も生徒たちが主体的にこなせる可能性が高まると思いませんか? 
小学校ではどうでしょうか?

 ということで、あなたの(それ以上に、生徒たちの!)可能性をこれ以上大きく拓く質問ないし提案は、これまでにされたことがあるでしょうか? そうなのです、がんばるのをあなたではなくて、生徒たちなのです!! そのために、

あなたのクラスの選択にまつわる査定をしてください。

 「生徒自身ができることに対して、教師である私は何をしているのか?」という問いを掲げて、教室でしているすべてのことを査定してみるとよいでしょう。これによって、生徒をエンパワーするだけでなく、生徒指導の時間が減り、より多くの時間を本来の仕事である学習指導に費やすことが可能となります。
 目を閉じて、自分が生徒だとイメージしてください。あなたのクラスで一時間の授業ないし丸一日を過ごしたとして、生徒として、何をやりたいかを出してみるのです。
 共感をもって考えることは、本当に「目から鱗」の思いがしました。実際にこれをしてみて私が気づいたことは、教室でのやり方のほとんどは、教師としての私にとって都合がよく設計されていたということです。そして、それは、まったく生徒のためになっていなかったのです。
しかし、生徒がやり方のオウナーシップをもちはじめると、すべてがより組織的になり、混乱することが減ったのです。生徒たちは、押し付けられたものについて勘繰るという必要がなくなったからです。あなたのクラスや授業において、どんなことが柔軟な制度に変更できるかと、自分に問いかけてみてください。(本書、209~210ページ)

 この問いかけが、「学校ごっこ」や「正解あてっこゲーム」(http://wwletter.blogspot.com/2020/03/blog-post_20.html)から生徒たちを解き放ち、「真の学び」に邁進してもらう最大の助けになることでしょう。もう、後戻りはできません!
 この問いかけ以外にも、デザイン思考をはじめ、たくさんのヒントやきっかけとユーモア(そうです、教育でユーモアです!)が得られます。ぜひご一読を(ブッククラブ形式で仲間と読めば、読める内容は何倍かに深まり/広まります)!

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