2020年3月15日日曜日

来週発売『あなたの授業が子どもと世界を変える: エンパワーメントのチカラ』



この本の前編的な位置づけの『教育のプロがすすめるイノベーション』に引き続いて、テーマの一つは「自分の声を見つける」です。それは、著者たちのまえがき的な文章のタイトルにもなっています。そして、ケイティーという女生徒が手話を学んで、歌に合わせて手話を発表したところが感動的に描かれています。
 私たちは日々の教育活動を通して、どれだけの「自分の声を見出している」でしょうか? 教師として。生徒として。
 それは、言われたことをこなし続けたり、暗記して吐き出したりすることとは、異次元のものです。自分なりに夢中で取り組み、何らかの意味をつくり出して、周りの人に何らかのインパクト/感動を与えることです。「声」があると、それが実現しますし、ないとダメです。
 本書は、次のような考えのもとに書かれています。

私たちは、何もしないわけにはいきません。私たちがコントロールできる一万四〇〇〇時間を使って、生徒が創造性とイノベーションを引き起こせるようにするのです。
 もし、学級経営に問題があるなら、生徒が学べる選択肢を提供して、それがたとえどんなに難しいテーマであっても、どのように興味関心に惹きつけられるのかを観察するのです。
 テストを超えて教えるのです。生徒にテストを超えて学ばせるのです。生徒がつくったり、デザインしたり、創ったり、評価したりすれば、カリキュラムやテストが押さえていることを彼らははるかに超えていきます。
 エンパワーされた学習者は、未来の世界を担う人物となります。彼らが一万四〇〇〇時間をどのように過ごすかによって、彼ら自身の未来だけでなく、彼らに続く世代がどうなるかを決定づけることになります。

学習者をエンパワーする旅へと、私たちと一緒に出発する準備はできていますか?

 「14000時間」というのは、毎日6.64時間、一年のうち180日、一二年間を学校で授業に費やす時間のことです。つまり、教師がコントロール可能な時間です。

 その時間にどのような環境を提供(どのような授業を)するかは、教師次第ということです。次のような表が、本書には掲載されています。

一番左側の「従順(服従・忖度)の環境は含まれていません。最初から望まれたものではないので、消されています。しかし、日本の環境/授業を見渡すとこの段階のものが圧倒的なので、比較のためにも書き出した方が、何が求められるのかが明らかになると思います。(ぜひ、ご自分で書き足してください。)


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