あなたは、生徒たちを自立した学び手(考え手、問題解決者、探究者)に育てるために何をしていますか?
教師がいなくても、教科書がなくても、学校がなくても、学び続けられるようにするために、していることです。
いろいろあり得ますが、今日取り上げるのは「メタ認知」です。
最近聞くことが増えている言葉の一つだと思いますが、「メタ認知」についておさらいをしましょう。
メタ認知とは、自分が考えていることについて考えられることです。
自分は何を学ぶべきなのかや、覚えるべきなのかではなく、
どうしたら自分はそれを一番よく学ぶことができるのか、を明らかにすることです。
自立した学び手になるためには欠かせないスキルと言えます。
でも、それって教えることができるのか、という疑問がわくと思います。
できるのです!!
どうやって?
各自が一番よく学べる時はどんなときかを考えてもらうことで。
●具体的には、次のような7つの質問をすることで、
・最初に何をしたらいいのか?
・まだモヤモヤしていることは何か?
・自分が学んだことを説明できるか?
・助けを求めるべきだったか?
・なぜ、この答えを間違えたのか?
・これは別な状況に応用できるか?
・次にもっとうまくやるにはどうしたらいいか?
(もちろん、7つを一度に全部尋ねる必要はありません。)
こうした質問は、次にする時の助けになり、自分の強みや弱みを理解する(振り返ること)ことで、自分の学び方を改善することができます。
自分の思考/学びをクリティカルに分析し(単に「批判的」に分析するのではありません。何は大切で、何は大切でないのかを見極められるようにするのです!)、それに基づいてよりよい選択/行動ができるようになります。
これを繰り返すことで、効果的な準備/計画、モニタリング(観察/測定)、振り返り/自己評価ができる力を磨くことができるようになっていきます。
●もう一つ参考になるアプローチとして(上記の質問とかぶるところもありますが)、
・すべては分かっていないことを認める
・挑戦しがいがある、現実的な目標を設定する
・取り組みはじめる前に、準備/計画をしっかりする
・自分がよりよい選択をするために、他の人のフィードバックを求める
・提供されたフィードバックをうまく活用する
・自分のパフォーマンスをモニターする(最後で苦しまないように!)
・ジャーナルを付ける
・いい質問を自分自身に投げかける(自問自答する) → 上記の7つの質問など
以上をリストアップして気づいたのは、来年2月に発売予定の『教科書では学べない数学的思考――「ウ~ン!」と「アハ!」から学ぶ』とまったく同じだということです。
私たちは、長年(少なくとも10年ぐらい、私の場合は13年も)算数・数学を学びましたが、残念ながら「数学的思考力」は身につきません。していたのは、ずっと「正解当てっこゲーム」でした。単に、正解を出せればいいのと、数学的思考を身につけることは、まったくの別物です! それではまずいと、(55歳を過ぎて)一念発起して数学的思考力が身につく本を探して見つけたのが、上記の本だったというわけです。
ちなみに、数学的思考力=問題解決能力なので、この本は数学的問題だけでなく、世の中にあるすべての問題を扱う際にも役立ちます。(算数・数学で、そんなふうに教えてもらったこと、ありますか?) 目標設定・実現能力を身につけることも含めて、上記の8つのことが不可欠なのですが、算数・数学の授業でこれらはほとんど丸ごと抜け落ちています。
●話を、「メタ認知」に戻します。その他の重要なポイントとして、以下の点も覚えておいてください。
・授業(作業)中に、しばしの時間(1~2分)をとって振り返る。
・学ぶことと正解を得ることの違いを強調する。 → これは、成長マインドセットと固定マインドセットの違いに発展します。①浅い(表面的で、受け身的な)学びか、それとも②深い学びをつくり出せるかの分かれ目が、メタ認知とも言えます。前者の特徴は、「クラスに遅刻しない」「教師の話しをよく聴く」「板書をノートに取る」「教科書をよく読む」「ノートを見直す」などに表されます。それに対して後者は、「自分の質問を出す」「正解を見るために自分なりの答えを考えてみる」「ノートは閉じて、どれだけ覚えているかテストする」「分かりにくいところは友だちか先生に尋ねる」などの行動に表れます。
・明確かつ意図的に行う。
・やりすぎない。
参考(資料):『増補版「考える力」はこうしてつける』
『教科書では学べない数学的思考――「ウ~ン!」と「アハ!」から学ぶ』
『読み聞かせは魔法!』の「考え聞かせ」の章
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