2018年7月22日日曜日

新刊『イン・ザ・ミドル』


ちょっと変なタイトル、と思われるかもしれませんが、原書の著者は第3版まで通して(内容を大幅に改変しても)、このタイトルを使い続けていますから、相当のこだわりがあるので、日本語訳もそのまま使っています。(その意味を知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってください!)

著者のアトウェルさんは、アメリカでも最初にライティング・ワークショップ(WW)★を実践し始めた一人で、それを読むことに応用したリーディング・ワークショップ(RW)★★は最初の人と言っていいかもしれません。結果的に、40年近く取り組み続けました。(常に新鮮かつ学べたので、続けられたのだと思います。

読み書き教育という観点で、どれだけ素晴らしいかは、「WWRW便り」でこれからも(すでにこれまでも)紹介し続けますが、「PLC便り」は読み書きに限定せずに、他教科や学校教育全体で、この本がどれだけ価値があるのかがテーマです。

すでに1月に紹介した記事(上記のURL)では、
 ・「教師(教える)という素晴らしい仕事」を、教師全員が実感してほしいですし、それを実現しない限りは、子どもたちにとっては(教師にとっても)苦役が続くことを意味します。その意味では、管理職、教育委員会、文科省の責任は重大ですが、現時点でその責任をどれだけ果たせているでしょうか? ぜひこの本を参考にして、明日からでも行動を開始してほしいです。
 ・アトウェルさんは「私たちが教える論理が、子どもたちが学ぶ論理と同じとは限らない」を座右の銘にしていますが、日本の管理職、教育委員会、文科省の役人で、これを認識できている人は果たしてどれだけいるでしょうか? 教える論理が横行し、学校や教室は学ぶ論理が極めて希薄な場所になっていないでしょうか? これを改める糸口をこの本で見出せます!
の2点についてフォーカスして紹介しました。

今回紹介するのは3点目です。それは、評価。
日本の教育で、これほどいい加減に扱われてきたものはないのではないかと言えるものの一つです。(文科省も、20年ぐらい前に「指導と評価の一体化」と言い出して、そのことには気がついたようですが、それを言い出した人たちも「指導と評価の一体化」の具体的な中身がわかっているとは言い難い状況がいまだに続いています。)それに対して、本書の第8章はみごとに応えてくれています。
なんと、評価ワークショップという名称で、毎学期の最後の数日で行うというのです!(もちろん、年間の実践がそれを可能にしています。子どもたちが主体的に集めるノートやポートフォリオがあるのです!)その主役は生徒たちで、教師の役割はそのプロセスをサポートする役割です。
評価は、①子どもの一人ひとりの自己評価力(+自己修正改善力+次の目標と計画作成能力)をつけさせるものであり★★★、②子ども一人の学びに大きく寄与するものであり、③学期を通して行ってきたカンファランスも踏まえながら、子ども理解の情報が提供されることで、生徒の学び、自己評価力、次へ向けて目標と計画作成力をサポートするものであり、④教師が教えることと学ぶことに関して学び続けるための手段であることに気づかせてくれます。これら4つのうちのどれが現在日本で行われている評価や成績(通知表)で達成されているでしょうか? これら4つが欠けている評価を、評価と言えるでしょうか?

 この第8章を含めて、第1章~第7章は、国語の教師が読むと、刺激とアイディアが満載ですが、数学、理科、社会、保健体育、家庭、音楽等の教師が読んでも、刺激とアイディアが満載であることをお約束します。さらには、学級経営や学校経営の観点で読んでも、刺激とアイディアの点で満足が得られるはずです。
 ぜひ夏休みの間に読んでいただき、夏休み明けから一つでも二つでも実践をし始めてください。子どもたちはもちろん(管理職や教育行政に携わる方は、教師たちも)、それを望んでいますから。


★ 一言でいえば、子どもたちが作家(や詩人やジャーナリストやノンフィクション・ライター)になる体験を通して学ぶ教え方・学び方です。従って、中心は子どもたちがひたすら書くことに据えられています。
★★ 同じく、子どもたちが読書家になる体験を通して学びます。従って、中心は子どもたちがひたすら読むことに据えられています。日本の読解教育のように、教師は教材研究をしません。それこそが、「ボタンの掛け違え」の出発点になってしまい、教師が使う時間とエネルギーがズレてしまっているわけです。
★★★ この中には、達成できたことは「祝い」、まだ達成できなかったことについては分析をし、教師の力も借りながら、次に達成するための目標設定や計画も立て、それを宣言することが含まれています。


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