最近は何でも検定があり、〇〇検定と名の付くものはどれくらいあるのでしょうか。
その中の一つ、「科学検定」の公式問題集が講談社ブルーバックスという新書に「科学検定公式問題集」(桑子 研・竹田淳一郎/2014)という形で市販されています。
この本は、5,6級の問題ということで、小学校4年から中学1年レベルとなっています。
監修者であるサイエンス作家の竹内薫さんは「科学検定の問題は、検定資格のための問題ではなく、あくまでも、科学の楽しさを再発見してもらうための問題。ですから、問題を解いて解説を読むことは、知的なエンターテインメントにほかなりません。」と「まえがき」で述べています。
小学校4年から中学1年レベルだから、そんなに難しくはないだろうと思い読み始めたのですが、なかなか手ごわい問題がいくつもありました。
- 細胞でできている
- 酸素を使って、二酸化炭素を出す
- エネルギーの元となるものを取り込んでうごく
正解は、【ア】ですが、生物の体の一番の特徴がこの「細胞」であるということは、おそらく生物学の最も重要な出発点でしょう。
1665年、イギリスのロバート・フックが顕微鏡を使った観察記録を『顕微鏡図譜』として出版しましたが、コルクを観察した際に小さな部屋のような構造を発見したことは有名です。この小さな部屋を「細胞」と名付けたわけですが、これが生物学史上初の観察だったわけですね。
理科の授業においても、このようなその学問の中心概念に係わる大切な知識や、簡単に答えの出ないような問い、あるいは観察や実験を経て、そのデータから合理的な理由をもって、結論を導き出せるような問いを大切にしていきたいものです。
そのような問いを作るためには、この問題集のような本を元にしてもいいわけですし、その教科に関連する文献、新聞、雑誌などを元にしてもいいわけです。いずれにしても、教師の学びが必要になってくるわけです。そして、さらに言えば、子どもたち自身が、このような本質的な問いを作り出し、追究していくこと、これが最終的な目標ではないでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿