2026年4月26日日曜日

学校で教員チームをつくる際の10の真実

 学校のチームは、自分たちの「何を・なぜ・どのように」をつくり上げる時間と、 メンバー同士の関係を築く時間が必要です。

 私★1はこの10年間、教育者のチームに所属したり、効果的なチームをつくろうと試みたりしてきました――成功したこともあれば、そうでないこともありました。そしてこの1年は、チーム開発について多く書いてきました。数年前にあるチームをコーチしたとき、私は自分自身のために、次の「10の真実」を初めて言語化しました。

これらは、困難な状況でもしなやかに、高いパフォーマンスを発揮できるチームをつくるために、自分が何を大切にすべきかを思い出すための指針でした。「真実」と呼ぶことには少しためらいもありましたが、これらの考え方は実際に試され、検証され、チームづくりにおいて他のどんな考えよりも「真実味」を感じています。では、その10項目を紹介します。

1. 学校で働く、あるいは学校と関わるチームは、子どもたちの社会的・感情的・学習面のニーズに応えるために存在する。

私たちが取り組むことは多岐にわたりますし、関わる大人たちのケアも必要です。それでも、私たちが存在する理由は 子どもたちのためです。

2. すべてのチームの中心的な仕事は「学び」である。

リーダーシップチームであれ、データチームであれ、カリキュラム設計チームであれ、あなたの仕事は学び続けることです。学校が直面する山のような課題に少しでも食い込んでいくためには、教育者である私たちが学びを止めないことが唯一の道です。

3. リーダーとしての「あなた自身」が、チームに最も大きな影響を与える。

リーダーのEQは、あらゆる知識やスキルの土台となる鍵です。リーダーは、自分の感情を認識し、扱えるようになる必要があります。そして、他者の感情を認識し、適切に関わる力も求められます。

私たちは 感情と仲良くなる必要があります。感情は存在します。それと戦ったり避けたりすればするほど、状況は複雑になります。感情に正面から向き合うことで、健全なチームづくりや子どもたちのニーズに応えるための前進が可能になるのです★2。

4. すべてのチームは、システムと権力構造の中に存在している。

チームが本当に変革的な力を発揮できるのは、こうしたシステムを理解しているときだけです。権力に目を向けなくても、チームはそこそこの成果を出すことはできます。しかし、もし変革をめざすのであれば、メンバーもリーダーも、権力とは何か、組織や構造(チーム構造を含む)の中でどのように現れるのかについて理解を深める必要があります。不平等を断ち切るためには、この理解が欠かせません。これはとても大きなテーマです。★3

5. チームは、信頼によって力を発揮する。

信頼があると、チームはしなやかで強いコミュニティーになります。だからこそ、チームリーダーは信頼のレベルに細心の注意を払い、意図的に信頼を築く必要があります。信頼はつかみにくく、維持するのも難しいものです。年度当初の「アイスブレイク」のような活動だけで築けるものではありません。大人同士の信頼を育てる計画こそ、リーダーが立てられる最も戦略的なプランのひとつと言えるでしょう。

6. チームづくりには時間がかかる。

チームは、自分たちの「何を」「なぜ」「どのように」を育てるための時間、そして関係性を築くための時間が必要です。

これは避けて通れない厳しい現実です。「チームづくりに必要な時間をどう確保するのか?」その答えは、他のことを削り、優先順位をつけることです。優先すれば、必要な時間は確保できます。

7. 会議の健全さは、チームの健全さを映し出す。

どんな会議でも、最初の10分を観察すれば、そのチーム全体の健康状態がわかります。★4 もしあなたがリードするチームを強くしたいなら、魅力的で、振り返りがあり、意味のある会議をデザインすることに集中してください。

  • 会議で扱う内容が本当に関係のあることになっているか?
  • あなたのリーダーシップに対するフィードバックは得られているか?
  • 参加者が「なぜ集まっているのか」「自分は何をするのか」を理解しているか?

これらを確実にすることが大切です。

そして、会議1時間につき、23時間の準備が必要です(そう、そこまで準備が必要なのです。それが現実です)。

8. チーム全体のEQは、そのパフォーマンスを決める最重要要因である。

この点については、https://selnewsletter.blogspot.com/2026/04/eq.html で詳しく書きました。

9. チームメンバー間のコミュニケーションは、すべてをつなぐ「糸」である。

結局のところ、私たちが「何を言うか」と「どう言うか」に行き着きます。しかし学校のチームは、自分たちがどんなコミュニケーションをめざすのかについて、立ち止まって話し合うことがほとんどありません。裏で愚痴を言ったり、いつも不機嫌な同僚や話を独占する同僚について嘆いたりはしますが、正面から向き合うことはしません。もう向き合う時です。チームのコミュニケーションについて、互いに使う言葉のレベルにまで踏み込んで扱う必要があります★5。

10. コンフリクト(対立)は自然で、普通で、健全にもなり得る。しかし、生産的でない対立はマネジメントが必要である。

そして最後の真実:私たちはコンフリクト(対立)に向き合わなければなりません。チームが集まる場にいつも潜んでいる、あの「見て見ぬふりをされる大きな問題」に★6。

 

 もし、あなたが「学校でのチームづくり」に関して付け加えたいことや疑問・質問があれば、ぜひ教えてください。下のコメント欄でシェアしてもらえると嬉しいです。

 

★1=出典:https://www.edutopia.org/blog/ten-truths-about-building-school-teams-elena-aguilar

 ここの私は、『教師のためのアート・オブ・コーチング』の著者のエリーナ・アギラーさんのことで、彼女が2015年の7月24日に書いた記事です。

★2 これがEQ(いまは、SEL)が大切な理由です。https://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=EQ と https://selnewsletter.blogspot.com/ を参照ください。

★3 『教師のためのアート・オブ・コーチング』のハイライトの一つは教員研修をする際に大切な(欠かせない!)6つのレンズを提示してくれていることです。その中に、このシステム思考と権力構造もレンズが含まれています。他の4つは、探究、変化の管理、成人学習、そして感情的知性(EQ)です。日本の教員研修でちゃんと扱われているのはどれでしょうか? 抜け落ちているのが多いと、あまり効果を上げないことを意味します。

★4 同じことは、授業にも教員研修にも言えませんか?

★5 これに役立つのが『好奇心のパワー:コミュニケーションが変わる』ですので、ぜひ参考にしてください。

★6 これには『生徒指導をハックする:育ちあうコミュニティーをつくる「関係修復のアプローチ」』が役に立ちます。

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