2024年7月21日日曜日

ぜひ、夏休み中にブッククラブを!

 まずは、下の写真を見てください。

あなたは、何を発見しましたか?

私は、・参加している先生たちの表情のよさ

    ・前向きな姿勢

    ・全員が同じ本を持っていることから、本の内容についての話で盛り上がっていることが伝わってくる

    ・男女(人種も)の構成のよさ

    ・距離の近さ(固いイスではなく、ソファーに座っている)

    ・置いてあるお菓子

です。

上の写真も、下の要約も

https://www.edutopia.org/article/starting-faculty-summer-book-club からです。

 夏休み中のブッククラブは、教師間のコミュニケーションを促進し、授業や学校をよりよくするための専門知識を高め、教師が議論すべき重要な教育上の問題を提起する方法になります。教師は、学期中は孤立し、独自の縦割り組織のなかで生活しています。1冊の本を中心に据えたブッククラブは、教師に安全で楽しい環境で話し合い、さらには議論・討論する機会を提供します。真夏の選択肢として、今から始めても遅くはありません。

最初のステップ

同僚との夏休み中のブッククラブを進める前に、その目的を決めてください。読書クラブの目標は、教員を集めること、士気と仲間意識を高めることでしょうか。これらはすべて、よりテンポの速い、気楽な本、すぐに読めてユーモアのある議論を引き出す本を選ぶのに役立つ貴重な目標です。一方ブッククラブの目的は、スタッフを集めて重要な議論を行うことです。この目的のために、夏休み中のブッククラブは教師の学びと成長の有効な手段になり得ます。

(訳者追記・目標と目的が一緒に書かれているので、分かりましたか? 訳者としては、「何が達成できたら、呼びかける者として満足できるか?」をできるだけ明確にすることが大切ではないかと思います。たとえば、「最低でも、二人か三人★に参加してもらう。4~5冊自分が選んだ本のなかから参加を表明した人たちに一冊に絞り込んでもらい、それを全員が読んできて、楽しく話し合う2時間ぐらいのブッククラブをする。そして願わくは、その本に書いてあったことの一つでも二つでもを9月以降に実践し、それを紹介し合う日取りを設定できるとよい」といった感じでしょうか?

 どこで集まるかは、大事です。「最悪」学校でする場合は、可能な限り、上の写真のような雰囲気になれるところです。(通常職員会議をしているような会場や雰囲気は、よろしくない、ということです!)

 誰が参加するか、誰に声をかけるかも大事なポイントです。上で紹介したように、達成目標が3人なのか、それとももっと多いのか、そして学年レベル、教科レベル、校務分掌レベル、教職員全員レベルなど、どのレベルで考えるかによります。

 ここで言えることは、参加したくない人を無理やり参加させると、その人はブッククラブの間中、負のオーラを発散し続けることになりかねませんので、積極的に参加している人たちへのマイナス効果になってしまうということです。ですから、義務づけた参加は誰にとっても不幸です。

 ベストの方法は、どうしても参加してほしい人2~3人には声をかけて(さらには、日程等をその人たちを優先して決め)、その他の人たちは自由参加にすることでしょうか? そうすれば、あなたが最低限達成したい目標は確実に達成できる一歩を歩めますから。

 そして、負のオーラを発しない(と同時に、ブッククラブの場を独占するようなことがない)ことが確認できるのであれば、管理職の参加もぜひ確保したいものです。管理職の参加は、あくまでも学びの機会であるということと、他の参加者とフラットな関係で話し合える機会と理解して参加してもらうといいでしょう。

ブッククラブのための事前準備

 大切な事前の準備としての選書された本を各自が個別に読むことに関しては、

・当日の1~2時間の本について話し合いに参加できる読み方をしてもらう。そのためには、必然的に、線を引いたり、付箋を貼ったり、メモを取ったりするなどして(方法は自由!)。

・本のなかで自分にとってのハイライト箇所を最低7つは選んでもらう。ハイライトは、特に共鳴した点。逆に、反発を感じた点。すぐにでも実践したいと思ったこと(あるいは、学校/学年/教科で取り組みたいと思ったこと)。誰かと話したい/共有したいと思ったこと。2~3回読んでも、よく分からなかった(のでハッキリさせたい)点などです。

 この準備ができていれば、当日のブッククラブは間違いなく、うまく話し合えます。

 あとは、いつ、どこで、何時に会うのかのアナウンスを確実にすることです。

 可能であれば、数日前には参加人数の把握ができれば、飲み物やお菓子の準備も滞りなくできます!

 夏休みのブッククラブのあと、学期中に参加メンバーを1回以上フォローアップのミーティングを開くとよいでしょう(もし、この案が参加者から出てこなかったら、呼びかけ人であるあなたが、再度の声かけをするということです)。最悪は、ドーナツやコーヒーを飲むためだけにメンバーを招集するのもよいでしょう。管理職にメンバーになってもらっておくことは、このためです。学期が始まってから、その本とその内容について何か考えたことや実践したことがあるか尋ねてみましょう。そうすることで、グループでの話し合いが続きます。

当日以降のフォローアップのもう一つの可能性は、夏休み明けの最初の職員会議で一人以上の参加者にブッククラブについて話してもらうことです。そうすることで、参加できなかった人が次のブッククラブに参加するよう促すことができます。

 夏休み中のブッククラブは、教員間の会話や友情を育む、楽しくて気軽な方法です。同時に、教師が寛容でフレンドリーな雰囲気の中で、自分たちが抱える大きな問題について考え、それに立ち向かえる方法(や行動)についても考えることを可能にしてくれる場です。

ちなみに、これまでにも何度かブッククラブをお勧めしてきました。

https://projectbetterschool.blogspot.com/search?q=%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96 なにせ、一番いい教師の学びの方法★★ですから!

 

★何よりも大切なことは、目標(「期待値」と言ったほうがいいかも知れません)はかなり低く設定することです。必ず成功するために。最後の方に出てくるように、それを徐々に広げていけばいいわけですから。逆に、校内の全職員を対象にするアプローチは、これまでの経験が示しているように、失敗が必ず約束されています。毎年、講演中心の校内研修をやって、それが終了後に何も生まない/続かないことをすでに繰り返している学校がいかに多いことか(これって、授業で教師が教科書をカバーする授業と同じではありませんか。まったく同じ構造ですから)! 目の前にいる人たちの個々のニーズや状況(や興味関心やこだわり等)を見ずに、「予定調和」的なことをし続けては、誰にとっても何もよくありません。

★★なぜ、そう言い切れるかというと、講演会やワークショップ、研究授業等(これらは、残念ながら「その場限り」が約束されています!)に比べて、こだわり続けることが容易だからです。本があるので、いつでも戻れますし、戻る/読み直すことでさらに理解が深まったり、広がったりもします。さらには、アクションに移せる可能性も増します。それを一人ですることは容易ではありませんが、仲間が数人いるとそのハードルもかなり低くなります。さらには、継続して読む本の輪を広げたり、一緒に読む仲間の輪も。

他には、主流であり続けている教員研修(教師の学びの方法)に比べて、どんないい点があるでしょうか?

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