以下は、下訳段階の原稿を読んでコメントしてくれた協力者の冨田先生が書いてくれた『歴史をする』の紹介文です。
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「歴史をする」とは、隣のあの子が存在する理由を知り、多元的民主主義の一員になること。
「歴史をする」とは、過去のエイジェンシー(主体者意識)の移ろいを思い描き、今の自分自身の中のエイジェンシーを呼び起こすこと。
「歴史をする」とは、自分が物語の主人公になり、よりよい未来を作り出す一人になること。
「歴史をする」ことで、子どもたちは行動し、探究し、自分自身も歴史を刻む一員であることを知るのです。エイジェンシーを体得する歴史の学び方とは、どのようなものなのでしょうか?
語呂合わせで年号を覚えることや、歴史上の人物を漢字で正しく書けるようになることなど、学校で行われている暗記とテスト中心の歴史は、ほとんど意味がありません。本当の歴史はそうではなくて、自分自身が歴史とどうかかわり、今を創り出していくか、歴史はそれこそに価値があることを、本書は丁寧に教えてくれています。
子どもたちにかかわる私たちは、覚えて、解答して、先生から評価を頂くような、おもしろみのない過去を繰り返してはならないのです。あんなに息の詰まる思いをしたのに、それでもまた知識理解偏重の歴史学習を子どもたちに再び充てがおうとしているのですか?
目を覚ましましょう。歴史は過去を知るためにあるのではなく、過去を省み、今を選び、未来を生み出すためにある。私たちは、子どもたちにそれをどのように伝えていけばいいのでしょうか? 子どもたち一人ひとりが主人公となり、創造的に歴史を綴る一人のエージェントになるために、私たちはやれることが星の数ほどあると、この本は私たちを何度も励ましてくれるでしょう。
社会科の学びを創造的なものにしたい先生、歴史を通じて今を考える視点を与えたい保護者、歴史を学ぶことで明日を作り出そうとしている生徒自身、みんなで暗記中心の旧来の授業を脱ぎ捨てて、共に学びを変えていきましょう。
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歴史の授業をこのように捉えた授業は、今の日本で行われているでしょうか? その可能性が見えてくる本です。
しかも、このことは単に社会科の歴史分野に言えるだけでなく、残りの地理や公民(政治経済)分野にも言えてしまいますし、さらには、理科、算数・数学、国語等の他教科にも言えてしまいます。というか、参考になる点が満載の本です!
ちなみに、冨田先生は現在、この本は去年の今頃から翻訳が始まったのでまったく参考にしていませんが、ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップ(作家の時間と読書家の時間)を社会科に応用した実践をまとめた『社会科ワークショップ』の校正作業中です。夏前には出版予定ですので、ご期待ください。(冨田先生の中には、そういう経験があるので、上の文章が自信をもって書けてしまうのです! 日本でも十分にやれてしまう、と!)
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