2021年3月21日日曜日

スパイダー討論の実践紹介

 横浜市の平先生が、『最高の授業 ― スパイダー討論が教室を変える』(アレキシス・ウィギンズ著)を読んで、早速実践した報告を送ってくれました。

 

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横浜市で6年生を担任しています。

スパイダー討論と出逢い20213月「実験してみよう!」と、思い切ってスパイダー討論にチャレンジしました。結論から言うと、スパイダー討論のおかげで自分の教育観をガラリと変えることができました。子どもはスパイダー討論が楽しみでしょうがないようです^^

以下、自分が「道徳」の授業で実践しているスパイダー討論の様子を報告させていただきます。

 

私はスパイダー討論と1番相性の良い教科は道徳だと思っています。さらに「どう解く?」という答えのない問いに挑む教材がジャストフィットします。流れさえ掴めば、この本を購入するだけで15時間分の教材研究が手に入ります。つまり定時で帰れます(笑)

スパイダー討論×「どう解く?」の実践を紹介します。

 

まず、「どう解く?」の教材から話し合いたい議題を1つ決めます

ちなみに私のクラスでは最初の議題は「正義の味方はなんで悪者を殴ってもよいのだろうか」という問いでした。

 

役割を決めます。

私のクラスでは、

司会→1

レコーディング→1人決めています

スパイダー討論をやる中で輪の中に発言回数を記録する役が自然と生まれました。

フレームを超えて自分たちでより良い討論にするために自考する姿がもう素晴らしいですよね^^

 

クラスを2つの輪に分け、15+3分でスパイダー討論を始めます。

本の中で紹介されているアプリを活用することで、自分の話し合いの姿がメタ認知でき、効果絶大です(特にクラスに1人はいるだろう優秀な児童が、自分が話しすぎているという事実に気が付きます(笑))

→1つの輪は多くて14人程度が理想だと感じます。

 

討論の評価

ルーブリックをもとに話し合いを評価します。

私のクラスのルーブリックは

全員が平等にテーマを意識して参加した

一度に話す人は一人で、良いペースで活発な話し合いだった

チーム内で出てきた疑問や質問はみんなで解決する努力ができた

小さなつぶやきも無視されず、おとなしい人にも発言しやすい雰囲気や声かけができた

誰かが話している時には、話し手が不快になる態度や行動をとることなく、何を言おうとしているのか一生懸命分かろうと努力できた

 

以上の観点をもとにAE5段階で評価します

 

アプリを活用したフィードバック

ここが1番盛り上がります(笑)

AIが客観的にデータをもとに話し合いを判定してくれるという点が私も気に入ってます。

本にはBを獲得するには、8ヶ月程度実践する必要があると書いてありましたが、私のクラスは2回目でBの評価をいただきました!学級ができあがっている3月の実践ということで少しずるい気もしますが、すごいです!

自分で言うのもあれですが、私のクラスはすごく育っています。「指示ゼロ」で自考して動ける児童が何人もいます。

つまり良いクラスはスパイダー討論がうまい。

逆説的に考えると良いクラスにするにはスパイダー討論を上達させればいいとも言えるのではないでしょうか?

あくまでも1つの考えとして、、、

 

子どもたち同士で学びの深化を図ります

今、道徳では「考え、議論する道徳」が求められています。3分ほど自由にテーマについて話し合いをすることで、子どもの考えを発散させます。

私は勝手に居酒屋交流と名付けています(笑)

自由にワイガヤできる感じが気に入ってます!

 

テーマをもとに振り返りを行います

「どう解く?」のホームページから振り返りシートがダウンロードできるので、そのまま活用しています。ここで私がこだわっている点は「即時フィードバック」することです。即廊下に掲示し、子ども同士が繋がれる環境を作ります。

例年は一人ひとりコメントを書いてから返却していましたが、それだと無駄なことも沢山あります。

コメント返却式だと教師と子どもしか繋げない点です。あと時間がかかります(笑)

しかし、公開することで、子ども同士を横で繋ぐことができます。さらにコメントを記入できる環境を作ることで、SNS教育にもつながると私は考えております。他人の考えに対して誹謗中傷は子どもでも書きません(笑)

 

最後に説話を話して終わります

「どう解く?」の良い点は答えのない問いに対して、著名人の方々からのアンサーがあることです。

「これが正解ではないけど、こんな考えもある」と最後に伝えて終わることで良い感じで終われます。大事なことなのでもう一度言いますが、教師がラクして子どもの思考をグルグル回せます。

 

しかし、教師は「授業で勝負」とよく言われます。私は今まで自分が一生懸命考え、授業を練っていました。教師が教えないことに疑問を持つ方もいるかもしれません。私も最初はすごく不安でした。でも、「ラーニングピラミッド」が私の背中を強く押してくれました!そこには驚愕の事実が記されています。子どもたちに任せる学びは勇気が入りますが、その豊かさを見たらやめられなくなります。

こんな実験結果があります。

スパイダー討論に慣れてきた頃、1度だけ私が輪の中に入って討論をしたことがあります。AIが判定したスパイダー討論の結果はどうだったと思いますか?

 

...結果は過去最低評価のDでした(笑)

教師が日頃いかに喋りすぎているかが分かります。

 

以上の実践から私はスパイダー討論にハマりつつあります。幸い私の学校では学年主任も一緒に研究を進めてくださり、管理職からも「おもしろい!」と言っていただいています。この伸び伸びスパイダー討論ができる環境でどんどん実験して、スパイダー討論の可能性を広げていきたいです!

 

長々と書かせていただきましたが、始めて1ヶ月も経たない初心者なので、至らぬ点が沢山あると思います。気付いたことがあれば、ご指摘、ご意見、感想いただけたら幸いです

沢山の方と磨き合い、高め合えたら嬉しいです😄


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 平先生への質問+指摘・感想等は、pro.workshop@gmail.comへお願いします。

 あなたもスパイダー討論に、ぜひ来年度から挑戦してください!



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