学校文化には、以下の4つがあると言われます。
1 プラスの文化
教師たちの使命感、プロ意識、生徒の学びに焦点、同僚性、誰でも成長できるという期待、試すことが奨励される、信頼と協力を大切にした組織運営、過去の資料や経験を尊重、認め合い尊重しあえる関係、参加型の意思決定、固い信念、ユーモア、清潔感、開かれたコミュニケーション
2 マイナスの文化
皮肉、悲観主義、無力感などが感じられ、元気も士気も高くない文化
3 有害な文化
自由な発言もできず、前例主義、やる気のある人の気持ちも萎えさせてしまう文化
4 バラバラな文化 1−3が混在する学校の文化
吉田新一郎(2005)『校長先生という仕事』平凡社 より
このような、学校文化は、学校のあり方に大きな影響をもっていることは、皆さんも実感されていることだと思います。
では、どうすれば、プラスの文化を創っていけるのか。難しい問題です。次の人事異動で、否定的な教員を出せばいいじゃないかという人もいますが、それは根本的な問題解決にならないはずです。特効薬はないと言えるのでしょう。
私は、大学の「地域教育支援センター」というチームの所属していて、地域の学校を支援する仕事をしています。その中でも、特に注力しているのが、学校改革を支援をするプロジェクトです。
いくつかのプロジェクトに関わる中で、分かってきたことがあります。
一つは、いわゆる「丸投げ」は、うまくいかないということです。学校が主体となって、進めない限りは何も変わらない。私たちは、話を聞く側であり、サポートする側に立っています。激励したり、チャレンジを推奨したり、一緒に問題を考えたりする役割を担うことにしています。その学校の先生が考え、悩み、試す。失敗したら、また悩み、議論し、前に進む。先生が汗をかく、つまりは、学び続けるようにならないと、学校は変わらないということだと思います。
もう一つは、動き続けなければ、変革は起こらないということです。「できるはずがない。」「そんなことして何の意味があるのか?」などなど、学校内の「マイナスの文化」との衝突は頻繁に起きます。「学校は理想論で動いているんじゃない!」と捨て台詞を吐いて会議室を飛び出した先生もいました。
しかし、議論を重ね、衝突しながらも、粘り強くビジョンを語り続けるリーダー、子どもたちの力を信じ、新しい学校づくりに情熱を持ち続ける先生がいる限り、学校全体のベクトルはプラスの方向に向かっていくようです。諦めたらそこで終わりです。
はじめから、プラスの文化が充満している学校などありません。プラスの文化は、学校改革がスタートするための条件ではなく、学校改革の取り組みの結果として生まれるものではなないか。これが、いくつかの学校改革のプロジェクトに関わってきた現時点での私の仮説です。
学校の文化を観察する 吉田(2005) p.158
☆学校改革に関わっている方は、ぜひ、吉田新一郎(2005)『校長先生という仕事』(平凡社) Part 3 「学校改革の担い手としての校長先生の仕事」をお読みください。
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