2017年1月15日日曜日

スターター(Starter)になろう


先日あるところで、文部科学省教科調査官の講演を聞く機会がありました。

テーマは次期学習指導要領がどう変わるかということでした。
    
その話を聞いて、文科省も相変わらず中途半端なことをしているなというのが、私の実感です。

授業観の転換という非常に大きな変革が要求されるアクティブ・ラーニングやコンピテンシーベースの考え方を本気でやりたいのならば、もっとそのあたりを本気で言わないと「学校現場には通じません」という感じです。

アクティブ・ラーニング一つとっても、学校現場の教師たちには何が届いているのか、非常に不安です。そして、当日の話で笑ってしまったのは、「アクティブ・ラーニング」という文言は新学習指導要領の中にはそれほど多くは入らないだろうという調査官の見通しでした。あくまで個人としての見解だと言いながらも、最前線で指導要領の文言作成に携わっている人ですから、それなりの信ぴょう性はあるでしょう。

これは、あまりにも「アクティブ・ラーニング」という言葉ばかりに光が当たりすぎてしまったことへの「反省的行動」なのでしょうか。マスコミもこの点ばかりに注目していますから、ちょっと困ったことになったなというのが文科省の本音でしょうか。

そうだとすると、先ほども述べたように、中途半端というか、一度上げたアドバルーンを慌てて下すというような滑稽な話です。本気で変えようとする意志があるのか、疑いたくもなります。

文科省自身が大きな転換だと言っているのですから、もっと現場をサポートするような手段を講じてほしいものです。これまでのように中央伝達講習会→都道府県→市町村教委→学校ではだめです。この発想から抜け出せない限り何も変わりません。

ICTがあるのだから、たとえば、ネットの中継やら、オンラインの研修が各学校あるいは個人レベルでできるようにするとか、「できることは何でもやる」くらいの気持ちがなければ、何も変わりません。

Innovationが必要なのです。

これまでの発想を捨てて、新時代に相応しい伝達やら研修のあり方を本気で考えないといけません。その旧来の慣習が捨てられなければ、学校は変わりません。文科省が手本を示さなければ現場は変わりません。

各学校から一人か二人ぐらいを教育センターに呼びつけて、悉皆研修をやってみてもだめだとつくづく思います。

国の動きはいずれにしても、まずは各学校で先生方一人一人が「スターター(Starter)」となって、できることから始めましょう。動き出さなければ何も変わりません。

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