2015年5月10日日曜日

「生徒たちとともに作るプロジェクト」


   過去2回の書き込みで情報提供を求めていましたが、私立S校のT先生が実際にいま動いている事例の紹介をしてくれました。

3月後半から具体的に始動し始めた学院のスーパー・グローバル・ハイスクール(文科省が認定)のプロジェクト「多文化共生の視点から 〜これからの日本、世界を考える〜」に今現在、高1から高3メンバー総勢50名で毎週月曜日プロジェクト学習をしております。

立候補した8名の生徒の学習リーダー、様々な教科の先生たち10名ほどが一緒に関わり、私はその企画作りの中心を担っております。

最終的には各生徒たちがそれぞれの「問い」をたて、フィールドワークに行き、その問いについて検証、省察、発表という流れです。

移民問題を切り口に、日本の移民の歴史、現状、日本人(日本国)の成り立ちについて、文化や宗教の摩擦、共同社会の問題点、日本や世界の政策等、様々な分野を多角的に学んでいきます。

まさに、ゼロからカリキュラムを創る、という立場に立たされています。

前任校との違いは、(カリキュラムづくりの運営をしていた)このプロジェクトには「生徒が主体的に参加」している点。

しかし、これこそ一番実践したかったことなので、今、この上ない至福の時間を味わっております。

とにかく驚きなのは部活でも忙しい彼らが、「明確な答え」がない根本的な地球課題の問題に真摯に取り組もうという姿勢。 

「僕たちは移民についての専門家になるのではない。この問題を切り口に学習し、多角的な視野をもち、新しい世界観を得て、そしてこれから生きる社会をより良くするために自分が何らかの形で貢献していきたい。」

学習リーダー初め、このプロジェクトに参加している生徒たちの代表的な言葉です。

教師が提供するフィールドワークは、対馬、青森、沖縄など日本国内、そしてオーストラリアやドイツと海外視察もあり、先生たちの専門分野を提供することができます。

さらに、生徒たち自身が、それぞれの分野(歴史、宗教、政治等)を各自がリサーチし、
ともにグループ学習する中で彼らたちからも新たなフィールドワークの提案をしていくという流れとなりました。大学ほど専門性はありませんが、まさに小さな教養学部(リベラルアーツ)を作っていこうというイメージです。

ライティングやリーディング・ワークショップ★の流れのように、生徒からのニーズや実態を踏まえ、まず教師や専門家からのミニレッスンを提供し、その後に彼らの活動や振り返りもあり、発表も視野に入れています。
調べる、書く、読む、発表する目的が明確です。

実はこのような高校生が企画運営するプロジェクトはまだいろいろとあるそうです。

また何よりも嬉しいのは、こういう生徒たちの姿を教科の枠を超えて、多くの先生たちと共有し、そしてお互いの知を提供しあえること! 学び合える喜びです。

今は試行錯誤の段階ではありますが、生徒たちの知性に、活動力に多大な信頼を置きながら、スーパー・グローバル・ハイスクールのプロジェクト作りの過程を大事にし、そして思いっきり楽しみたいと思います。

 他の高校の事例や、小・中学校の事例も大歓迎です。
 生徒たちはもちろん、教師もイキイキと自らの学びを作り出していく授業やカリキュラムづくりをお願いします。


★ このプログ(http://projectbetterschool.blogspot.jp/)の左上に、「ライティング・ワークショップ」を入力して検索すると、たくさんの関連記事があります。また、
https://sites.google.com/site/writingworkshopjp/ はライティング・ワークショップに特化したサイトで、http://wwletter.blogspot.jp/ は、ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップに特化したブログですから、ぜひご覧ください。

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