この記事「Quality Leadership Builds Learning Environments」は、スティーブ・バークレーが長年主張してきたテーマ――「リーダーの仕事は人を動かすことではなく、学びが生まれる環境をつくることである」を中心に論じた内容です。
主な要点は、次のようなものです。
1. 「教えること」と「学ぶこと」は違う
バークレーは、学校ではしばしば
- 教えた
- カリキュラムを終えた
- テストした
ことが重視されるが、それは学びが起きたことを意味しないと指摘します。
- Teaching(教えること)は比較的管理しやすい
- Learning(学ぶこと)は複雑で予測できない/しづらい
ものです。
つまり、教師は学習を直接起こすことはできない。学習が起こりやすい条件を整えることしかできない、という考え方です。
これは、ジョージ・クーロスの「学校での学び」と「学校外での学び」(『教育のプロがすすめるイノベーション』の138ページの図を参照)や、ナンシー・アトウェルが明らかにした「教える側の論理」と「学ぶ側の論理」(『イン・ザ・ミドル』の第1章を参照)とかなり近い発想です。
2. 優れた教師は「環境設計者」
記事では、良い学習環境とは
- 安心して発言できる
- リスクを取れる
- 質問できる
- 挑戦できる 環境だと説明されています。
教師の役割は、
- 明確な期待を示す
- 関係性を築く
- 生徒の声を尊重する
- 学習参加を促す ことです。その結果として、生徒自身が学習の主体になる。
という流れが生まれます。
3. 同じことが学校リーダーにも当てはまる
教室と学校を対応させます。
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つまり、教師が子どもの学習環境をつくるように、校長やリーダーは教師が学び続けられる環境をつくらなければならないと主張します。 | ||
4. 管理(Management)とリーダーシップ(Leadership)は違う
記事で最も重要な部分の一つです。バークレーは、管理とは
- 整理する
- 手続きを守らせる
- 計画を遂行する ことだと言います。
一方、リーダーシップとは人々が学び、挑戦し、成長できる条件をつくることです。

5. 教師が安心して挑戦できる学校文化
バークレーは、「生徒に求める環境と同じものを教師にも保障する必要がある」と言います。つまり教師も
- 意見を言える
- 失敗できる
- 質問できる
- 学び続けられる 必要があります。
そのためにリーダーは
- 信頼を築く
- 教師の声を聞く
- 教師の主体性を尊重する
- コーチングや協働学習を支援する ことが重要になります。
この記事を読んでいて興味深いのは、バークレーが一貫して「教えること」よりも「学ぶこと」に焦点を当てていることです。「教師は教えた。だから授業は成功した」という日本の授業観に対して、バークレーは「教えた証拠」と「学んだ証拠」は違うとはっきり述べています。さらに、学校リーダーについても「教師を管理する人」ではなく、「教師が学び続けられる環境をつくる人」として捉えています。教師は子どもの学習環境をつくり、校長やリーダーは教師の学習環境をつくるという二重の「学習環境づくり」の考え方です。この観点から見ると、研究授業や校内研修は、その環境に該当しているでしょうか? これまでに本ブログで紹介してきた方法では、何が「教師が学び続ける環境づくり」の具体的な方法に該当するでしょうか?
出典・https://barkleypd.com/blog/quality-leadership-builds-learning-environments/
このブログはインストラクショナル・コーチで、授業や学校改善コンサルタントのスティーブ・バークレー氏のものですが、この記事は彼の長年の主張を簡潔にまとめてくれているものの一つです。




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