集団には個性がある。これは、教師なら誰でも経験していることだと思います。去年のクラスと今年のクラスは当然異なるし、同じ年度内でも、クラスの様相は実に様々。
新年度の授業が始まって1ヶ月が経過しました。徐々に、クラスの様子が分かってきた頃です。今年一番のポジティブなクラス。ディスカッションをしても、積極的。クラスの仲間を活かそうと、みんなが心掛けているのがよくわかる。一方で、終始よどんだような空気が支配し、居心地の悪いクラスもある。グループ・ワークも停滞気味。もちろん、どんな集団であれ、平等に接するべきだと思いつつ、どうしても良い関係性のあるクラスに肩入れしがち。教師も人間だなあと思う。この違いに効果的に対処できていない自分を責めたりもするけれど、手立ても必死で考える。
私は、授業で、数名の学生リーダーを募り、様々な役割を担ってもらっている。その学生リーダーの持ち味によっても、授業の空気は変わる。とても和やかでいい感じの学びのコミュニティーになることもあれば、最後までしっくりこないこともある。毎年度、良い学びが生まれるコミュニティーづくりを目指してはいるが、その結果は一様ではない。リーダーや構成員によって、学びのコミュニティーの「性格」は変化するように思う。
学びの場は実にダイナミックだと思う。
集団凝縮性(group cohesiveness)という言葉があります。「集団の親密さとメンバーが共有する「私たち」という感覚」と定義されています。★1 思春期から青年期にかけての子どもたちを対象とした大規模な調査によると、学習の成果は、約33%が学習者同志の良好な関係に起因すると報告されているのです。思春期から青年期の若者の学習成果を高めたいのであれば、彼らの「友情」を深めるようにすることが重要だとまで言っています。★2 精神論のように見えますけど、チームづくりの大切さが浮き彫りになる研究のように思います。
「チーム」とは、明確に定義された重要な目標を共有し、強い結束力をもつメンバーによって構成される小集団のことと言われています。強いスポーツチームは、この二つを備えていますね。
学びの集団づくりのヒントも、このあたりにありそうです。集団の結束力やチームワークは、強制して生まれるものではないでしょうから。共通の目標に向かって、共に歩むことが求められる活動やタスクを設定できるか。自分たちが達成したことを、よろこび合えて、祝福しあえる場面をどうつくるか。そのような工夫が求められそうです。
チームが変化し、成長していくプロセスを見るのはとても楽しいことです。そのために、何を、どう仕組んでいくか。教師にとっても、ワクワクする時間ですね。
★1 サラ・マーサー/ゾルタン・ドルニュイ(2022)『外国語学習者のエンゲージメント』アルク.(原著 Mercer, Sarah and Dörnyei, Zoltán (2020) Engaging Language Learners in Contemporary Classrooms,Cambridge Professional Learning.),p.112.
★2.Johnson D.W & Johnson F.P. (2017) Joining Together: Group Theory and Group Skills (12th ed.) New York, Pearson. 同研究については、前掲書 pp.112-113で紹介されています。
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