2025年12月28日日曜日

教育の新しいうねり ~ 『一人ひとりを大切にする学校』のアクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)へのお誘い

  以下に紹介するのは、そのオーストラリア版です。オーストラリアにおける現在の様子が、よく伝わってきます。しかし、その出発点はアメリカのロードアイランド州の州都プロビデンスに開校したMETという学校でした。一つの学校から出発したうねりは、いま世界に270校(アメリカ国内は、その半分の140校)ぐらいのネットワークに広がっています★。2000年代には、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から多額の資金提供を受けていたことでも有名です。

 *****

Big Picture Education Australia(ビッグ・ピクチャー・エデュケーション・オーストラリア)は、オーストラリアの教育における重要な変革を促進することを目指し、地域社会との連携を通じて革新的で個別化された学校づくりを推進・支援しています。

私たちは、画期的な公立学校の設計、新しい教育モデルの研究と普及、学校や地域社会のリーダーとなる教育者の育成、そして若者の教育に地域社会の人々が積極的に関与し、意思決定に参加するための取り組みを行っています。

私たちの哲学の根底には、「一人ひとりの生徒のための教育」という考えがあります。生徒一人ひとりに合わせた教育★★プログラムを提案し、実践しています。

私たちは、本当の学びは、生徒自身が自分の教育に積極的に関わり、教師・保護者・メンター★★★といった身近な大人たちがその生徒を深く理解し、その生徒に合わせたカリキュラム(学習課程)を作り上げる時に生まれると信じています。学校内での学びに加え、学校外での体験が生徒の関心を高め、学びを深めるのです。オーストラリア社会が「テストの点数による成果主義」にとらわれている中、私たちは「一人ひとりに向き合う成果主義」を提唱しています。

現在の公教育システムは、一部の若者のニーズに応えられていません。中には、自分のニーズにより応えてくれることを期待して私立学校に移る生徒もいますが、多くの生徒が公教育から離れ、別の選択肢(オルタナティブ教育プログラム)を選んでいます。もちろん、多くの若者はその後、社会に出て仕事に就くことができています。

 しかし、豊かな国であるはずのオーストラリアで、あまりにも多くの若者が高等教育や就労に進まずに学校を離れてしまっているのは恥ずべき現実です。こうした状況が個人や社会に及ぼす影響は非常に大きく、しかもこの傾向は25年前と比べてもほとんど変わっていません。対策としてこれまでと同じことを繰り返しても、成果は得られていないのです。だからこそ、新しいアプローチが必要とされています。私たちの社会全体で、この教育課題に対して新しい視点で取り組むことが求められています。

Big Picture Education Australiaは、現在の公教育システムでは支えきれていない若者のために、革新的で多様なモデルが必要であると考えています。これは新しい考え方です。これからは、画一的な中等教育のあり方だけが公教育の選択肢であってはならないのです。公教育を支える私たちにとっても、多様な教育モデルが必要です。なぜなら、若者たちのニーズは実に多様だからです。

Big Pictureモデルは、そうした多様なニーズに応えるために生まれました。個別化された学びを通して、一人ひとりの生徒と深く関わりながら教育を行うのが私たちの特徴です。もちろん、私たちのモデルだけが唯一の解決策だとは考えていませんが、私たちはこのモデルが効果的であり、アメリカやオランダの学校で実績があることを証明しています。

私たちは、この課題解決のために新たな対話と行動を呼びかけています。教育成果を向上させるために、新たなパートナーシップや連携、資金調達の方法、学校設計などに取り組んでいきます。

Big Pictureが提供する教育は、リアルで実践的でありながら高度に個別化されたもので、学校での教科学習と実社会での学びをうまく組み合わせています。これまでの教育モデルをひっくり返し、生徒本人の情熱や興味・関心を学びの中心に据えるアプローチです。

海外での取り組みにおいても、この統合型学習フレームワークが生徒の学びを高めるうえで非常に効果的であることが示されています。Big Pictureの学校が成功し普及している理由のひとつは、非常に高い出席率(平均94%)と極めて低い退学率(平均2%)を実現している点にあります。アメリカでは、Big Pictureの卒業生の99%が大学への進学を果たしています。これは、Big Pictureが生徒たちに進学に必要なスキルや支援を提供している証拠です。

  *****

 以上の内容は、かなりの部分、今の日本にそのまま言えてしまう、と思われませんか?

 1月31日(土)に、このBig Pictureの出発点となったMETの創設者であり、20年間以上そこの校長をしていたデニス・リトキー氏が書いた『一人ひとりを大切にする学校』のアクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)を行います。

 本には、これからの学校に求められているものが明確に(しかも、生徒たちの声を中心に)書かれています。私たちに問われているのは、求められているものと現状とのギャップをどうやって埋めていくかです!(その辺まで、当日は話し合えたらいいのですが・・・・ABDは短時間で本の内容を理解することと、対話を通じて新たな気づきを得ることが目的であることを考えると、1月31日以降が大切になりそうです。

テキスト

AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。

★そうなんです! 教育には、食べ物、着る物、音楽、ドラマ/映画、ゲームなどと同じように、もはや国境はないはずなのですが、日本の教育界は国境線を引くのが相変わらず好きです。どうしてでしょうか?

★★これの授業版は、『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』と『学びの中心はやっぱり生徒だ!』で紹介されています。

★★★校内のよき先輩的な存在ではなく、地域の仕事をもった(生徒のインターン先の)社会人のことを指します。

出典: https://cookshill-s.schools.nsw.gov.au/our-design/big-picture-network.html

参考: https://www.themethighschool.org/METのホームページ)

    https://www.bigpicture.org/ (Big Picture のホームページ)

    https://www.nextschool.org/ (Big Picture の考えをインドに根付かせようという動き:小学校レベル)

    a town torn apart film - Google 検索 ないし https://x.gd/Bac7v (著者のDenis Littky氏が80年代から90年代の初めにかけて(?)校長を務めたニューハンプシャー州ウィンチェスターにあるThayer High Schoolでの体験を映画化したもの。こんな保守的な高校と地域ですら、METBig Picture に加盟する学校が今していることは、やれてしまった!! ということは、やり方次第と、関係の築き方次第?)ちなみに、本物のリトキーさん、この俳優そっくりです!

 

0 件のコメント:

コメントを投稿