2015年10月11日日曜日

子どもたちの力を活かす


  ちょうど1か月ほど前にここで取り上げられた『クオリティ・スクール』ウィリアム・グラッサー著について私の方でも取り上げたいと思います。

 
   少し前に、ある雑誌の原稿を頼まれたときに、この本を読みました。この翻訳本が出版されたのが1994年のようですから、多分出版されて間もないくらいの時期に一度読んだ記憶があります。そのころはまだ大規模校の一教員でしたから、この本のいいところはあまりわからなかったように思います。

 
しかし、今読み返してみると実に示唆に富んだ本であることがわかります。

その良さについては、すでにパートナーが指摘しているとおりですので、確認されたい方はぜひ96日の記事を読み返してみてください。

 
私が今回雑誌の原稿を書くときに参考にしたのは、188ページの次の部分です。

 
生徒仲間のカウンセラー
   
ボランティアは大人に限る必要はない。生徒にも関わってもらうとよい。生徒がお互いに援助しあうさまざまなやり方は、教えることからカウンセリングまで幅広くある。最上のプログラムの一つは、生徒のボランティアを訓練して、仲間のカウンセラーとして関わってもらうことだ。
     

このような考え方は今日では「ピア・サポート」という活動として学校に導入されているところもあります。「いじめ」の問題はなかなか根絶するのが難しい問題です。なぜなら、

ネットを通じたやり取り、特にLINEなどのメディアによる子ども同士のかかわりを把握することは現実には不可能だからです。したがって、子どもたちが持っている力を学校の中でもっとよい方向に活かしていくことが大切です。そのための視点をこの本はさまざまな形で教えてくれています。
    

また、190ページの次の部分も大切です。
   

生徒の求めているものは、教職員が絶えずより良くしようと努力している ことが全員に分かるような学校なのだ。
     

  これこそ、管理職の学校経営の基本でなくてはならないと思います。このような学校が現実に少しでも増えることを期待したいものです。

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