2014年12月21日日曜日

教員研修を役立つものにする鍵は



子どもたちの学び方が一人ひとり違うように、教師の学び方も多様です。(そうだとすると、一律の講義を行ったところで、効果は期待できません!)
その前提に立った教員研修のポイントは、

     継続的な学びが大切 ~ 特に、教師に新しい手法を学んで、実践してもらいたいのであれば、長い時間が必要。ある調査では、50時間は最低でも必要という結果も出ているぐらい。
     実践に移す時のサポートが大切 ~ 教え方を変えることを意味するので、サポートが欠かせない。それもかなり手厚い。(日本の研修で、このことは考えられているでしょうか?)
     実践することの価値に納得してもらうためには、読んだり、話し合ったり、ロールプレイをしたり、見本を見たり(授業を観察したり)といった教師の主体的な学びが大切。受身である限りは、役に立たないことが約束されている!?

以上の3つのポイントを踏まえて、具体的に学校や教育委員会主催の教員研修をする際のカギは:

1)取り組んでもらう実践(学び)を一つか二つに絞る。あれもこれもでは、新しいことに取り組むことを不可能にするだけ。
2)多いとは言えない学校や教育委員会の資源をそれら一つか二つの実践の実現に集中する。サポート/フォローアップのない研修は、教師を混乱に陥れ無力感を味合わせるだけ。
3)紹介することではなく、サポート体制性こそを充実させる ~ 具体的には、コーチング、校長による観察・支援、継続的な学年ないし教科ミーティング、継続的な評価システムなど。しかし、何よりも強力なのは、教師同士が教え合うこと。子どもたちも、それをモデルにしてよりよく学べる。
4)フィードバックの仕組みを作って、実践をモニターできるようにする。子どもたちの学びに好影響を与えないものに時間をかけても無駄。そのためには評価・モニターの仕方も身につけ、それを絶えず改善に活かす方法を身につける必要もある。
5)変化には時間がかかることをわきまえる ~ 1~2回の「研修」では当然のこと、1年ぐらいでも自分のものにしてもらえると思わない! 継続的なサポートこそが鍵。

教師も、教育委員会も、保護者も、子どもたちの学びの(質と量の)改善を望んでいます。これまでしてきたような研修を続けても、それが実現しないことは、長年の経験がすでに証明済みです。ぜひ、上の前提と鍵★を踏まえて、研修(学校内での教師の学び)を役立つ形に転換していきましょう!!


★ かなりの部分、このブログで繰り返し紹介している「学びの原則」とオーバーラップすると思いませんか? まずは、教師がそれを体現した形の学びを自ら体験していないと、子どもたちに提供することは不可能です。

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