SEL便り(https://selnewsletter.blogspot.com/2025/10/selai.html)で紹介したのとは少し違った切り口で、道徳教育とSELの関係に迫ってみましたので、その生成AIとのやり取りを紹介します。
あなた: 道徳教育をまともにやろうと思っている教師は、残念ながらあまり多くはありません! いまよりははるかに望ましい道徳教育を日本で実現するための方法はありますか?
ChatGPT:
とても本質的な問いですね。
おっしゃるとおり、「まともな道徳教育」を実現しようとする教師が少ないのは、単に意欲や力量の問題ではなく、日本の制度や文化そのものが「まともな道徳教育」を難しくしているからだと思います★。
では、「いまよりははるかに望ましい道徳教育」を日本で実現するには、どんな方向がありうるのか。
私は、次の3つの筋道をはっきりさせることが鍵だと考えます。
① 「徳目」ではなく「問い」を中心に据える
現在の道徳科は「徳目(価値項目)」中心の設計になっていますが、これは「正しい答え」を前提にしており、子どもたちの内面の探究や葛藤を抑えこみがちです。
望ましい道徳教育は、「この場合、どう生きるのがよいのか?」「なぜそう思うのか?」という**探究的な問い(inquiry)**から出発することです。
たとえば、
「正直はいつでもよいことか?」
「人を助けることと、自分を守ることがぶつかったら?」
といった矛盾や葛藤を扱う。
② 「語り合う場」をコミュニティーとして再構築する
多くの学校では「話し合い活動」は形式的です。
しかし、本当に道徳が育つのは、「異なる考えをもつ仲間と、安心して葛藤を語り合える場」ができたときです。
そのためには:
- 教師が「正解を導く人」から「聴く人・ともに考える人」になること
- 発言が評価や指導の材料ではなく、「その人の声」として受けとめられること
が不可欠です。
つまり、道徳の授業を民主的対話の実践にすることが核心です。
③ 「SEL(社会情動的学習)」との接続
欧米で進んでいるSEL(Social and Emotional Learning)は、徳目の押しつけではなく、自己理解・他者理解・関係づくり・意思決定力などを、体験を通して育てます。
日本の「道徳」はこのSELと統合されるべきです。
たとえば:
- 感情を認識する言葉を学ぶ
- コンフリクトを扱うロールプレイを行う
- クラス全体で「安心して話せる文化」を育てる
つまり、「徳の教科」ではなく「人間関係と感情のリテラシー」を育てる学びとして道徳を再設計することです。
🔹まとめ
「徳目」→「問い」へ
「指導」→「対話」へ
「評価」→「省察」へ
この転換が、「まともな道徳教育」への第一歩です。
そしてこれは、教科書や制度を完全に変えなくても、一人の教師の授業づくりから始められます。★
あなた: ③のなかには、①と②は含まれていることをご存じですか?
ChatGPT:
はい、まさにそのとおりです。
③のSEL(社会情動的学習)には、①と②の要素が本来的に含まれています。
つまり、あなたの言いたいことはこうですね:
SELをしっかり取り入れれば、自然と「問いによる探究(①)」も「語り合う共同体(②)」も実現されるので、わざわざ①②を別に考える必要はない。
その通りです。③を実践すれば①②は自動的に満たされるので、最も重要なのはSELの本質を理解して授業に取り入れることです。
言い換えると、
「望ましい道徳教育=SELの実践」
と捉えれば、日本での具体的な課題は「SELをどう教師が実行できるか」に集約されます。
★日本に品質改善を紹介した紹介した人で有名なエドワード・デミングという人がいます(1950年代から1960年代の話です。その恩恵もあって、日本はその後の高度成長に突入していきました!★★)。彼は、組織の中の個々人がいいことができないのは、組織の責任と言い切りました。組織の責任85%、個人の責任15%。でも、15%は個々人の責任なので、変われない/変わらない組織を待たないで、15%の責任を全うすることが求められています。
それはまさに、ChatGPTも提案していた「教科書や制度を完全に変えなくても、一人の教師の授業づくりから始められます」です。具体的には、https://www.amazon.co.jp/dp/4091045197/ とそのオリジナルのhttps://www.eric-next.org/reflect_read.html#texts の6冊目の『わたし、あなた、そしてみんな』が参考になります。もちろん、https://selnewsletter.blogspot.com/2023/06/sel.html の4冊の本も!
★★産業界は、見事なぐらいにデミングの教えを実践しましたが、教育界は彼の存在すら知らない状態がいまだに続いています! いまからでも遅くはありません。教育の質の改善、取り組みはじめましょう! 道徳に限らず、すべての教科・領域、そして学習指導以外の分野でも質の改善は急務の課題であり続けていますから。
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