2021年4月18日日曜日

『歴史をする』は、歴史だけ、社会科だけにとどまらず、すべての教科指導で参考になることが盛りだくさんの本!

 その意味で、タイトルが『歴史をする』はもったいないぐらいです。

 でも同時に、とても的を射たタイトルでもあります。アメリカでは、第5版が出ており、それを訳しました。(第1版は、なんと1997年に出ています!)

 なぜ、すべての教科で応用可能な情報が盛りだくさんかを示す「証拠」をお見せします。(数字は、本のページ数です。)


14 「歴史は、鍵となる問いとテーマである」という節が設けられて表1-1を解説する形で、そのことが紹介されています。


 これは、他教科を教える時も同じです。この表は、49~54ページに書いてある「学ぶことは深い理解を意味する」と関係します。単に「事実」や「知識」を詰め込むのではなく、「概念」レベルの理解が大切であることと。さらに、

54 「教えることは、生徒がもっている事前知識に基づく必要がある」

60 「人は探究の真っただ中で学習する」

65 「教えることは足場をかけることである」

72 「建設的な評価」 (ちなみに、評価についてはサブタイトルでも強調したように、極めて有益な評価に関する情報が各章で提供されています!)など、現在の教科指導で軽視ないし無視していることが、しっかり書かれています。

一例として、足場をかける点について、68ページの引用箇所をお読みください。


 この後は、「なので、教師におけるもっとも重要な責任は、生徒が学習するために必要な枠組みを提供することとなります」と続きます。ここでいう「継続的な相互作用」は、徒弟制度時代の「師匠と弟子」の関係をイメージするのが一番わかりやすいでしょう。これを実現している教え方としてhttp://projectbetterschool.blogspot.com/2015/03/blog-post.htmlがあります。(特に、表の下の情報をご覧ください!)

 

100 「鍵となる問いの重要性」のフォローアップとして、以下の4つを兼ね備えた問いであると示してくれています。

  話し合う価値のある問い。

  簡単に答えられなかったり、一つの答えでは回答できなかったりする問い。

  生徒が問いに答えようとするとき、調べることができる十分かつ適切な資料。

  「過去」に対する創意工夫のある導入

 

114 「行動を引き起こす」には、次のように書かれています。

 歴史を学ぶ目的を説明するように言われたとき、「歴史を知っていると、過去の過ちを繰り返さなくてすむ」と、アメリカ人の生徒がよく言います。しかし、歴史が今決断することにどのように役立つのかと尋ねられると、はっきり答えることができません。伝統的な歴史の指導は、ここでは役に立ちません。もし、歴史を扱うときに発揮されるエイジェンシー(主体者意識)と、個々の生徒が行っている市民的な取り組みとの関係について考えることができないなら、歴史を学ぶことの意義が満たされることはないでしょう。

 このこエイジェンシーについても、この本が各章で大切にしていることですし、「歴史」は他の社会科領域はもちろんのこと、他教科でも同じことが言えてしまいます。

 

354 大切にしているどころではなく、もっとも重視しているとさえ言えるかもしれません。「歴史的思考の大切な働きの一つは、個人と社会全体に利益をもたらす公共の利益のために、生徒が情報に基づき、かつ筋の通った決断を下せるようにすることです。個々人がそういう決断をしはじめると、彼らは簡単に操作されてしまうといった対象者ではなくなり、他者への敬意を示しながら、尊厳をもって自分の人生を切り開けるようになります。」


 最後に、読み聞かせについて一言。

183 文学は、生徒が歴史を意味づけるためには非常に効果的なものと言えます。しかし、残念なことに、読み聞かせに使われる絵本などの作品は、小学校低学年以降の教育においては使われなくなります。もしかすると、「読み聞かせ」は簡単すぎるものと感じてしまったり、目に見える成果に直結しないと思われているからかもしれません。しかし、ほぼすべての生徒は読み聞かせが大好きです。それがはじまると、ヴァルブエナ先生の教室には「やった!」とか「待っていました!」などの声が響きわたります(八年生の教室でも、読み聞かせをはじめると生徒の好意的な反応に驚くことがあります)。

 このことは、『だれもが科学者になれる!』の理科でも、すでに証明済みですから、ぜひ読み聞かせを有効に活用してください!

 

 

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