2018年3月18日日曜日

新刊『遊びが学びの欠かせないわけ』ピーター・グレイ著(築地書館)




私は、教育にかかわり始めた1985年ぐらいから、「自立した学び手をどう育てるか」をテーマに一貫して模索してきました。

今回の本はそのテーマに見事にフィットしているだけでなく、
視野を大きく広げてくれるものでした。

私が本書を日本に紹介した4つの理由:

①日本の学校、教育、学び、そして遊びについて見直すのにとてもいい本だから。
②教育関係者とは異なる切り口のお役立ち情報をたくさん提供してくれているから。
(狩猟採集という人類の歴史の99%がしていたことの詳しい情報!)
③学者にありがちな、単なる知識の書ではなく、アクションの書にもなっているから。
(息子の校長室での発言にショックを受けての、極めて個人的な物語でもある)
④楽観主義/信頼/ユーモアがベースに据えられているから。

どんな情報が紹介されているか、具体的な一つの事例を示しましょう。
私自身、小学校時代、近所の空き地でよく草野球をしていました。
それが見事に描かれているだけでなく、「遊びとしてするスポーツからの教訓」として、しっかり分析対象になっているのです(第8章の一部)。
著者が引き出した教訓は、次の5つです。

  教訓1 試合を続けたければ、全員を満足させ続けなければならない。
 教訓2 ルールは修正可能で、プレーヤーたちによってつくられる。
  教訓3 対立は、話し合い、交渉、妥協で解決する。
  教訓4 あなたのチームと相手チームの違いは一切ない。
  教訓5 よいプレーをして、楽しむことの方が、勝つことよりもはるかに重要。

これらは、社会人になってからもたくさんの使い道がある、とても大切なスキルやルールばかりです。それほど、組織立って行われるスポーツと比較して、遊びとして行われるスポーツには価値があるのです。(これらのどれ一つをとっても、今の子どもたちがしている大人のコーチがいる少年野球やサッカー、あるいは部活などでは、得られないものばかりですから。) しかし、それがここ数十年、急激に姿を消しつつあります。 このままで本当にいいのか、と真剣に考えさせられます。というか、部活問題以上のアクションが求められます。

本の中には、この手の情報が満載です。

切り口の違うこの本の紹介は、http://tommyidearoom.com/2018/03/05/post-993/
でも見られます。

詳しい目次やプロローグ等は、
で見られます。

割引情報

出版社が、49日発売の本を、 3月末日まで期間限定で割引販売をしてくれます。
定価2400円+消費税=2592円のところを、特別割引2400円(消費税、送料サービス)となります。
ただし、注文はすべて 訳者の私(吉田)= pro.workshop アットマークgmail.com  にする必要があります。
お名前、 ②郵便番号+住所 ③電話番号を書いて、お申込みください。
なお、5冊以上は、さらにお得な2割引き(12074円)+送料実費です。
※ 本の出来が326日なので、発送はそれ以降になります。


★ もちろん、外で遊んでいたのは男の子たちだけではありません、著者のグレイ氏は、ファースト・レイディーで国務長官だったこともあるヒラリー・クリントンが書いていたのを次のように引用しています。「放課後は毎日、週末も。そして夏休み中は、夜明けから暗くなって親に帰宅するように言われるまで。よく遊んだのを覚えているものの一つは、「追いかけっこ」です... 私たちはとても自立していましたし、たくさんの自由が与えられていました。しかしながら、いまの子どもにそのような自由を与えることを考えるのは不可能です。それを失ったことは社会としての大きな損失です。」

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