2016年6月12日日曜日

21世紀の教育で大切な「創造力」


教師のほとんどは、20世紀に教育を受けてきた人たちです。その中に、「創造力」という概念は含まれていませんでした。(20代の先生たちは、21世紀の最初の十年の教育を受けていますが、残念ながらいまだに教育は20世紀、いやひょっとしたら19世紀の教育を引きずったままです。それは、正解主義や権威主義に代表されるものです。★)
それらに対して、21世紀の教育の柱(キーワード)の一つとしてあげられているのが「創造力」です。
 このことは、『たった一つを変えるだけ』の訳者まえがき(特に、vページやviiページ)で紹介しましたし、このプログでも繰り返し紹介してきました

 いま訳している本★★の中にも創造力が当たり前のように登場します。

 しかし、創造力を言葉として知っていることと、それを子どもたちが身につけられるレベルで理解し、かつ授業で実践できることとはまったく別物です。(このことも含めて、『たった一つを変えるだけ』や『算数・数学はアートだ!』は訳しました!)

 私たちは、創造力を言葉として認識できるだけでは、何の意味もなく、具体的に子どもたちが身につけられるレベルで理解し、かつ日々の実践に結び付けていく必要があります。なので、さらに創造力関連の本や資料を読み漁り始めました。

 最初に見つけたものの一つが、上記の『たった一つを変えるだけ』の29ページで紹介しているSuccessful Intelligenceでした。この本を潮出版は『知能革命』と訳して(違和感をもってしまうタイトル!)、すでに1998年に出版されていました。著者のロバート・スタンバーグは、人が成功するために必要な能力を分析力、創造力、実践力の3つであるとして詳しく紹介してくれています。簡単に言うと、分析力は問題解決に、創造力は解決すべき問題の決定に、実践力は効果的に解決を導き出すのに用いられる」(194ページ)としています。

 この本の中で、創造力について紹介に値すると思ったのは、次の2つのリストです。

一つひとつの項目を、ぜひじっくり味わってください。金曜日の「RW&WW便り」にも書いたように、大切なことは教師があるべき姿をモデルとして示し続けることこそが最大の教育的効果を生みます。(モデルを示さずに、ただ言うだけだったりしたら、何もしない方がいいかもしれません。)次に大切なのは、こういう特質を使わざるを得ない授業を組み立てることです。★★★それは、教科書をカバーする授業でないことは確かです。


●あなたは、これらの中でどれが特に大切だと思いましたか? ~ どちらもすべてなのですが・・・、私が特に大切だと思うのは、「創造的な人の特質」では、1と2と6です。「自分を活性させる20箇条」では、15~20です。
●これまでの管理職や先輩で、これらの多くをモデルで示してくれていた人を思いだせますか?
●あなたは、これらの中のどれは、すでにやれていますか?
●今後数か月取り組んでみたいのはどれですか? 一つか、二つを選んで(「16.選択ができる ~ 一度に、あまりにも多くに手を広げることもなく、あまりにも少しのことしか手がけないこともない」を参考にして)、ぜひ身についていないものを補い続けてください! ~ 私は、「創造的な人の特質」の3番目から取り組みます。


★ あとで紹介する『知能革命』の196ページには、「学校というものは、のちの人生で重きをなさない能力を評価するきらいがある。その結果、生徒の目標を追求する気持ちを失わせてしまう」と書かれています。私たちは、学校という場で何をしているのかにもっと気をつける必要があり、そして改める必要もあります。
★★ 一人ひとり能力も、興味関心も、学習履歴も異なる子どもたちをいったいどう教えたらいいのか、という本です。
★★★ 具体的には、たとえばこんな形で、です。



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