2016年4月10日日曜日

吉井コーチ(日本ハム)のコーチングから考えたこと

吉井コーチはすごいです。メジャーで経験してきたことをけっしておごるのではなく、自分の教えたいことを教えるのでもなく、あくまでもプレーヤーを中心に据えている。

私のしていることに当てはめてみると、「子どもを中心に物事を考えている」ということになる。でも、自分はどうだろう? 自分の教えたいことを教えている従来の日本のコーチと近いのではないかと思う。

そして、選手が教えを必要としている時、あるいは悩みを打ち明けてきた時、適切なアドバイスができるように自らも学び続けている。かっこいい。私自身もそんなふうでありたいと思う。

青空ミーティングも良い取り組みだと思う。学ぶ主体である選手が何をしたいのか、どんなことを考えているのかを探り、練習や試合の様子を見守る。そしてその後に彼らが何を学んだのか聞き取っている。きっとそんなときに何か声をかけているのだろう。

さらにすばらしいこととして、コーチはいつか変わっていく。でも学ぶ選手はそこに残される。コーチが違えば教え方や考え方もちがう。学び方を教えておくことでそんなことに選手が振り回されることはなくなる。

私達がしていることも、そういうことなのだと感じた。自立した学び手を育てることが大切なのだ! 
なにができる?(自問)

以上は、Y先生が
日本ハム・吉井コーチの育成術目指す理想は“選手のための図書館”
を読んで考えたことを書き出してくれたことです。

あなたは、どんなことを考える/参考にするでしょうか?

以下、記事(一部)を貼り付けておきます。

青空ミーティングで選手と対話

“選手たちにとって図書館みたいな存在になりたい”

「明らかに間違えている部分があったら指摘するが、それ以外は彼らのやりたいようにできるよう手伝いたい」

 2月のアリゾナキャンプで目撃したある光景が今も印象に残っている。紅白戦が終了した後、登板した投手全員をグラウンドに集め、芝の上に座りながら青空ミーティングを行っていた。吉井コーチはノート片手に選手たちと対話をしていた。

 後で確認したところ、キャンプ中は毎日、投手からその日の課題を聞きノートに書き出し(吉井コーチはそれを“取材”と称していた)、それを各人と練習、試合後に確認作業を行っていた。青空ミーティングもその一貫だった。

 つまり吉井流コーチ術とは、選手自ら自分の課題を考えさせ、さらにそれを克服していくにはどう対処すべきかをも一方的に指導するのでなく、話し合いながら選手にその方向性を導かせるというものだ。まさに学生が勉強に困った時に資料を集めるため図書館を利用するように、コーチは選手が自ら成長するため利用する存在であるべきだと考えているのだ。

押し付けるのではなく自主性を伸ばす


   <写真>

 これまでプロ野球のコーチ(打撃、投手に限らず)といえば、自らの経験で培った知識を元に選手たちを指導するというのが大半だった。もちろん吉井コーチは数少ない日米球界に精通する知識の持ち主であり、それだけでも他のコーチたちとは一線を画す存在ではあったはずだ。だが逆に他のコーチたち以上の経験を積んできたからこそ、少しでも多くの選手を育成するには知識の押し売りではなく、自ら考えて取り組ませる選手の自主性を伸ばすことだと感じ取っていた。

 しかしプロ野球のみならず日本の野球環境の中で、吉井コーチの理想を追求するのは簡単ではない。そもそも選手たちは子供の頃から監督、コーチから指導を受けるのが当たり前で、中には高校、大学、社会人と自分で考えることもなく、指導者に言われるがままプロまで駆け上がってきた選手も少なくない。

 こうした選手は壁にぶつかった時に自分で対処する術がなく、コーチの指導に頼り切りになってしまう。だがプロ野球でもコーチの指導は人によってさまざまで、しかも入れ替わりも激しい。コーチとうまく合致した時はいいが、多くの場合は自分の才能を開花できないまま去っていくことになる。そうした選手が自分で考え取り組むようになれれば、もっと多くの選手たちが成長していけるかもしれないのだ。

 だが選手の図書館になるには経験上の知識だけでは限界がある。それを痛感したからこその大学院入学だった。野球専門の研究室で学術的な知識を広げる一方で、吉井コーチは他の研究室の講義にも積極的に参加。スポーツ心理学、生化学、栄養学、運動学などアスリートとして必要な知識も深めていった。

意識改革が進む先に見据える投手王国

 もちろん吉井コーチをフル活用できるかどうかは各選手次第。自ら図書館に向かわなければなんの知識も得られないのは学生と変わらない。ただ吉井コーチは前述の青空ミーティングでも理解できるように、選手たちにモチベーションを与える対話も忘れてはいない。常に彼らの道標になろうとしている。

 吉井コーチの試みは即効性のあるものではない。だが投手たちの意識改革が進めば進むほど、日本ハムは投手王国へ着実に歩を進めていくことになるはずだ。

「順調です」

 開幕直前に今シーズンの活躍を祈願するメッセージを送ったところ、こんな短い返信が戻ってきた。これからも吉井コーチの選手育成術に期待を込めて注目していくつもりだ。


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