2014年9月14日日曜日

具体的なサポート/フォローアップの仕方



前回の記事に対して、「研修をやりっぱなしにしないために、具体的なサポート/フォローアップの仕方はどうすればいいのですか?」という質問をもらいました。

いろいろ方法はあり得ますが、今回は2つ紹介します。

まずは、ある一定の期間をおいて、継続的に場を設けることです。そこで、①やれたこと、②できなかったこと、③応用して取り組んだことなどを披露し合うのです。そうすれば、すでにできてしまった人にとっても新しいきっかけがもてるでしょう。

ちなみに、このやり方は『ペアレント・プロジェクト』(ジェイムズ・ボパット)で紹介されている方法です。通常の保護者を対象にした研修会もイベントとして行われます。(従って、何を扱おうが何も変わらないことを約束しています。アメリカでは、そんな無駄なことは最初からしないようです。)6回連続で行われるのがポイントです。そして、さらに大事なのは会と会の間にすることの方です。(まあ、両方大事なのですが。)さらに、最後は出版物まで作ってしまい、参加者みんなでお祝いします。大人を対象にする研修に大切な要素が、すべて含まれています。

これは、ライティング・ワークショップとリーディング・ワークショップを親に体験してもらうプログラムとして開発されました。いろいろ試した末、6回に落ち着いたそうです。4,5回では足りず、7回以上でもダメそうです。
そして、「学びの原則」のほとんども満たされています。


二番目の方法は、研修の対象を個人と設定するのではなく、「チーム」と設定することです。
そうすれば、受講者がチームで相互にサポート/フォローアップし合う役割を担えます。

欧米では、すでに90年代から、研修は個人を対象にするものから、チームを対象にするものへと転換しています。
チームの構成メンバーは、教員だけよりも、管理職が含まれていた方が、メンバー以外への普及度も高まります。

従来の個人を対象にした研修だと、よくて研修の内容を会議等で他の教員に伝える機会が提供されるぐらいで、それで研修は誰にとっても終わったことを意味していました。実践に移すことなど考えていた人はいるでしょうか? 主催者も、講師も、受講者も、ましてや校内で受講していなかった人も。 誰も、研修で扱った内容を活かして、実践に移すことなど考えていないのです。 たとえ、講師が実践を重視した研修をし、受講者も実践に大きな興味を持ったとしても、サポート/フォローがない状況では、受講者の一人相撲になりがちです。実践に移せる人は10人中一人か二人はいるかもしれませんが、圧倒的多数にとっては、失敗体験を味わうか、実践にもこぎつけない状態で終わってしまうのですから。

それに対して、チームで参加していれば、研修後に相互にサポートし合えますから、研修の終わりがすべての終わりではなく、すべての始まりになり得ます。ある意味では、研修の後の方がはるかに時間を要します。それが実践に移すということなのですが、年次研修や教員免許更新制に関わっている人たちも含めて、「研修とは何で、どうしたらいいのか」ということを理解できている人が、日本には少ないので、無駄な時間(とお金とエネルギー)を費やすだけで、使った時間が授業の質を改善する方向にはまったくいきません。 それが、すでに過去数十年続いているというわけです。

研修は、子どもたちの学びの質と量に繁栄されない限りは、何の意味もありません。単に、時間とお金を浪費しているだけです。それを、これ以上続けるのはおかしいです。

ぜひ、「これからは、子どもたちの学びに直結する研修しかはやらない」ということで主催者(企画者)、講師、そして受講者★は取り組んでほしいです。


★ 義務研修の場合、受講者にできることはそうはないかもしれません。しかし①「市民的不服従」の発動はできます。拒否です。②主催者、企画者、講師への提案もできます。今回と前回書いたようなことを含めて。③研修内容に価値を見出せたら主体的にチームをつくってしまうことさえできます。選択は与えられていないようで、実は結構あります。そして、誰も変えてくれませんから、あなたのアクションからしか、改善は期待できません。

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