2012年7月8日日曜日

先週に引き続いてPTA活動を取り上げます


作家の川端裕人さんは自身のPTA活動の経験をもとに、「PTA活用論」などの著書を出しています。その川端さん曰く、

「行政や学校にとってPTAは「便利すぎる」団体だ。」と。(月刊「プリンシパル」236月号P.54学事出版)

たしかに、「表向き強制されていないのに有資格者全員が集まってくれており、代表として向き合ってくれる」(同書P.54)のです。ただ、その反面、執行部などの役員の人々の年間の拘束時間は相当なものであると。川端さんの経験では、年間の拘束時間は403時間だったそうです。それだけ拘束されて、自分の仕事に支障が出ない方が不思議かもしれません。

そして、「勉強になった」という感想を述べつつ、次年度はやらない人が多いという事実。

現在のPTA活動は「だれでもできる範疇を遥かに超えている」(同書P.55)



そもそも専業主婦の多かった時代にできたこの制度。

今や女性も仕事を持つのが当たり前の時代になっています。学校にとっては「便利な団体」なので、年間の拘束時間が膨大なものになっていることには目をつぶっているのが現状なのかもしれません。

しかも、「全員参加」の掛け声で、「「ただ乗り」を許さない方向へ舵を切りがち」(同書P.55)とのことです。そういえば、うちの学校でも委員会には「全員参加制」を採用しています。実際は、委員になっても活動に参加しない人もいるわけですが、建前は「全員参加」です。毎年、入学式のあとに、新入生の保護者を集めて(さすがに入学式に来ない親はいませんから)、その場で専門委員会の所属希望を提出してもらっています。そのときは調整などはせずに、希望の集約だけ行い、後で執行部の役員が調整して全員の所属を決めているようです。それで、特に文句が出ないところをみると案外うまくいっているのでしょう。

前任校ではこの調整にも学校の教員がかかわっていたので、負担が大きかったように思います。その点、今の学校のPTAはかなり自立した組織だと言えるでしょう。ただ、執行部の方たちの拘束時間はやはりかなりの時間になっていると思います。幸い、学区が自分の育った地域で、地域に対する愛着心が強く、ボランティア精神にあふれた方たちが現在の執行部にいるからできることなのかもしれません。その意味では、PTAはその学校の置かれた地域環境によって、その在り方がかなり左右されるものかもしれません。

同時に、PTA活動がその構成員にとって意味のある活動ができるようにするためにも、「学びの原則」が貫かれることが大切なのでしょう。吉田さんの翻訳にもある「ペアレントプロジェクト」のような活動ができるPTAにしたいものです。

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