2016年8月21日日曜日

教師に「コーチ」という存在がいたら


  欧米では、自校の教師に教え方の指導(=授業改善)をすることは校長の役割の一つに含まれています。(詳しくは、『校長先生という仕事』のパート3、特に、187~210ページを参照ください。日本も建前的には、そのようになっていますか? しかし、実態はほとんど伴っていません!
 しかし、20年ぐらい前から、校長一人がその役割を担っていては、なかなか教え方(=授業)の改善は実現しないということで、読み書きのコーチを中心に多様なコーチが配置されるようになっています。★ ~ ある意味では、それほど教え方=授業の改善を重視しているという証しです。日本も、建前的には校内研究等をしていますから、重視しているとも言えますが、そのやり方に関しては停滞感というか、嫌悪感をもっている教師が少なくないのが現状ではないでしょうか? 毎年、同じようなことを繰り返しても、さっぱり教え方=授業がよくなるとは思っていません。★★
 日本では、最近、管理職以外に担任を持たない教師が増えています。しかし、それで学校はよくなっているでしょうか? 学校が抱える様々な問題に対処するために不可欠ということで配置されているようですが、その多くは教え方=授業の改善が図られないがゆえに存在し続けている問題のような気がします。そのためにも、問題を事後処理する人を増やすよりも、問題を事前に防ぐ人を配置した方が、誰にとってもはるかにいい選択のはずです。(これは、医者を増やすよりも、医者にかかる必要のない健康増進を図る=医療の世話にならなくて済む人を配置する選択と似ています。コストの面も含めて、どちらがより望ましいかは明らかではないでしょうか?)

 読み・書きの指導に特化したコーチが、どのような仕事をしているかを描いた本があるので紹介します。(出典:Becoming a Literacy Leader, by Jennifer Allen、初版。数字はページ数です。) ~ こういう役割を担う人を今の学校で確保することは難しくとも、個々のアイディアから学べることは多いはずです!!

第1章・誰もが自分のためにある、と思える読み・書きの部屋
7 教師たちのオアシスとなるスペースにしたい。空間がつくり出す環境は大切!! ~ こういう発想、日本の教員研修(=教師の学び)にありますか?
9 私の部屋は、子どもたちを対象にしているように見えるが、注意してみると教師用であることがわかる。 基本的に魅力的なレイアウトは変わりない!! ~ 教師を対象にした読み・書きの部屋自体が、教室のモデルとして位置づけられている。図書館は教室の図書コーナーのモデルになっているでしょうか?
  教師がすぐに教室で使える掲示物で壁を一杯にする。
  レイアウト自体も、教室の図書コーナーそのもの。置いてある本まで。 ~ このことからも、いいモデルを示すことが最良の方法であることがわかる。

10 紹介する本や掲示物は、定期的に変えていく。多様な可能性をモデルとして示す。
   ノンフィクションの読み方。関連する雑誌の記事など。
 読み聞かせのおすすめには、特に力を入れる(先生たちが常に探しているから)
   教師のニーズを満たすものという視点で、情報を集め続ける。絶えず集めていれば、負担にはならない。
   とにかく教師に役立つものを集めて、紹介するのは自分の大切な役割。(教師一人ひとりはなかなかその時間がないから。)
11 たくさんのメンター・テキスト(=モデルとなる本)は、教師はありがたがる
13 理解のための方法用へのメンター・テキスト類 ~ 「理解のための方法」については、『「読む力」はこうしてつける』と『理解するってどういうこと?』を参照してください。
15 作家で選書したカゴ、テーマで選書したカゴも用意。
16 教師用の本のコーナー、読み聞かせ用のコーナーも。

17 教師たちのミーティング用のスペース

19 教師が読んでいる教育書の紹介コーナー

第2章・PD(教員研修)★★★
24 自分を紹介するのに7つのストーリーしかないとしたら、何を紹介するか? ~ Paul Newmanの映画撮影からヒント。これを書き出すことで自分が出る!!
 校長が代わって伝統的な職員会議から、学びをつくり出す(学びの場としての)職員会議へ移行し、私も役割をもたされるようになった。★★★★
25 2年間も失敗続きのPDをリードしていた体験が反面教師。やり方が、教員を主役にできなかった。教員たちは「やらされ感」満載の時間だった。

33 スタッフが、自由に自分が書いた「7つのストーリー」を共有し始めた ~ 学びもドンドン増えた。
 雰囲気、主体性、実際に使えるもの、身につくものは、全部比例関係にある。これは子どもたちにも言える。

42 とても大切な教師同士が高め合うピア・カンファランスと、その手順

44 自分の学校でのPD=授業改善が成功した理由
     責任の移行モデルの使用★★★★★ ~ 授業も同じ!
     振り返りを重視した探究活動としてのPD ~ 授業も同じ!
     予想できる(安心できる・期待できる)構造で展開する ~ 授業も同じ!
     共有できる参考資料の確保・提供 ~ 授業も同じ!
     自分にとって意味のある内容を扱う ~ 内容と方法(スキル)の両方に価値がある!! 授業も同じ!
     実際に短い文章を書く ~ 授業も同じ!


★ コーチは、一つの学校にフルタイムで張り付く場合もありますし、二人の教師が一つのクラスをもって、臨機応変に校内の他の教師をサポートする場合もありますし、さらには、一人のコーチが二校ぐらいの学校を掛け持ちする場合など、様々な境遇で仕事をしています。上で紹介したのは、最初のケースです。

★★ 授業をよくする方法は、校内研究や研究授業以外にたくさんの効果的な方法があります。それらを紹介した本が『「学び」で組織は成長する』と『効果10倍の学びの技法』です。


★★★★ 『「学び」で組織は成長する』の中の会議の章を参照ください。

★★★★★ 『「読む力」はこうしてつける』の66~68ページを参照ください。この子どもを対象にした授業でとても効果的な方法は、教師を対象にしたPDでも効果的だということです。

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