2014年7月6日日曜日

質問について


「テストだけでは測れない!」(吉田新一郎・NHK生活人新書)の136ページに「質問に関する質問」という項目があります。

 

まず、「①平均的な教師は教師をしている間(約40年間)にどのくらいの数の質問をすると思いますか?」とあります。正解は、次の137ページに掲載されているとおりです。

「平均的な教師は一時間の授業で43.6もの質問をしているそうです。従って、教師をしている間にする質問の数は、少なく見積もっても100~200万になります。・・・」
 

この話を大学での授業のなかで取り上げました。


教師の質問が1時間の授業のなかで43にもなること、つまり小学校の45分の授業では1分ごとに1つの質問をしていることに、学生はびっくりします。そんなに多くの質問をしているわけですから、子どもたちに考えさせる「深い質問」がほとんどできないことは学生たちも実感できるようです。

 

「Yes」「No」で答えられるような単純な質問(浅い質問)が多くなっている教室が実際多いのですが、これを変えていくことが求められています。そのためには、質問(発問)をどうしていくかを授業の構想段階で考える必要があります。学生たちは、授業プランづくりの大切さをここで納得します。

 

さきほどの質問の最後にこのような質問があります。

「教師の質問の仕方は、何を表すと思いますか?」

この答えは、「教育に対する考え方、捉え方、あるいは生徒たちに対する期待」です。


学生にこの質問をすると、ときどきこの「教育に対する考え方」に近い答えを述べる学生がいます。そんなときは、「なかなかいいセンスしているね」とほめることにしています。「生徒に対する期待」と答えた学生は今のところ一人もいませんが、「これはとても大事なことなんだよ」と説明することにしています。

 

質問を大切にする教師が一人でも増えることを期待したいと思います。

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