2014年5月4日日曜日

読む力


私のパートナーによる「読む力はこうしてつける」という本が出版されています。

今年度、大学の授業でテキストとして採用させてもらいました。
このなかに、次のような一文があります。
 

教科書はカバーすること、こなすことが目的になりがちのため、教師も子どももなかなか主体的にはなれないように思います。(p.36)

 

学生たちは、これまでこのような目で教科書を捉えたことはおそらく一度もなかったのでしょう。まず、この文章に出会って驚く学生が少なくありません。教科書の内容を教えることが教師の役目なのではと考えている学生も少なくありません。(現職の教師でもそう考えている人はいますが)

 

また、同書の60ページにある「学びの原則」も学生たちにとっては驚きであると同時に、「なるほど、そうだったのか」という感想を書く学生もたくさんいます。昨年度教えた学生の中には、「先生、もっと早く、こんな考え方に出会いたかった」と言ってくれた4年生が何人もいました。彼らにとっては、それまで自分たちが教えられてきた「学び方」「教え方」とはまるで違うものだったからです。彼らは「子どもたちは、一人一人の学びのスピードが違うし、持っている能力も違うのだ」という新たな認識に立って、教育実習に向き合うことができたようです。

(いわゆる大学の教職課程で教員養成にあたっている先生たちも「学びの原則」など聞いたこともないという人がほとんどです。そんな状況で、FDという名のもとに、大学の授業を改善しようと言っても、何が改善されるのだろうといつも思ってしまいます。)

 

ペーパーテストで相変わらず子どもたちの知識の量を測定して、それが学力向上に役立つかのように思い込んでいる日本の教育界の現状を少しずつでも変えていくには、粘り強く活動していくことだと思います。

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