2013年12月22日日曜日

本質的な問い その2


「どうして国々は戦争を始めるのか」という問いが先週紹介した『「教える」ことの覚え書き』シェリー・ヘンドリックス/ラッセル・クライン(フィルムアート社)に掲載されていました。
 

最近、大学生たちと一緒に丸谷才一さんの「思考のレッスン」を読んだのですが、丸谷さんも「なぜ戦争が始まるのか」が子どもの頃からの疑問であったと書いてありました。実は、私も小学生のころからずっと疑問に思っていました。
 

もう還暦にあと二年になった今の私に言えることは、戦争を始める裏側には必ず、金もうけをしようという人間の欲が絡んでいるということです。よく、宗教的な対立とか、民族間の対立が原因でと解説されることもありますが、それだけではないようです。

第二次大戦のとき、ドイツでヒトラーがあれだけ権力を独占していく過程で、アメリカの資本家たちの後押しがありました。その後対立することになったアメリカの資本家たちがなぜヒトラーを支援したのか、そのことだけを取り上げると実に不可解です。しかし、欧州での戦争が拡大するにつれて、アメリカの軍需産業の工場がフル回転し、完成した兵器が欧州に送り込まれました。これによって、アメリカの兵器産業を中心とする資本家たちは莫大な利益を手にすることができたわけです。
 

このようなことも第二次大戦に関係する本をいろいろと読み漁って、初めてわかったことです。「なぜ、戦争が起こるのか」というような問題意識、自分としての課題のようなものがあると、本を読むということは実に楽しい活動です。不思議なことに、一つのことがわかると、次から次へと、新たな疑問がわき、さらにそれを追究していくということになります。
 

このような知的な活動を学校の授業の中で行えれば、子どもたちも夢中になって学習に取り組むことができるのだと思います。ですから、どのような課題・質問を子どもたちに投げかけるかということが重要になってきます。ぜひ、単元の中で、その教科の根幹にかかわる「本質的な課題」、しかもそれが子どもたちの側から出されたアイデアや発想をもとにしたものになるといいですね。
 

そのためには、教師は常に世の中の様々なことに関心をもち、また自分なりの関心事をもち続け、アンテナを高くすることができるとよいと思います。このことは、まさに教師としての生き方の問題でもあります。

今年の私の担当は今回が最後になります。

学力テストの結果公開や、道徳や小学校での英語の教科化など、様々な問題がありますが、これをお読みのみなさんがそれぞれの持ち場で、「本質的な仕事」をされることを心より願っております。

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿