2012年10月14日日曜日

学校組織について


日本教育新聞(平成24108日号)に次のような記事が掲載されていました。
 

 「現場の本音」というタイトルで、ある民間人校長のコラムです。

 「当初、学校にはヒエラルキー型の組織が必要だと考えていましたが、今は違います。実は一般企業では、どんどん中間管理職を削っています。命令伝達のスピード化、経営効率の追求などが目的です。
  会社によっては、社長が直接、電子メールで、関係する社員に連絡します。担当取締役、本部長、部長、課長、係長と何層にもわたって伝達すると、途中で、情報に色眼鏡がかかる可能性もあります。そんな仕組をやめる会社が増えています。要は教育界で否定的に見られてきた「鍋ぶた型」組織に移りつつあるのです。・・・・」

 教委は一般に、民間人校長導入の理由として、「民間で培ったマネジメント能力を発揮して、組織化された学校経営を実現する」と言いますが、実は手本とする会社経営自体が変わってきているようです。

 私事で恐縮ですが、私の長男はある機械部品専門の商社に勤めています。そこでも事業ごとのグループ制を敷いています。グループ長は社長からの直接の指示で動き、中間管理職の数は非常に少ないそうです。

 昔の学校は校長が部下職員に対して「よきに、はからえ」で済んでいた部分もあったのでしょうが、今は校内のできごとの多くに対して校長が指示を出さなければならない場面が増えているように思います。
 

 私の現在勤務する学校は生徒指導面でそんなに苦労する学校ではありませんが、それでも毎日いろいろあります。生徒のけが、生徒同士のトラブル、親も巻き込んだトラブル、生徒の登下校の自転車の乗り方に対する苦情など、その対処法を間違えると、大きな問題になることもあります。

 <メルマガの続き>

私は事件・事故の最初の報告で、これは丁寧に処理したほうがいいか、ある程度担当者任せにしていいか、副校長と協議することにしています。その段階でおおまかな指示を出すことにしています。とにかく、早い段階で情報が管理職に届くことが重要です。
 
ですから、いつも「悪いことほど早く知らせてほしい」と職員には話しています。そして肝心なことは、報告がきたら、その場で職員を叱責したり、責めたりしないことです。この段階で叱責したりすれば、二度とその職員は情報を上げてこないでしょう。もし指導の仕方がまずかったりしても、やり方のまずいところは、後でゆっくりと指導すればいいのです。
 
 保護者との話し合いも、校長がすぐに出て行けば、解決が早いと判断したものは、面倒でも私が直接話し合いに出ることにしています。自分が出るか、任せるか、そのバランス感覚も非常に大切であると考えています。
 
そして、学校の対応がまずかったと判断できれば、すぐに謝ることにしています。これは、屁理屈をつけて、自己正当化しようとすると、簡単に収まるものも、こじれることを経験的に学んできたからです。こちらに手落ちがあったときの謝罪は早ければ早いほどよいのです。
 
1年ほど前に、個人情報の取り扱いについて配慮に欠けた対応になってしまったことがありました。そのときは、ある保護者からクレームがあり、事実確認をすると、こちらに非があることがわかりました。そこで、すぐに関係する学年の保護者あてに、謝罪文を出しました。
すると、そのクレームを寄越した保護者から、対応の早かったことに後日、感謝されてしまいました。そのとき、こうした問題の対処の仕方によって、保護者を批判者から支持者へ変えることもできるのだと、つくづく実感した次第です。
 
学校にクレームを寄越す保護者はそれだけ学校への関心が高いのだと考えることにしています。そして、排除しようとするのではなく、こちらの活動ややり方を理解してもらえるように、学校の諸活動やPTA活動に参加してもらうように仕組んでいくことも必要だと思います。これは前任校での話ですが、ある母親はわが子かわいさのあまり、些細なことが心配で度々、学校にクレームを寄越しました。このときは、そんなに心配なら、安心してもらえるように、授業参観日以外に学校の様子が気軽に見られるようにと考えて、「学校通信リポーター」という試みを実践してみました。
これは、学校通信(学校だより)の原稿を作ってもらうことを目的に、校内の授業を見たり、行事に参加してもらったりして、ボランティアとして活動してくれる方を募集するというものです。その母親にもこちらから参加を呼び掛けて、入ってもらうことになりました。
 
 
 年間に6回くらい活動したでしょうか。活動するたびに、その母親も先生方の努力の様子などが理解できたとみえて、最後には学校のよき応援団になってくれるまでに変化しました。
 
 この経験は今の学校経営にも生きています。かつての「学校評議員制」が発展した「地域協議会」という組織がありますが、現任校ではこのメンバーには意欲的な人たちが集まっています。
 
 私はこの人たちから出てきた建設的な意見は、検討してみて、「やる価値がある」と判断できたことは必ずやることにしています。
 すると、不思議なもので、一つがうまくいくと、また次のアイデアが出てくるものです。このようなプラスのスパイラルになったときは、実に気分のいいものです。そんな学校経営ができるように、今日もまた「次の一手」を考えているところです。
 


 

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