学校を変革へと導く力のあるリーダーシップチームを育てるヒントを紹介します
私★★は最近、「学校の中でのよいチームとは何か」についてよく考えています。これから私自身の考えを少し共有しますが、ぜひあなたの意見も聞かせてほしいと思います。
正直に言うと、私が「チームの力」を信じられるようになるまでには、かなり時間がかかりました。つい最近まで、私はチームで良い経験をしてこなかったのです。一人でやったほうが、必要なものをより良く、より早く作れると感じていました。チームで仕事をすると、いつもプロセスが遅くて、面倒に思えてしまったのです。結局、自分が(任されるか、自分で引き受けるかして)仕事の大部分を担うことが多いと感じていました。そもそも、どんなチームが「よく機能するチーム」なのか、どう協働すればいいのか、そしてチームで働くことにどんな利点があるのか、よくわかっていなかったのです。
しかしここ数年、いくつかの異なるチームでの経験が、私の考えを大きく変えました。今の私は、「よいチームをどうつくり、どう育てていくのか」、そしてその過程でコーチやファシリテーターがどんな具体的な働きかけをしているのかを明らかにしたいと思うようになっています。学校を変革できるような、力のあるチームをどう育てられるのかを探りたいのです。
なぜ力を生み出すチームが重要なのか
私たちが「よいチーム」についての考え方や実践を言語化する必要があると思う理由は、次のとおりです。
学校の中に「強いチーム」があることは、教師を定着させ、長く働き続けてもらうために欠かせない!
離職率の低い学校(たとえ都市部の厳しい環境であっても)では、教師たちは同僚とのつながりや支えを感じていると語ります。また、自分が「同じ使命を果たそうとしている仲間の一員だ」と感じられるとも言います。こうした文脈で生まれる感情こそ、困難な取り組みに長く関わり続ける力になります。今、公教育はとても厳しい状況にあります。だからこそ、私たちには、感情的なレジリエンスを育てる仕組み(強いチームなど)が必要なのです。
効果的に機能するチームであれば、メンバーは互いから学び合える。
一人では到底できないようなことを達成できます。互いに刺激を与え、挑戦し合うこともできます。個々の強みを最大限にいかすことができ、苦手なことを無理に一人で抱え込む必要もありません。これは、学校改革のような大きなプロジェクトに取り組むうえで、とても効率的なアプローチであり、何より気持ちがいいものです。
良いチームとは何か?
私が考える「良いチーム」の主な特徴をいくつか挙げます★。
1. 良いチームは、自分たちが「なぜ存在するのか」を知っている。
「私たちは6年生担当の教師チームです」と言うだけでは不十分です。それは単に“属性”(同じ学年を教えている)を示しているだけであって、チームが“存在する理由”ではありません。チームとしての存在目的の一例は、次のようなものかもしれません。
「私たちは互いを支え合い、学び合い、6年生の子どもたちのニーズによりよく応える方法を見つけるために集まっています。」それを「目的」と呼んでも「ミッション」と呼んでも構いません。大切なのは、参加する人が「また会議か…」という義務感で集まるのではなく、その目的が自分にとって“意味があり、価値があり、明確である”と感じられることです。
2. 良いチームは、学びの場をつくる。
学校で働く私たちがチームとして集まる理由はさまざまですが、私はそのどれにも「互いに学び合う機会」が含まれているべきだと考えています。学びたくない教育者に、私はほとんど出会ったことがありません。私たちは本来とても好奇心が強く、教育について学ぶべきことは尽きません。だからこそ、よく機能するチームでは、安心できる文脈の中で学びが起こります。失敗してもいいし、リスクを取って挑戦してもいいし、どんな質問でも遠慮なく投げかけることができます。
3. 良いチームには、健全な対立がある。
もし私たちが一緒に学び、何かのプロジェクトに取り組んでいるのであれば、意見のぶつかり合いは避けられないし、むしろ不可欠です。アイディアについて異なる見方をし、建設的な対話や異議が交わされ、互いの思考が押し広げられていきます。
4. 良いチームのメンバーは、互いを信頼している。
信頼があるということは、避けられない対立が起きたときにも、それをきちんと扱えるということです。メンバー同士が互いをよく知り、耳を傾け合い、どのように関わり合うかについて合意をもち、その合意を大切にしながら活動します。また、ファシリテーターのように、場の安全性を確保する役割を担う人もいます。さらに、信頼を育むためには、強いチームの中で公平な参加や意思決定の共有が見られることが重要です。そこには、社会に存在する不平等なパターン(たとえば、男性が発言を支配するような構造)が再現されることはありません。
5. 良いチームには、ファシリテーターやリーダー、またはリーダーシップを共有する仕組みがある。
チームには、舵を取る人――あるいは持ち回りでその役割を担う人――が存在します。そのおかげで、チームが高いレベルで機能するために欠かせない、意図的な運営・計画・その場でのファシリテーションが確保されます。
次に何をするのか?
この最後のポイントこそ、私がこの秋ずっと考えてきたテーマです。良いチームリーダーは何をするのか? 具体的にどのようにファシリテートするのか? リーダーシップはどのようにローテーションしたり、共有したりできるのか?
私は今、素晴らしいインストラクショナル・コーチのチームと一緒に働いており、私たちはこの問いについて共に考えています。このチームの存在には本当に感謝しています。
私たちは現在、コーチのための「ファシリテーション・ルーブリック」を作成しています。これは、学びにとって目的が明確で安全なチームを育て、私たちが支える子どもたちの成果や経験をより良くするために、コーチがどんな具体的な働きかけをしているのかを特定し、言語化するツールです。このツールが私たち自身の実践に役立つだけでなく、他の人にも有益なものになることを願っています。
次の投稿では、私たちが行っているファシリテーションの具体的な工夫について紹介する予定です。その間に、ぜひコメント欄で、あなたが「よく機能するチーム」で働いた経験や、「良いチームとは何か」についての考えを共有してください。
★「良いチームの特徴」で思い出すのは、IT大手のグーグルが実施したプロジェクト・アリストテレスというプロジェクトを2012年に実施していたことです。そこでは、次の5つの条件が挙げられました。
- 心理的安全性(安心して発言・質問・失敗できる)
- 信頼性(メンバーが責任を果たす)
- 構造と明確さ(役割・目標・計画が明確)
- 仕事の意味(個人にとって意義がある)
- 仕事の影響(自分の仕事が価値を生んでいると感じる)
なお、グーグルはその前に「よいリーダーとはどんな特徴をもっているか」を明らかにするProject Oxygen(プロジェクト・オキシジェン)も行っており、次の8つが挙がっていました。
- よきコーチである。
- チームを後押し、細かいマネジメントはしない。
- チームのメンバーの成功や生活に対し、関心がある。
- 臆病にならない――生産的で結果主義である。
- よいコミュニケーター――とくに、よい聞き手である。
- 部下のキャリア形成を助ける。
- 明確なビジョンと戦略をもっている。
- チームにアドバイスできるだけの技術的な専門知識をもっている。(出典:『最高の授業~スパイダー討論が教室を変える』の20~24ページを参照)
★★=出典: https://www.edutopia.org/blog/5-characteristics-effective-school-team-elena-aguilar
この記事は、『教師のためのアート・オブ・コーチング』の著者のエリーナ・アギラーさんが2015年の6月22日に書いた記事です。SEL便りで紹介した「学校で『機能するチーム』をつくる鍵 ― 感情的知性(EQ)」(https://selnewsletter.blogspot.com/2026/04/eq.html)も参考になりますので、ぜひご覧ください。