https://www.edutopia.org/video/deep-learning-interview-elena-aguilarの画面の「設定」を少し操作すると、自動翻訳を「日本語」に設定して字幕を日本語で読めるようにできます。(あるいは、Transcriptがついているので、それを翻訳するという手もあります。)
このインタビュー★の主なポイントを要約すると、次のようになります。
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従来の「50分授業+教科書+講義」中心の学び方は、多くの子ども、とくに社会経済的に不利な立場の生徒には効果的ではない。学力格差を縮めるためにも、教科横断的で体験をベースにした多様な学び方を取り入れる必要がある。研究も、教科をブツ切りにした学習ではなく、統合的学習が最も効果的であることを示している。
ただし、教科横断的なユニットを計画するには、他教科の基準を把握し、どこで結びつけられるかを丁寧に検討する時間と労力が必要である。他教科の教師と相談し、必要な標準を補強する方法を探り、綿密な計画を立てることが欠かせない。また、インターネットや書籍、人脈を活用し、積極的に情報を求める姿勢も重要である。
単元設計では、到達目標と評価方法を事前に明確にし、生徒にも共有する。学習の途中では形成的評価を行い、理解が不十分なら教え方を調整する。ASCEND School (この学校についてはhttps://projectbetterschool.blogspot.com/2026/02/blog-post_22.html を参照)では、歴史・英語と数学・理科の4教科を組み合わせ、現実世界と結びついた探究型学習★★(expeditionary learning、2015年にEL Educationに名称を変更)を実践し、基準を満たしながら生徒の関心にも応えた(具体的な様子は、https://www.edutopia.org/video/students-learn-make-difference を参照)。
新任教師には、小さな一歩から始めることが勧められる。月に一度詩を取り入れる、年に一度ゲストを教室に呼ぶなど無理のない目標を立て、徐々に教室運営や基準理解を整えながら、短い教科横断的ユニットに挑戦していけばよい。長期的視点で少しずつ広げていくことが鍵となる。★★★
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自分に割り当てられた(どこの誰が、誰に向かって書いたのやらよくわからない)教科書を忠実にカバーしていくのではなく、目の前にいる生徒たちがよりよく学べる方法を常に探究し続けるのが教師という仕事ではないでしょうか?
★このインタビューは、2008年当時すでにコーチの職にあった、5年後の2013年に『教師のためのアート・オブ・コーチング』を出版することになるエリーナ・アギラ―に対して行われたものです。この本を書いた著者が、どのような考えをもっていたり、どのような実践に共感していたりする人なのかは、成果物の一つであるその著作と大いに関わっています。それは、個人レベルで言えることですが、同じように教師集団レベルでも言えることだと思います。「教科書をカバーしてテストをする」ことを学力向上の最善の方法と錯覚している日本の教育界においては、残念ながら、教師を中心に教育関係者に与えられている選択肢はないも同然です! ちなみに、何年か前に文科省は「深い学び」を数年間唱えましたが、言い始めた人たちは、それが「教科書をカバーする授業」とは相容れないものとは気づいていないようでした(ひょっとしたら、気づいていて、あえて言っていたのかもしれません!?)。同じレベルで「主体的で協働的な学び」も教科書との相性が極めて悪いです。教科書内容を「主体的」に取り組める生徒(や教師も!)は、いったい何%いるでしょうか? 「主体的」に取り組めないものを、いったいどうやって「協働的」に取り組めるというのでしょうか?
以上の問題への回避策は、『教科書をハックする』や『ほんものの学びに夢中になる』などを参照ください。
★★この教え方を小学生段階で実践した記録が、『子どもの誇りに灯をともす』ロン・バーガー著、英治出版、2023年です。著者のロン・バーガーは、本の執筆以降はexpeditionary learning→EL Educationのアドバイザーを中心に活動しています。
★★★間違っても、毎年同じことを繰り返さないということです。無理のない範囲で学びながら、毎年確実に成長していくことこそが、教師に求められている(もっとも大切な!?)あり方ではないでしょうか? その際に大事なのは、単に考え続けるレベルではなく、実際に試してみるレベルで臨み続けることです。考え/学び続けることはもちろん大切ですが、残念ながら安全圏にとどまってしまうのに対して、実際に試してみることで小さなリスクを引き受けながら価値のある気づきや改善を得て、教師の成長が生まれるからです。
日本の学校の内外で行われている研修は、このことがどれだけ意識されて行われているでしょうか? 研修を実施することと参加教師の成長とは、どのような関係にあるでしょうか? 成長を加速させられればいいに越したことはありませんが、まずは確実に毎年一人ひとりの教師が成長していることを実感できる制度を再構築することが必要です。残念ながら、いま行われている校内や校外の教員研修では、自分が成長し続け(その結果として、生徒たちの学びの質と量が向上し)ていると実感できている教師はあまりいませんから。この再構築を可能にする情報は、これまで日本にはあまりに少なすぎました(つまり、選択肢がほとんど提供されていませんでした)。動画に登場していたエリーナ・アギラーさんの『教師のためのアート・オブ・コーチング』や、3月10日に出たばかりのジム・ナイトさんの『インストラクショナル・コーチング』などは確実に選択肢を提供してくれていますので、ぜひ参考にしてください。(また、それら異なるコーチングのアプローチを含めて、コーチング関連情報を提供している「コーチング便り」https://note.com/coachingletter/m/ma24c24afc5bdもご覧ください!)
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