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2012年2月12日日曜日

アンケートの結果発表

お待たせしました。
 以前、このメルマガで尋ねたアンケートの結果を発表します。
 (しかし、読者の結果ではありません。あまりにも回答が少なくて、分析できません。)
 ある教育委員会の会議に参加していた小中学校の管理職に協力してもらいました。教育委員会が主催していたこともあって、ほぼ全員の12人が回答してくれました。
 質問項目は、PLC便りに関連するもの以外はほぼ同じです。

 今回焦点を絞るのは、以下の2つの質問です。(あなたは、どのように答えますか?

1)Professional Learning Community(=プロの教師集団として学び続けているコミュニティとしての学校) として自校/自分が属する組織を採点すると100点満点で何点ぐらいですか?
2)PLCということで、すでに実施していること/やろうと考えていること:


1)の回答には、最低が40点、最高が80点でした。
 内訳は、上記の2人以外に、50点が4人、70点も4人、75点が2人で、計12人です。

2)の具体的にしていること/やろうと考えていることとしては、
    ①授業研究 2人
    ②相互授業参観+話し合い 2人
    ③校内研修の充実 4人
    ④授業改善
    ⑤わかる授業
    ⑥民間研究・私立校から学ぶ
    ⑦自己研修
 が書かれていました。
 ①と②は、両方あわせて「授業研究」と捉えられると思いますし、④と⑤もこれに含められると思いますから、6人があげていることになります。
 ③の中には、「学習集団として学級の質を高める研修」「全職員が同じ方向を向いた校内研修に取り組む」「週一回の若手との学級経験研修、アンダー40の職員の学習会(不定期)」が含まれますし、⑥と⑦も広義の「校内研修」に含められますから、こちらも6人です。
 要するには、12人全員が「授業研究」と「校内研修」をあげたことになるわけです。

 さて、これらの回答に対して、どのような感想・印象を持たれましたか?


 私の感想を書きます。
 まず何よりも、12人だけの回答というよりも、全国の学校の状況をとてもよく表している、です。
1)については、高すぎる。
2)は、方法があまりにも少なすぎる。
  というか、効果的でない方法に固執しすぎている、です。

 1)の点数をあえて言えば、10点に届く学校は存在しないと思います。
 これ(=やるべきことをほとんどやれていないという現状)は、逆に言えば、すべての学校がすごいポテンシャル(潜在能力)をもっていることを意味します。それだけ伸びしろが大きいということですから。なお、この点数については評価基準(=具体的な点数の上げ方)が示されないと納得できないという方もいると思うので、後日紹介したいと思っています。

 2)の状況は、PLC便りの第1号で紹介した学校が抱える課題(特に、②と④を参照)が、20年経ってもそのままであることを明らかにしてくれています。

 いま「学力向上」が叫ばれ、そのことで多くの人が振り回されています。
 残念ながら、テストをより頻繁にすることや、テストの結果を分析することでは、学力向上にはつながらないのに、そうした無駄な時間と労力を注ぎ込んでいる人が少なくありません。

 学力向上(というよりは、子どもたちの「学びの質と量を向上」)する最も確実な方法は、PLCを実現することです。それ以外の方法はないと言ってもいいぐらいです。教師が学び続けていないで、子どもたちの学びの質と量がよくなるはずがありませんから。

 その際、求められているのは、「研究」や「研修」ではありません。「日々の実践」です。
 イベントとして行われる研究や研修では、授業の改善が図られないことは、過去数十年の経験から明らかなのではないでしょうか。(「機能していないことをさらにがんばっても、よくならない」と言ったのは、確かアインシュタインのように記憶しています。がんばるなら、視点を変えない限り、方法を変えない限り!!)
 授業は、日々の実践の改善でしかよくなりません。わかりやすい図に示すと以下のような感じです。(画面をクリックすると拡大します。この中には、「研究」「研修」という言葉を一切使っていません。) 

2011年11月27日日曜日

聞くことの大切さ → 読者へのアンケート

前回の「問いかけ」ないし「質問」との関連です。
 「問いかけ」は、「聞くこと」とセットになっているといっても過言ではありません。

 ライティング・ワークショップの創設者の一人のドナルド・マレー(Donald Murray)は、「書くことを教えることは書き手の言うことを聞くことだ」と言い切っていたぐらいです。日本には、そういう書く指導法があるでしょうか?

 教師の職業病といえるのかもしれませんが、多くの教師は教えること、話すことが好きです。(人によっては、子どもたちが何を考えているのか、どんな状況におかれているのかお構いなしに、教え続けたり、説明し続けたりする人もいます。なにせ、自分の仕事を教えることと捉えていますから。)

 しかし、学ぶ(聞く、理解する)のは子どもたちですから、残念ながら教師が教えることイコール子どもたちが学ぶことではありません。教室の中に30人の生徒がいたとしたら、教師が期待しているレベルで学べる(聞ける、理解できる)のは扱うテーマにもよりますが、平均して3分の1~4分の1というところではないでしょうか? 残りの半分~3分の1は“なんとなく”学んでいる・聞いている・理解できるレベルで、最後の3分の1~4分の1は、教師との接点がもてなくて苦労している子たちという感じではないでしょうか?

 学ぶことは、受け身的な行為ではなく、自分なりの意味を作り出す極めて主体的な行為です。教師の話を聞いたり、教科書を読むだけでは、なかなかできない子たちがたくさんいます。

 似たような状況は、校長(管理職)と教職員の関係でも存在しないでしょうか?

 校長になりたてのころや異動した最初のころは、聞いたり、観察をしたりするかもしれませんが、自分の教師時代の経験もあるので、徐々にすべてが「ルーチン化」していきます。「こんなもの」ないし「このぐらいでいいだろう」という意識が定着してしまうことを意味します。

 聞かない・言わないは、会議の席だけでなく、学校中に充満している学校すら少なくなりません。(もちろん、先生たちも、そしてそれを見ている生徒たちも、公式と非公式をうまく使い分けています。あるいは、誰には聞いたり、言ったりできても、誰には聞いたり、言わないという使い分けをする形で。)

 尋ねなければ/聞かなければ/問わなければ、同じことをやり続けることが約束されています。これは、私たちが始めたばかりのPLC通信にも言えることですから、アンケートの形で早速お尋ねします
 授業も、学校も、一方通行のコミュニケーションの時代でないことは確かです。ぜひPLC通信も双方向でお願いします。
 以下のアンケートへの回答は、コメント欄に書いていただいても結構ですし、pro.workshop@gmail.comへ送っていただいても結構です。これが読者とのやりとりのきっかけになればと願っています。アンケートの集計・発表も考えていますので、★ぜひご協力を!!★

アンケート

1) これまでの「PLC便り」で印象的な内容:
2) 学校教育で一番大切なことは?(=あなたが一番大切にしていることは?):
3) 「学校改善」でもっとも関心をもっていること:
4) 「授業改善」でもっとも関心をもっていること:
5) Professional Learning Community(=プロの教師集団として学び続けているコミュニティとしての学校) として自校/自分が属する組織を採点すると100点満点で何点ぐらいですか?
6) PLCということで、すでに実施していること/やろうと考えていること:
7) PLC関連で(あるいは、教育全般で)読むに値する本(タイトルと著者名)は? →たくさんリストアップは大歓迎です:
8) PLCのテーマで扱ってほしいこと/「PLC便り」への期待・要望:
9) あなたが「PLC便り」に貢献できること: