2026年6月28日日曜日

管理職はもちろん、教師も教育書を読む時間はつくれる!

弁護士も本を読みますし、医者も本を読みます。でも教師や管理職はどうでしょう。「忙しすぎて読む時間なんてない」「授業や学校運営で手一杯で、専門的な読書なんて無理だ」とよく言われます。

しかし、教師や管理職の仕事がいつか落ち着く日を待っていても、その日は来ません。必要なのは、学び続ける姿勢を自分たちがもつことです。生徒には学びを求めるのに、私たち自身にはそれを求めないことが多いです。でも、学校を「学び続ける組織」にしたいなら、まず教師や管理職がその姿を示すことが欠かせません。

『7つの習慣』でスティーブン・コヴィーは、時間をより生産的に使うための「時間管理マトリックス」を示しています。これは、目の前の仕事がどれだけ「緊急」か、そしてどれだけ「重要」かを整理して考えるための枠組みです(PLC便り: トリックスの検索結果参照)。 

管理職も教師も、いわゆる「緊急」の仕事に埋もれがちです。困っている保護者からの電話、急に入る教育委員会の会議、食堂での小競り合いの対応、さらには疲れ切った先生のためにコピー機を直すことまであります。

けれど、教師や管理職として本当に大事な仕事――つまり授業と学びをよくするための仕事――は、目の前の火消しほど急ぎには見えません。管理職や教師は、こうした「緊急ではない」という感覚のせいで、どうしても事務や対外対応など、授業や学びに直接関わらない仕事に多くの時間を取られてしまいます。スタンフォード大学の研究でも、校長が授業に関わる仕事に使っている時間は、全体のわずか13%ほどだと報告されています。

そして、専門的な読書もまさに同じことが起きます。生徒の学びをよくするためには欠かせないのに、残念ながら「緊急」ではありません。

でも幸いなことに、校長をはじめ教師たちは読書を習慣にすることで、その時間を取り戻すことができます。習慣は、「緊急だけれど実はそれほど重要ではない仕事」の誘惑に負けないための、最も強力な方法だと私は思っています。ここでは、ジェームズ・クリアーの『複利で伸びる1つの習慣』の考え方を参考にしています。彼は、科学的な知見に基づいて「習慣を続ける方法」を示しています。私はその考え方を、忙しい学校の先生たちがどうすれば専門的な読書を習慣化できるか、という課題に当てはめてみました。

以下で紹介するのは、私が特に気に入っている「専門的な読書を習慣にするための4つの方法」です。

 

方法1:既存の習慣に新しい習慣をくっつける

新しい習慣を身につけたいときは、すでにある習慣のすぐ後にくっつけると続きやすくなります。「今ある習慣のあとに、新しい習慣をする」という形です。

私は、校長が日常的な短い授業観察を習慣化するために、この方法をうまく使っているのを何度も見てきました。たとえば、毎朝の生徒へのあいさつや、職員室にカバンを置くといういつもの行動の直後に、数分だけ2クラスを見に行く、というようにします。

「毎朝、生徒にあいさつしたら、そのまま(職員室に寄らずに)二つの授業を数分ずつ見に行く」読書を習慣化したい場合も同じです。

  • 「朝コーヒーを淹れたら(すでにある習慣)、この掲載誌『Educational Leadership』の記事を一つだけ読む」
  • 「水曜の夜、娘をサッカー練習に送ったあと、家に帰る前に車の中で専門的な読書をする」

このように、すでにある行動読み始めるきっかけをくっつけることで、読書が自然と生活の一部になっていきます。

 

方法2:わかりやすく、取りかかりやすくする

読書を「やるべきこと」として見える化すると、続けやすくなります。たとえば、枕の上に本を置いておけば、寝る前に必ず目に入ります。または、オンラインで見つけた気になる記事をコピーして、明るい色のフォルダーに入れて持ち歩くのもよい方法です。

会議が遅れたり、どこかで待ち時間ができたりしたとき、そのフォルダーが手元にあればすぐ読めます。「どこかにあったはずの記事をメールから探す」「ネットをスクロールして見つける」といった手間がなくなるので、とても取りかかりやすくなります。

 

方法3:予定に入れる

優れた校長は、授業観察やフィードバックの時間をきちんと予定に組み込み、その時間を大切に扱うよう周囲にも伝えています。ならば、専門的な読書も同じように予定に入れてしまうのがよい方法です。

たとえば、金曜日の9:4510:0015分だけ、読書の時間として確保します。カレンダーに入れたら、その時間になったら静かな場所へ移動します。図書室でも、使われていない理科室でも構いません。

もちろん、ときどき予定が崩れることはあります。でも、年間36週のうち毎週この時間を確保していれば、最初から読書の時間をまったく取らない場合に比べて、読める量は大きく変わります。

 

方法4:仲間をつくる

6時のランニングや夜8時のヨガに行けるのは、「誰かが待っているから」という人は多いものです。この誰かと約束しているから続く仕組みを、専門的な読書にも取り入れられます。

まずはリーダーシップチームと始めてもよいでしょう。

「金曜日に、Educational Leadership(またはあなたが読んでいる別の雑誌)の最新のインストラクショナル・コーチングの記事について話そう。読んで、意見をもってきてね」

あるいは、他校のリーダーたちと月1回のゆるやかな読書会をつくり、教育に関する本を一冊選んで語り合うのもよい方法です。こうした仕組みは、読書の習慣を後押ししてくれるだけでなく、読んだ内容をより深く理解できますし、何より楽しくなります。

 

習慣にする

4つすべてを使う必要はありません。どれか一つ、あなたが「これならできそう」と思えるものを選べばよいのです。

一つの方法。一つの新しい習慣。それだけで、あなたの専門的な読書は確実に広がっていきます。

 

出典・https://ascd.org/blogs/yes-principals-can-make-time-to-read

(書き手は、教育コンサルタントのジェン・デイビッド-ラングで、毎月『The Main Idea』を通して教育関連書の要約を提供し、さらに学校や教育委員会のリーダーたちと「マスターマインド」と呼ばれる学習グループを運営している。)

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