サムライブルー(サッカー日本代表)が北中米ワールドカップを戦っています(6月30日ブラジルに惜敗し終戦)。近年のサムライブルーの成長には心躍ります。
選手の成長もだけれど、森保一監督のマネジメントにも大きな注目が集まっています。前回のカタールワールドカップの決勝トーナメント一回戦のクロアチア戦のペナルティーキックで、キッカーを選手が自ら手をあげる形で決めたことが話題になりました(賛否はありましたが)。今回のワールドカップでは、この形はやめたようですが、選手の主体性を生かす、マネジメントを取り入れられたことは、注目されました。
リーダーシップの在り方は変わりつつあるようです。
先日、ある中学校を訪問をする機会がありました。授業参観の後、校長から学校の概要の紹介がありました。学校の在り方や自分自身の考え方を、分かりやすく語ってくれて、好印象。ビジョンが明確な、いいプレゼンだと思いました。どこの学校に行っても、ほぼ同じような印象を持ちます。近年は、学校においても、支配的かつカリスマ的な校長は少なくなってきているように感じるのです。
長らく、続いてきた学校のリーダーシップは、次のようなものでした。
「校長の仕事に対する一般的な認識は、二十世紀初頭からあまり進化していません。かつての校長には、生徒たちや教師、学ぶことや教えることにほとんど関係なく、校長室で学校を管理することのみが期待されていました。(p.100)」★1
ビジネス、スポーツ、学校、あらゆる場面において、リーダーシップのあり方は、強烈な個性をもった「個人が導く」から「集団を活かす」へのシフト。さらに、「権限による支配」から「信頼による支援」へのシフトしていると言われます。★2 今は、転換期にあるのだと思います。
確実に、トップダウン型のリーダーは減ってきてはいる。しかも、誠実に、思いやりをもって、子どもたちファーストで、力を尽くしている校長には、たくさんいます。
しかし、これからの学校におけるリーダーシップはどうあるべきか。そして、それを実践するには、校長がどのように行動すれば良いのか。具体的なイメージは描けていない校長もまだまだ多いのではないかと思うのです。
そのような方に、まず、実行してほしいのが、リード・ラーナーになるということです。校長自らが、学び続けるモデルとなって、その姿を、校内に、地域に、生徒たちに示して欲しいのです。生徒たちは言うに及ばす、教職員、地域の人たちと良い人間関係を築き、皆さんの声に耳を傾け、学び続ける姿勢を示しましょう。
『学校のリーダーシップをハックするー変えるのはあなた』には、リード・ラーナーを目指すときに、すぐにできることとして、次のようなことを挙げています(pp.14-19)。★1
◉ひたすら聞く
生徒、教職員、保護者など、さまざまな人の声に耳を傾ける。毎日のスケジュールに短時間でも2回以上、立場の異なる人たちとコミュニケーションを取ることが推奨されています。
◉質問をする
オンラインのフォームやSNSなどを使って、質問を送ることを指しています。質問を受けた人にとっては、回答を考える時間が大切な時間になりそうです。回答が得られたら、何らかの対応をすべきとの提案がなされています。
◉生徒と一緒に昼食を取る時間をつくる
カジュアルな雰囲気の中で、生徒たちの声に耳を傾けることができます。生徒たちの視点でみた学校の様子を知ることができますね。学校が生徒たちのためにあると言うことを示すことにもなると言えます。
◉目に見える形でお祝いをする
これはSNSなどを使って、学校で起こった素晴らしいこと、素敵なことを、一日一回投稿することです。学校の何気ない日常を祝福し、それを公開することは、学校外との良い関係づくりの第一歩にもなります。
◉校長室から出る
1日一回、一時間程度は校長室を出て、様々な人と直接関わる。もしかすると、これが第一番に校長がすべきことかもしれませんね。
新しいリーダーシップ求められる時代になりました。もし、あなたが、校長室にこもって、教育委員会や他の学校の校長との電話を生きがいにしているようであれば、新しいリーダー像を実現するために、ぜひ新しい一歩を踏み出してください。あるいは、あなたが、意欲と情熱にあふれた新米校長であれば。新しいリーダーシップを実現するチャンスを手にしていると言えます。あまり、周りに同調することなど考えず、自分の信じる道を進んでください。あなたが、新しいリーダーシップを創り出してはどうでしょうか。
校長のリーダーシップが変われば、学校が変わります。
なお、この記事の中で紹介した『学校のリーダーシップをハックするー変えるのはあなた』には、学校のリーダーシップを変革するためのアイデアが満載です。ここに掲載しているのは、その目次です。ぜひ、ご一読ください。★3
1 リード・ラーナーになる―校長は、学び続けるモデルを見せよう
2 C.U.L.T.U.R.E(文化)をつくりだす―リーダーが率先してはじめよう
3 関係を構築する―意図的に関係をもとう
4 学校の壁を取り払う―コミュニティーとパートナーになろう
5 生徒の声を拡散する―声を見える化し、周囲の人の支持を高めよう
6 生徒を学校の中心に据える―子どものための学校をつくろう
7 スーパー教師を見いだす―スペシャリストのチームを育てよう
8 教師も情熱を注げるプロジェクトをする―教師を励まして学びと成長を推進しよう
9 協働して学ぶ―仲間とともに成長しよう
10 マインドセットを変える―ネガティブ思考をやめよう
★1 ジョー・サンフォリポ&トニー・シナシス (2021) 『学校のリーダーシップをハックするー変えるのはあなた』新評論.
★2 リーダーシップ理論とは?変遷と近年注目されるリーダーシップの特性
https://mba.globis.ac.jp/careernote/1351.html
★3 加えて、以下もご覧ください。
PLC便り: 管理職はもちろん、教師も教育書を読む時間はつくれる!
校長先生の巡回の意味は|コーチング便り
明日が最後の1日だったら・・・|コーチング便り