共訳者の一人、かえつ有明中・高等学校の英語およびサイエンス科(プロジェクト学習)担当の田中理紗先生が新刊『学びの中心はやっぱり生徒だ!――「個別化された学び」と「思考の習慣」』の紹介文を書いてくれました。
同じ年齢の子どもたちが、教室という場に集まり、全員が決められたことを同じように学ぶ。そんな工場のような、効率性を重視した仕組みが学校教育という場にそぐわないということに、私たち教員はずっと気づいていたのではないでしょうか? 変化と不確実性の時代の中で、日本の教育も少しずつ変わりはじめ、徐々に「個別化された学び」に類する取り組みや実践が広がり始めていることを感じています。
実際に文部科学省のホームページでも「個別化された学び」に類する「個別最適な学び」に関する記述もあります。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/mext_01491.html
ところが実際の学校現場では、「個別最適な学び」を含めたこのような取り組みが、うまくいっている事例が多いとはいえません。それはなぜなのでしょうか?
実は本書で紹介されている「個別化された学び」は、文部科学省の「個別最適な学び」とは少し(だいぶ?)質感が異なります。というのは、実際のところ、学びを「個別化」しただけで、子どもたちが学びに向き合えるようになるかというと、必ずしもそうなるわけではないからです。
「個別化された学び」を本当の意味で実現していくためには、学びに対するより深い理解が必要です。カリキュラムはもちろん、教師と生徒の関係性、環境、フィードバック、そして今回の大事なテーマでもある「思考の習慣」https://bit.ly/3XZmfbhを育んでいくことがとても重要です。この「思考の習慣」は「習慣」という言葉の通り、『身につけなさい!』と声をかけることによって身につけられるものではなく、まずは教師自身がモデルとなり、示していくことはもちろん、小さなステップを積み重ねながら、教室の中で少しずつ育んでいくものです。
本書は「個別化された学び」を本当の意味で実現させるための「思考の習慣」をどのように育んでいくか、その第一歩を踏み出す、そんなきっかけとなる一冊です。近年の探究学習の広がりにより、生徒に「個別化された学び」の時間を提供しようとしても、「何にどう取り組んだらいいかわからない」と話す生徒がいたり、やる気がないように見える生徒がいたり、表面的な調べ学習で満足してしまったり、ということも皆さんの周りでも、起きているのではないでしょうか? そして、そもそもそのための時間や仲間をつくる難しさを抱えていたり、実施するための方法がわからずに躊躇したりしている教師の皆さんもいらっしゃるかもしれません。
そこで、「思考の習慣」を中心に考えていくことで、これらのことを解決するためのヒントがみつかるかもしれません。本書を使いながら、探究学習や「個別化された学び」について是非もう一度考え、そして新たなステップを歩み始める機会になることを祈っています。
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