「学校はいろいろな意味で変わらなければならない」と言われ続けています。しかし一方で、何をどう変えていいのか分からない状態も続いています。今回は「何を★」はおいて、「どう」の部分についてです。
何かを変えたいと思ったときに、どのようなことに気をつけたり、どのように進めていったらいいのかのヒントです。
1. 一つの方法がどこにも、誰にも同じように効果を上げることはない。
構成メンバーが異なれば、たとえどこかほかで成功した事例でも、そのまま持ってきて成功することは期待薄です。自分なりのアレンジを工夫しなければ。
2. 構成メンバー全員がみんな同じスピードで変わることはあり得ない。
人は一人ひとり受け入れ方、理解や咀嚼の仕方、アクションの起こし方等、違うので、みんなが同じスピードで同じように変われることはあり得ません。しかし、私たちの進め方の多くは、そのあり得ないことを前提にしています。★★
3. 変化は、個人的なものである。
教育は、単に頭だけを使うのではなく、心も使います。教えることは、内容を教えるだけでなく、その人をも教えます。ということは、変わること/変えることを求められた人は、自分を変えることを意味しますから、抵抗も予想されます。★★★
4. 変化を、小分けする。
大きな変化は、脅威に思われがちです。小さく分けることで、脅威は減り、より容易に取り組みやすくなります。それによって、最初に取り組む人たちが、後の人のモデルになったり、サポートすることも可能になります。また、なぜ変わることが必要なのかの理由を明確にしたり、変わることで得られるメリットを確認したりすることも大切です。さらに、異なるスピードで取り組むメンバーにどれだけ寄り添える(個別サポートが提供できる)かがポイントです。これがないとうまくいかないでしょう★★★★。そして、達成できたことは「祝う」(褒める)ことの大切さです。それは、みんなの前で発表してもらったり、何かに書いてもらったりする形でもできます。
5. 関わる人全員のウェルネスを重視する。
ウェルネスは、身体的な健康のみならず、精神的な健康も視野に入れた捉え方です。具体的には、これまで以上に忙しくしないことを意味します。変えるために何かを増やすなら、減らす必要があるということです。しかし、単に時間面だけでなく、身体的にも精神的にも、ワクワクする/元気になることを大事にしてください。
6. 自分も一緒に取り組む。
リーダー的な人が支持をするだけで、あとはお任せでは、残りの人たちがやる気になれるはずはありません(よく、校内研修等で、管理職に見られる行動?!)。そうではなく、自分が率先して「変化のモデル」であり続けない限りは。
7. 率先して変わる人たちに「変化の担い手」になってもらう。
リーダー一人で全部できるはずがありませんから(さらには、学びと変化のコミュニティーをつくるためにも)、変化を率先して起こしている人たちを元気づけ、「変化の担い手」★★★★★になってもらいます。
★「何を」については(そして、それらを具体的に変える方法についても)、このブログでは継続的に扱ってきました。たとえば、https://projectbetterschool.blogspot.com/2023/07/blog-post_16.htmlなど。
★★この点を含めて、『校長先生という仕事』のパート3「学校の改革の担い手としての校長としての仕事」の第3章に詳しく「変化」ついて書かれていますので、ぜひ参照してください。タイトルは「校長先生」になっていますが、あらゆる集団やチームのリーダー的なポジションにある人が知っておくべき/すべきことが整理されているのがパート3です。
★★★この点については、『SELを成功に導くための五つの要素』がおすすめです。
★★★★この点について、授業で対生徒に行っている『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』で紹介されている「一人ひとりをいかす教え方」と、https://projectbetterschool.blogspot.com/2015/03/blog-post.htmlに書かれている方法が参考になります。別な言葉でいえば、「個別最適な学び」を実現するための具体的な方法です。
★★★★★『「学び」で組織は成長する』の17番目の方法を参照してください。
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