これまで2回連続で『歴史をする』(の第2章)から紹介した「理論 vs. 実践」のスピンオフです。
授業をよりよいものにするため、授業を生徒たちにとって忘れられないもの(身につくもの)にするために役立つ理論や原則が紹介されている他の本を紹介します。
その意味で、3回連続の「学びの原則」の第3弾と言えます。(タイトルは、「覚えておく」だけで実践しなくては徳島線から、「“実践する”と得する学びの原則」がより正しいです!)
①まず、『イン・ザ・ミドル』(特に、第1章)には、著者が「教える(側の)論理」から「学ぶ(側の)論理」に転換した経緯が詳しく紹介されています。教師なら誰もが体験を通してすでに知っていることですが、教師(教科書)が良かれと思って考えたプログラム(一斉指導の指導案や単元案)では、せいぜい教室の3分の1ぐらいの生徒にしか届きません。この本の第2章以降では、著者が「学ぶ(側の)論理」に転換して以降の約30年間の実践が詳しく紹介されています。それに合わせた評価の仕方も(第8章)。
②『ようこそ、一人ひとりをいかす教室へ』は、教室のなかに座っている生徒たちは、そのレディネスも、もっている興味関心も、学習履歴(もっている知識・情報・体験)も、学び方も学ぶスピード、学んだことの表現の仕方も違うという歴然とした事実からスタートした教育実践です。(これに対して、一斉指導はあたかもこれらすべてが同じと仮定して行われる授業でしょうか?)
次の図2.2が、このことを分かりやすく描き出しています。あなたが、特に共鳴するものはどれですか? 逆に、反論したくなるものはありますか?
原則は、図には5つしか書かれていませんが、本文では8つ紹介されており、違いがあるものは次の通りです。
・教師は一人ひとりの違いにしっかり注意を払う
・評価と指導は切り離せない
・生徒の多様性をもとに、内容や方法や成果物を変える ~ 教師が教え、生徒が学ぶ内容や方法、そして学んだ結果を表現する成果物につくり方に選択肢を提供する、という意味です(上の「評価と指導は切り離せない」も実現しています!)
・教師と生徒は学習について協働する
・教師はクラスの到達基準と個人の到達基準のバランスをとる
③最後は、これまでこのブログで何回となく紹介したことがある「学びの原則」https://projectbetterschool.blogspot.com/2012/03/plc_18.htmlです。これは、近年の脳の研究や認知心理学等からわかったことをまとめたものです。
他にも、理論、原則、特徴等の観点で、よりよい授業を常に模索し続ける先生におすすめの本には、『学びの中心はやっぱり生徒だ!』と『「学びの責任」は誰にあるのか』に2冊がありますので参考にしてください。
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