前回、野球やスキーや料理がうまくなった要因を紹介しました。(とても重要なので再掲載します。)
野球とスキー:
・継続した
・自分よりうまい人の真似をした
・うまいやり方をイメージして、それに近づけるように練習した
・自分自身ではわからないところを見てもらい、アドバイスを受けた
・もっと上達したいという気持ちがあった
・練習することが楽しかった
・家族や仲間がいた
・自分よりうまい人の真似をした
・うまいやり方をイメージして、それに近づけるように練習した
・自分自身ではわからないところを見てもらい、アドバイスを受けた
・もっと上達したいという気持ちがあった
・練習することが楽しかった
・家族や仲間がいた
料理:
① 自分の興味・関心に合わせた選択を提供されているか?
② 予想や計画が立てられるか?
③ 十分な時間が提供されているか?
④ アドバイスをもらえる人や相互に助け合える環境が提供されているか?
それではいよいよ、ライティング・ワークショップ(日本で実践している先生たちは「作家の時間」という名称を使っています)の紹介です。
これは、1960年代から70年代にかけてアメリカやイギリスなどで子どもたちの「書く力」がいっこうにつかない(日本も、同じころから同じ悩みを抱え続けていますが、いっこうにその教え方は変わりません。それは「読む力」にも言えてしまいます。そして、他の教科にも)ということで、どうしたら書く力がつけられるようにできるかを模索した結果誕生した方法です。それは、単純に本物の作家がしていることを追体験するという方法です。
本当に書く体験をしたことのある人はすでお気づきの通り、①何を書くかを決める(題材選び)が書くサイクルの8~9割の比重を占めています。各テーマが決まったら、②下書きです。最初から清書の一歩手前のようなものを期待するのは無理です。下書きはあくまでも「筆に書かせた」レベルのものです。(最初から構成を考えて、その順番に書くよりも、「筆に書かせた」方が思わぬものが出てきたり、自分でも気づいていない発見が出来たりと、書く醍醐味を味わえる重要なステップです。)下書きは思いつきのレベルですから、書くテーマを読み手に伝わる内容にするためには、③繰り返しの修正が極めて大事になります。(実際、子どもたちも自分が書きたい内容を伝えたい相手に書き始めると、この修正の段階をいとわなくなります。教師が「もうそろそろ仕上げたら」とアドバイスしても延々と直し続ける子どもも出てきます。)なお、この修正の段階では、プロの作家もするように編集者の目というか、他者(子どもたちの場合は、友だちや親や教師など)の目を通すことも奨励されます。内容的に納得した段階で、④校正に入ります。これは内容が読み手に伝わりやすいように文章を整えることです。そして最後は、⑤「出版」です。それには多用な方法があります。作家の椅子に座ってクラス全員の前で読む方法、クラス文集や教室便りなどに掲載されて各家庭でも読まれる方法、直接読んでほしい相手に届けられる方法、一学期に1回ぐらいは自分が書きためた中でベストを紹介し合う「作家の日」の催しなどです。いずれにしても、読んだ人からはフィードバック(ファンレター)をもらいます。
<メルマガからの続き>
★ ①題材の98~99%、②下書きの9割、③修正の3~7割、④校正の5%ぐらいは、⑤出版には至りません。それが作家のサイクルです。この数字を作文と比較してみると、面白いと思います。
これ(①~⑤)を図化すると、以下のようなサイクルになります。★
従来(というか、いまもやられ続けている)作文教育との違いに気付いていただけたでしょうか? 興味のある方は、両者の比較をぜひ書き出してみてください。すでに書きましたように、同じことは「読むこと」でもできてしまいますし、他の教科でもできてしまいます。(私=吉田が考えた表を見てみたい方は、pro.workshop@gmail.com宛にメールください。)
ライティング・ワークショップは英語圏を中心に1980年代の前半から行われるようになり、そのあまりの効果にその手法を「読むこと」に応用しようと思い立った人が、ライティング・ワークショップの特徴を分析したところ、①時間(十分に練習する)、②選択(書く題材や何を修正したり出版するか)、③反応(友だちや親や教師)、④枠組み(作家のサイクルと1時間の授業のサイクル)、⑤コミュニティ(「みんなが作家」という環境)が挙げられました。詳しくは、http://wwletter.blogspot.jp/2010/05/ww.htmlを参照してください。
これは、野球、スキー、料理がうまくなるときの要因に似ているというか、ほとんど同じだと思いませんか?
これだけ「宣伝」しても、なかなか理解してもらうことは難しいと思いますので、最後はお誘いです。タイトルにあるように、『ライティング・ワークショップ』を一緒に読んでみませんか? メールによる「ブッククラブ」という形式で。興味を持たれた方は、吉田=pro.workshop@gmail.com にメールをください。★★
★ ①題材の98~99%、②下書きの9割、③修正の3~7割、④校正の5%ぐらいは、⑤出版には至りません。それが作家のサイクルです。この数字を作文と比較してみると、面白いと思います。
★★ このブログを始める前にもう一人の書き手である白鳥さんたちとこの本を学校経営の視点でブッククラブをし、単に国語の授業改善のヒントが得られるだけでなく、他の教科の授業改善や教員研修の改善のヒントも得られることは証明済みです。
さらに言えば、ライティング・ワークショップに取り組むことで、学校も含めた世の中でうまくやっていくために必要なたくさんのスキルが身につきます。経産省が「社会人基礎力」、文科省が「キャリア教育」として提唱している力のほとんどすべても身についてしまいます。
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