12月24日、私が勤めている地域では終業式。12月24日はクリスマスということもあり、本校では納め会が昼となっている。夜はそれぞれの家庭やプライベートで…というスタンスではあるが、やはり同じ職場で2学期の間、共に過ごしてきた仲間たちと共に美味しい飲み物を酌み交わす時間は私にとって貴重だ。そんな中、突然個別で連絡が入り、何人か同じ思いをもっている仲間からの誘いを受け、店が指定された。非常に喜ばしいことだったが、そもそも誰が何人くるのかなど全く知らない状況だった。
仕事をすべて済ませ、一度家事をしに家に帰ったあと、お店に行ってみた。すると、4年次~初任までの、メンターメンティー研修(以下、メンメン研)経験者たちがずらり。もちろん、事情で来られなかった先生もいるが、多くの先生がいたことにまず驚いた。立場上(それを気にするのは悪しき習慣だと怒られると思うが…)自分からこういう席を設けることはよくないと思い、全く誘ってこなかったが、普段、お酒は大好きなので、素直に嬉しかった。
別に深い意図はなく、話したい・飲みたいという話になったらしい。せっかく最後の日なのだからと。でもその日にまず、このメンバーで…となってくれたことが私にとって、ここまで学校内で取り組んできたことの一つの成果だと思う。そこにおまけで私もつけてくれたことには予想外だったが、せっかくだから、本音を聞きたいなぁと思い、色々尋ねてみた。
質問:このメンメン研から何か学んでいることはある?
以下、様々なメンメン研のメンバーからの回答。
・ 自分が先輩としてもっとしっかりしなきゃいけないという自覚が芽生えた。
・ 下の(自分より若い)子たちどうなっているか気になるようになった。力になりたいと思った。
・ 横のつながり(同期)の言葉に助けられた面が多かった初任時代。その関係を横だけでなく、縦でもつことは大切だと考えている。
・ 学年が厳しかった分(厳しい主任や先輩と組んでいた)、助けてもらったり、話を聞いてもらったりする相手がほしかった。同期がいなくてどうしようと思ったが、それを違う学年の先輩や教務主任が親身に一緒にやってくれたことで救われた。
・ 今度は自分が!という気持ちが本当につよい。これからの後輩たちにもそういう思いで仕事をしてほしい。一緒に考えて、言いたいことは言い合いたい。
・ 1番はじめの初任者の研究授業が終わったあと、周りの先生方はみなさん褒めて下さって嬉しかったのに、最後に校内指導教諭である私との会話でたくさんの問いを投げかけられて、それにうまく応えられない自分がいて悔しかった。
・ その経験があったから、授業を組み立てたり、手立てを考えたりする時は自分から「なん
で?」「どうして?」「他には?」と問いかけながら作ったり考えたりするようにしている。最後の初任者研の研究授業のときに、問われたことにすべてスラスラと応えられている自分がいて本当に嬉しかったし、驚いた。(校内指導教諭からも)「自分の考えをもって、自問自答しながら、起きたことに対して次どうするか、どうすればよかったかを考えられている。これが1番の成長だね」と言われて嬉しかった。
・ 先日の研究授業(2年次研と学校課題研究の研究授業を兼ねて行った授業)でも、研究主任(以前話題に挙げた、初任者を詰める学年主任)に「こうするべきだよ ね」「これはこうだよね」と(授業前に)たくさん指導されたが、「○○だから、こうしたいです」「~ことを狙うので、これでやりたいです」と自分の思いもしっかり伝えられた。1年やってきてよかった。
・ 先輩方が本当に優しすぎる。常に声をかけてくれる。一緒に考えてくれる。一緒に動いてくれる。そんな環境でできることが嬉しい。何かあっても相談できる人、考えてくれる人がいれば、(今年初1年で、結構大変な学級)まだまだ乗り越えられると常に思えた。
ここまでコメントを挙げてきたメンメン研を共に過ごした教員たち。私自身が手探り状態で始めた時期に初任者だった者が、今やメンターとなってチームを引っ張る姿が見られるようになった。
また、学校事情や私が初めて教務主任という立場になった時期も重なって、とにかく優しくしてしまった初任者。その初任者が自分なりに考え、経験を引き継ぎたいという考えや組織づくりや同僚性への思いを強くして、メンターとしてメンティーと向き合っている。
そして昨年初任者だった先生は、私が試行錯誤した年なので、1番に「問い」に対する思いが出てきた。それを自分の仕事に活かしたりその後の事案に活かしたりできていることが分かった。加えて、組織づくりにも少し目が行き始めている。上に挙げた、先輩の先生方がメンターとなってチームを引っ張ってきたからこそ、メンティーが新たなメンターとなってチームをよりよくしたいという思いが芽生えたようだ。
職場が働きやすい。悩みを共有できる。共に切磋琢磨できる。そういった職員室であれば、子どもを輝かせることも協働しながら行うことができるはず。大学院で組織マネジメントを学び、メンターメンティーチームという仕組みを知った私が抱いた思いが、今、目の前で形になってきたことを改めて実感した瞬間だった。このような体験を初任者や若手教員が次々としていき、その後自身の後輩教員たちへ引き継いでいくことができれば、私がいなくても学校の文化・風土として根付かせることができるはず。その実現に向けて、今日も職員とのコミュニケーションを大切に、メンターメンティーチームの行く末を全力でサポートしていきたい。
以上は、8月18日、9月21日、10月6日、11月17日、12月15日、12月29日と続いている、埼玉で教務主任/初任者校内指導教諭をしている田所昂先生の第7弾です。
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