生徒のエンゲイジメント(夢中で取り組むこと)の大切さについては、https://projectbetterschool.blogspot.com/2015/03/blog-post_15.html
で触れました(し、『教育のプロがすすめるイノベーション』の第6章で詳しく扱われています★)が、より重要な(というか、その前提になる)教師のエンゲイジメントについてはまったく抜かしてしまっていました。
あなたは、自分の仕事(教えること)にどれくらい夢中で取り組めていますか?
次の3択で答えてみてください。
1)
夢中で取り組めている(常に、新しくてより良い方法を模索している)
2)
仕事には満足していても、自分の時間を使って研鑽しようとはしていない。もはや教えることを自分の情熱とは思えていない。
3)
仕事に満足しているところが見られないし、やる気も失っている。良くしようとする者の「足の引っ張り役」になっている。
あなた自身は、1)だと思いますが、周辺にいる先生たちを見渡すと、1)~3)は何割ぐらいずついるでしょうか?
アメリカのある調査によると、なんと3割、6割、1割という数字が出たそうです。3)に教えられたり、同僚にもったりした教師は悲惨です。そして、圧倒的多数の2)の教師にもたれた生徒たちも不幸です。日本でいえば、つつがなく教科書をカバーすることに焦点を当てている教師がこれに当たると思います。単に教科書をカバーされるレベルで、その教科が好きになったり、自立した学び手になったりする確率は極めて低いですから。
しかし、より大切なことは、いったいどうしたら教師のエンゲイジメントの(夢中で取り組む)レベルを上げることができるかです。
教師にとってのエンゲイジメントの定義は・・・自由裁量のある時に、生徒の学びの質と量を向上させるために自分を磨く、同僚や学校に貢献すること、と言えると思います。
セルフ・チェック・リスト:
・自分は成長しているが、限界を感じるほどではない。
・他者を肯定的に認めるようにしている。
・同僚や生徒の成長を週ぐらいの単位で積極的に励ますようにしている。(もちろん、自分に対しても!)
・自分が好きな仕事を毎日選択して行っている。
・自分の仕事を日々改善するエネルギーがある(自分の仕事を改善し続ける努力をしている)。
あなたは、上の図のどの象限(Quadrant)にいますか?
第3象限も決して悪くはありませんが、一番魅力的なのは、第1象限です。
左半分の状態で仕事をし続けることは、かなりつらいものがあります。そしてそれは、確実に生徒たちに伝播します。
第3象限に流されず、第1象限に留まるための方法としては、
1)
元気にしてくれる人と一緒にいるようにする。
2)
元気にしてくれるイベントに参加する。
3)
よく食べて、動いて、寝ることに注意を払う ~ 元気を維持するベース
4)
元気にしてくれる仕事の環境をつくる
5)
仕事以外で、自分を元気にしてくれる余暇の活動をもつ
などがありますが、他に、あなたがすでにしていることはありますか?
★ 残念ながら、日本で行われている授業の多くは、まだ生徒たちが夢中で取り組む以前の「従順、服従、忖度」の練習の場となっているようです。生徒たちがエンゲイジする授業に、そしてさらにエンパワーする授業を目指してください。そうでないと、生徒たちがその教科を好きになり、かつ「主体的で自立した学び手」になることはありませんから。『教育のプロがすすめるイノベーション』には、そのための方法が具体的に書かれています。
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